まりっぺのお気楽読書

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イングランド王ヘンリー2世愛妾 ロザモンド

2009-07-27 00:37:04 | 王の寵姫・愛妾
伝説を身に纏った美女
フェア・ロザモンド・クリフォード


1150?~1176/愛妾 1163?~1176

ロザモンドの生涯にはあまりにも伝説が多くあって真偽を見分けるのが
とても大変なのだそうですけど、実在していたことは間違いありません。

父親はウェールズの貴族で、ヘンリー2世がウェールズに従軍している時に
初めて会ったと言われています。
ロザモンドの美しさは評判になっていてヘンリーが侍女に召し上げたらしいです。
ヘンリー2世は賢王の誉れ高い方ですが、なにしろ好色でして…

       

今までの浮気はどうだったんだ? と問い詰めたくなるのですが
ヘンリー2世は王妃エリナー・オブ・アキテーヌにバレるのだけは避けたかったようで
ロザモンドを(当時は)人里離れたウッドストックの離宮にかくまって「狩猟だ」と
嘘をついて通っていました。

なかなか会いに行くこともままならず、訪れても王妃のスパイの目を気にして
15分以上の長居はできませんでした。
“ 史上最も放ったらかされた愛妾 ” と言う歴史家もいるそうです。

驚きなのは、まさかの時のためにウッドストック離宮の中を迷路のようにしておいて
赤い糸をたどってロザモンドの部屋まで行くというお話。
なんか … そんな思いまでして会わなくてもいいんじゃなくて?
伝説によると結局エリナーが赤い糸をたどって行っちゃったらしいです

ウッドストック離宮は今は無く、その後建ったブレナム宮殿の庭に
ロザモンドの井戸というものがあるらしい … 後付けっぽいですけどね。

上の絵も左側に鬼のような顔のエリナーが描かれていて赤い糸を握ってるんですけど
ロザモンドと恐ろしい形相のエリナーはワンセットで描かれることが多いみたいです。

         
           ほーら、見てまっせ … 怖いでしょお(右端に注目)

ロザモンドがヘンリー2世の子供を生んだかどうかについては意見が分かれています。
ヨーク大司教ジョアフリーとソールズベリー伯ウィリアム・ロンゲペーは母親が不明で
ヘンリーのお気に入りだったことから、ロザモンドの子では? と言われていました。
でも生年月日からみて彼等ではないということです。

ロザモンドが急死した件については、エリナーが毒と剣を差し出してどちらか選べと
せまったと言われていますけど、エリナーはこの時幽閉中でこれもありえないと…
だいたい幽閉できるなら浮気ぐらい平気で出来るでしょうにね。

ロザモンドはゴッドストゥ修道院に葬られましたが、ヘンリー2世の死後
リンカーンの司教が「売春婦の墓は外へ」と宣言し、墓所を移された後は不明です。

美しい女性には伝説がつきものですが、必ず悪役が必要になるわけで
白羽の矢をたてられちゃった人はお気の毒 … 後世まで憎まれ役として語り継がれちゃう。
またちょうどおあつらえ向きなタイプの人がそばにいたりするんだよね

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』 Wikipedia英語版)

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