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【cinema】『親愛なるきみへ』(試写会)

2011-09-28 00:22:52 | cinema
'11.09.18 『親愛なるきみへ』(試写会)@赤坂区民センター

某お友達から招待券を頂いた。実はこれyaplogで当選したのだけど『ゲット・ラウド』の試写会にお誘い頂き、どうしても見たくてそちらを選択。すごく気になっていたので、見れて良かった♪

東京国際映画祭(TIFF)のプレイベント上映会ということで、昨年の様子などの映像で構成された映画祭の紹介VTRの上映後、関係者の方から今年のオープニング作品とクロージング作品、その他オススメ作品の紹介があった。ブラピ主演のクロージング作品『マネーボール』と、グレン・クローズ主演の『アルバート・ノッブス』が気になった! 本作と関係ないので、そろそろ本題へ(笑)


ネタバレありです! ごめんなさい、辛口かも・・・

「2001年春、夏休みで帰省していた大学生のサヴァナは、陸軍特殊部隊に所属している休暇中のジョンと偶然出会い恋に落ちる。ジョンは兵役を終えたら除隊する約束をし、任地へ赴く。しかし、ある事件により2人の運命は大きく変化し・・・」という話で、これは青春純愛映画。そして、家族愛でもあり、ヒューマンものでもあるのかな・・・。その辺りは監督のラッセ・ハルストレム風味という感じもするけれど。うーん。ザックリした感想をtweetしておいたけれど、2人の若者らしい真っ直ぐさはすごく良くて、とっても清々しくて良かったのだけど、彼女の選択がなぁ・・・

2006年世界で最も読まれた恋愛小説「きみを想う夜空に」の映画化。原作者は『きみに読む物語』、『最後の初恋』の著者でもあるニコラス・スパークス。両作品とも未見で未読、この作品も未読。なので、どこまで原作どおりなのかは不明。前半部分の2人が恋に落ちていく部分に関しては、若干急ぎ足な気がしないでもないけれど、丁寧に描かれていたと思う。ただ、ジョンが以前はちょっと素行が悪かったというような描写が入ったり、サヴァナに恋するライバル男子の存在とか、ちょこっと入れてくるわりにはそんなに生かされていない部分が気になったりはするけれど、それで流れを壊してしまうということはない。サヴァナもジョンもとっても真面目な若者で、若者特有の潔癖とも言える真っ直ぐさが不器用に感じる部分もあるけれど、2人の恋愛自体もさることながら、2人の人柄にも好感が持てて、見ていてとっても微笑ましかった。2人がお互いを大切に想って、お互いの取り巻く世界を知ろうとし、尊重している感じもよかった。

ジョンは父親と上手くいっていない。ジョンの父は軽度の自閉症なのではないかとサヴァナから指摘を受ける。上手くいっていない理由はおそらくそこにある。子供はいつか親を越えて行くものなのだと思うけれど、おそらくジョンはそれを普通の少年よりも早く迎えてしまったのかもしれない。その原因についても病名までは分からなくても、何となく気づいていたのだとは思う。ただ、やっぱり認めたくはなくて、それが逆に父親に対する失望とか、苛立ちになってしまっていたように思う。毎週日曜日にはラザニアを作り、趣味のコイン収集に没頭する父親の姿を見ているのが辛い感じ・・・。ジョンの父親のように障害があるわけではなくても、親が突然小さく見えて悲しくなったり、寂しくなったりすることは、誰にでもあるんじゃないかと思う。だから、とっても切ない。でも、ジョンはサヴァナに病名の指摘を受けたことにより、父親のことをきちんと見つめ、そして理解し受け入れることが出来たんだと思う。この親子関係は父親役のリチャード・ジェンキンスの素晴しい演技によって、とっても感動的に描かれている。

サヴァナがジョンの父親が軽度の自閉症であることに気づいたのは、彼女の隣家の息子が自閉症だったから。自閉症については詳しく分からないので、毎度のWikipediaで調べてみたけれど、難しいので簡単に引用すると、社会性や他者とのコミュニケーション能力に困難が生じる発達障害の一種。特徴としては、対人相互反応の質的な障害、意思伝達の著しい異常またはその発達の障害、活動と興味の範囲の著しい限局性が上げられる。健常者との境界もあいまいで、自閉症児者の中には驚異的な記憶力を有していたりする、いわゆるサヴァン症候群と呼ばれる能力を持つ場合もあるとのこと。隣家の息子の症状のについては、見ていただけでは分からなかったけれど、父親以外の他人にはほぼ関心を寄せないのに、サヴァナにだけは心を開いている。サヴァナが大学で何を専攻しているのか説明があったか忘れてしまったけれど、彼女は両親の牧場を開放し、自閉症児を馬と触れ合う施設を作りたいと考えている。その影響は間違いなくこの少年によるもので、彼に対する思いが、後に2人にとって重大な決意を彼女にさせることになる。

