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【cinema / DVD】『ルイーサ』

2011-09-12 00:00:00 | cinema / DVD
"引きこもり映画祭"3作目は『ルイーサ』 おもしろかった。ツッコミどころはあるけど、なんだかほほえましい。ルイーサ役の女優さんが素晴らしい! Posted at 02:07 PM



「長年一緒に暮らした愛猫を亡くした日に、30年勤めた墓地運営会社と女優の家政婦の仕事をクビになったルイーサ。猫を火葬するためのお金もない。初めて乗った地下鉄で新しい人生が始まる・・・」という話で、アルゼンチン映画。これは気になってた。どうやら地下鉄を舞台にした脚本募集という企画があったらしく、監督が応募、映画化となったらしい。

どうやらルイーサは若い頃に夫と娘を亡くしているらしい。毎朝、同じ時間に家を出て、同じバスに乗り、娘と夫のお墓参りを済ませて出勤する。規則正しいといえばそうなのだけど、要するにイレギュラー対応には弱いということ。解雇になるというのはかなりのイレギュラーだけど(笑) 1つの法則が崩れると全てが崩壊しまう感じを淡々とコミカルに描いているので、60歳で失業、貯金なし、身寄りもなしという悲惨な状況も、そんなに辛くなく見ることができる。

30年間同じバスにしか乗っていないので、地下鉄に乗ることが出来ない。いくらなんでもそれはないだろうと思うけれど、無表情なルイーサのキャラに何故か納得してしまう。口座解約通知の差出人の名前が頭取になっているからといって、本人にしか会わないと言い張ってしまうくらいの世間知らずで頑固者。見方を変えれば純粋で必死であるということにもなるのだけど、その辺りのバランスがいい。

アルゼンチンの事情については詳しくはないけれど、失業率は低くはないと思われる。そんな中、60歳の女性が就職できる可能性は極めて低いかと思うけれど、いきなり電車の中で物乞いを始めてしまうのも、猪突猛進というか・・・
実際に関わったらやっかいな人だと思うけれど、映画のキャラならおもしろい。ダメな人もいるかと思うけど(笑)

ルイーサを演じたレオノール・マンソが良かった! 全くといっていいほどつぶしのきかない、堅物過ぎるルイーサを、純粋な老女にしていた。イライラせずに見れたのは、レオノール・マンソのおかげ。ルイーサの新しい仕事仲間となるオラシオのジャン・ピエール・レゲラスも良かった。エンドロールに「ジャン・ピエールとの思い出に」と書かれていたので、もしやと思っていたら、2007年に亡くなっていた。本作が遺作となったのだそう。ご冥福をお祈りします。

ツッコミどころはたくさんあるし、途中ちょっとだれるところもあったけど、人間どんな状況でも生きていけるものなのだと思った。ルイーサのようになれるかは分からないし、なってしまってはダメな気がするけれど(笑) だって30年間まじめに勤めたかもしれないけれど、多分毎日同じことしてただけだからね(笑)

ルイーサのアパートのレトロな感じのデザインが好き。おばあちゃんの家というのともちょっと違う感じで、意外にポップ。ブエノスアイレスの街並みもいい。これがニューヨークの地下鉄だったら、こんなに不思議な感覚にならなかった気がする。ほのぼのともカワイイとも違う。でも、ほほえましいというか・・・ 不思議な感じ。

オススメ!!ってほどでもないけれど、こんな感じの映画は好き。たまにはこういう作品もいいと思う。

『ルイーサ』Official site

http://twitter.com/maru_a_gogo


コメント (2)
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