休暇を終えたジョンは、任務終了後除隊しサヴァナと過ごす日々に希望を持って、任地へ戻る。任地はメールも携帯も通じない僻地で、さらに短期間で移動するため、唯一のコミュニケーション手段である手紙も簡単には届かず、届く順番も違ってしまう始末。それでも、お互いの夢や未来を信じて互いに励まし合う。特に、ジョンは他に娯楽がないので、サヴァナからの手紙が唯一の心の支え。彼女の手紙を待ち焦がれてる感じがとっても伝わってくる。サヴァナにとっても、もちろん心の支えではあるだろうし、いくら戦地ではないとは言っても、遠く離れた特殊部隊の恋人を心配する気持ちは分かる。ただ、どうしてもジョンの方が切羽つまった感じがしてしまうのは事実で、この時点ですら多少温度差を感じてしまったことが、後のサヴァナの決断を素直に受け入れられなかったことの原因かもしれない・・・。

2人の運命を狂わせたのは9.11。ジョンの所属するチームは任期延長を選択する。もちろん強制ではないけれど、チームの士気が高い中では自己主張出来ない感じはよく分かる。わずかに与えられた休暇、18時間しか滞在できなくてもサヴァナの元に帰るジョン。でも、サヴァナの中には何か切れてしまった部分があったように思う。男の人は言い訳することを潔しとしないところがあって、詳しく言わなくても分かってもらえるだろうと思うようだけれど、女性としては分かってはいても言葉にして欲しかったりする。ジョンはきちんと自分の気持ちを説明しようとしていたと思うけれど、思わぬ邪魔が入ったりして十分に気持ちが伝わらないまま、再び任地に戻ることになってしまう。この辺り、とっても歯がゆいのだけど、ドラマの盛り上げとしてはありだと思う。空港での父親の姿が悲しい・・・。再び離れてしまった2人。いつ戻れるのか分からないし、戦地に赴くわけだから、無事戻れるかも分からない。その不安の中で、ジョンはやっぱりサヴァナへの思いと、彼女の存在を心の支えとしていくけれど、手紙は次第に届かなくなっていく。そして、ある日彼女から別れの手紙が届く・・・。

以下、ネタバレありです!

ジョンは自暴自棄となり戦地で負傷して帰宅、サヴァナと再会し真実を聞くこととなる。隣家の自閉症児の父親であるティムは末期の癌で、息子を残していくことを心配していた。ティムはサヴァナを愛していたし、息子もサヴァナを慕っているので、彼女に全てを託したいとプロポーズし、サヴァナはそれを受け入れたというのが真相。あえて、ネタバレしてまで書いたのは、ティムが彼女を愛しているという描写がほとんどなく、あえて言えば前半部分に「彼女を不幸にしたら許さない」とジョンに告げる台詞くらいでは、ちょっと唐突な印象。仮に息子のために結婚したのだとしても、父親の心理として理解できないくはないけれど、そこまでしてサヴァナに託さなければならない理由が分かりにくい。彼の元妻についての説明があいまいで、ティムは常に旅行中だと周囲に説明している。ジョンが自分も後から真実を知り辛かったから、きちんと息子に伝えた方がいいと語るシーンがあるけれど、元妻と離婚したのか死別したのか不明。離婚したなら妻に託せばいいと思うし、死別したとしても、サヴァナじゃなければと思いつめる必要もないように思うし。確かに、彼女にしか心を開かないというセリフはあったけれど、その一言だけで若い女性の人生に背負わせる重荷を、見ている側に納得させるには、ちょっと説明不足な気がする。

イヤ、別にサヴァナの選択が間違っているとは言わないし、ジョンがいない間に不安になって、そばで優しくしてくれた男性に心動く気持ちも理解できなくはない。そもそもサヴァナが自閉症児に強い関心を寄せていたのは、この息子の存在が大きかったわけだから、彼に対する同情や愛情も理解できる。でも、心から愛する男性がいた場合、寂しさや同情から結婚してはダメでしょう。結婚しなくてもティムの看病はできるし、息子の行く末も別の手段はいくらでもあるハズ。その辺り、どうしてサヴァナがその結論に至ったかという経緯が一切描かれていないため、どうしても彼女に感情移入できないというか、納得できないというか・・・。そもそも、手紙の内容も別れをにおわす部分のみサヴァナの声で朗読されて、後はジョンが同僚に「他の男と婚約したんだ」と言うだけなので、見ている側としてはその辺りも本当なのか分からない。チラシなどで「書かれていなかった事実とは・・・」となっている以上、実際は別れたくなかったけれど、よっぽどの事情があって別れる決意をしたのだろう思って見ていたわけで、その理由がコレというのはちょっと・・・。自分もすごく寂しくてすがる人が欲しかったのだとしても、ジョンを裏切ってまでティムと結婚する最大の理由が癌や自閉症というのは、見ている側に対して言い訳っぽい気がしてしまう。

ティムがジョンに「彼女は自分を本当には愛していない。君に向けた眼差しは、僕には向けられなかった」と言ったり、別れ際必ず言っていた2人の合言葉「すぐに会おうね」を、サヴァナがジョンに言うシーンもあって、彼女の想いがまだ彼にあることが描かれる。そして、悲しい出来事や、感動エピソードを挟みつつも、思ったとおりのエンディングへ向かう。別にハッピーエンドがダメと言っているわけではないし、とても好感が持てる2人なので、幸せになって欲しいと思うのだけど、ここに着地させたいがために、今でもジョンを愛しているということを前面に出してしまったため、彼女の決断がより軽率だったように感じてしまう。前述したように、他に方法はいくらでもあったように思うので、何故ティムと結婚しないといけなかったのか納得しにくい。イヤ、これが第二次世界大戦中とか昔の話ならば、世間体やしがらみがあったと思うけど、21世紀の話だからね。まぁ、決断自体は原作どおりだろうから、映画の感想としては違うのかもしれないけれど(笑)

キャストは良かったと思う。ジョンのチャニング・テイタムは繊細で自分の感情を上手く出せない感じを上手く表現していたと思う。好みはいろいろあると思うけれどイケメンなのでは? 特殊部隊所属ということでかなりマッチョ。マッチョ苦手だけど(笑) サヴァナのアマンダ・サイフリッドは出演作目白押しだけど、意外にも見たのは初めて。美人で賢く、優しくて、自分の信念や夢を持っていて、ボランティア精神もあるという、ヘタをすると嫌味になりかねない役を自然に演じていたと思う。ただ、後半部分の彼女の決断部分が全く描かれていないため、ちょっと損だったかなと思う。真相を語るシーンは頑張っていたと思うけれど、それだけでは伝わりにくい。ただ、その後の「すぐに会おうね」と言うシーンでは、その後の反応も含めて良かったと思う。恋愛映画なので主演2人に好感が持てるかが重要だと思うけど、キャラも含め2人の好演によるところは大きいと思う。ティム役でヘンリー・トーマスが出ていてビックリ! 『E.T』のエリオットだよね? どうやら日本ではあまり知られていないけれど、アメリカでは演技派として評価が高いらしい。何より素晴しかったのはリチャード・ジェンキンス! 軽度の自閉症である父親は表情に乏しく、思いを伝えるのが苦手。でも、ジョンを愛しく思い、サヴァナのことも気に入っていることが伝わってくる。ジョンのために最大の努力をするけれど、上手く行かないシーンや、病院の廊下でのジョンとのシーンでは涙が止まらなかった。空港でジョンを見送り、サヴァナと2人きりにしてあげようと、外で待っている後姿が素晴しい(涙) この演出は良かった。『モールス』とあまりに違ったので、全然気づかなかった(笑) この演技は素晴しい!

2人の故郷(地名を失念・・・)の風景がすごく良かった! 海もあって森もあるみたいな・・・。特に牧場の風景が良かった。その辺りはラッセ・ハルストレム監督らしい感じもする。ハルストレム監督なので期待していたのだけど、ちょっと残念な感じだったかなぁ。前半が良かっただけに・・・。サヴァナの選択は原作どおりだとしても、見ている側に全然情報を与えない演出は、どんでん返し的なビックリ感動エピソードじゃないと純愛物の場合、見ている側としてはちょっと消化不良かも・・・。

なんだか、ここまで長文で辛口に書くつもりはなかったのだけど、気づくとこんなことになってた(笑) 酷評しているつもりもないし、ダメな作品ではない。リチャード・ジェンキンスは素晴しかったし、父子の関係は感動した(涙) 主演の2人もキャラも含めて好感が持てて、若者特有の真っ直ぐさがすごく好きだった。それだけに、後半が残念な気がしてしまったので、くどくど書きすぎてしまったかも・・・。すみません・・・

若者らしい恋愛作品、父と息子の家族愛、ちょっとメロドラマ好きな方にはオススメ。

『親愛なるきみへ』Official site


コメント (6)
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【Agatha】ドヤ顔するアガサ

2011-09-28 00:00:00 | Agatha
・・・ ドヤ顔するアガサ ・・・
アガサ元気です!お留守番できて偉かったね v(δ∇δ) http://t.co/sMeghbYU #pikubo Posted at 06:19 PM



お友達のtomoyaさん曰く、ドヤ顔するアガサ(笑) 日曜日には弟一家が様子を見に来てくれたとはいえ、ほぼ3日間一人でお留守番してたからね。 ドヤ顔したって当然! 偉かったねアガサ!

http://twitter.com/maru_a_gogo


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