キャスリーン・マンスフィールド
何冊買えば気が済むんでしょ
ひとつでも読んでいないものが入ってると買っちゃうんだから・・・
とりあえず一番作品数が多かった岩波文庫版で。
この人の作品のひとつひとつが
私にとっては小さくて少しビターなお菓子みたいなものでしょうか。
ふと口に入れたくなるみたいに、ちょこちょこ手をのばしています。
翻訳されているほとんどの作品は覚えちゃいました。
特に気に入っているものをあげてみます。
『船旅(The Voyage)/1921年』
母を亡くした小さな女の子が、父と離れて暮らすため
祖父母の住むニュージーランドに向かいます。
おばあちゃんとすごす船室での一夜と眩しい島の朝が描かかれています。
『園遊会(The Garden Party)/1921年』
代表作です。
裕福な家の少女がガーデンパーティーの朝を浮き立つ心で迎えています。
そこに貧しい隣人の不幸な知らせが届き、少女は動揺しますが
パーティーは何事も無かったように進みます。
『一杯の茶(A Cup of Tea)/1922年』
街で貧しい少女を見かけて、物語のように彼女をレディにしようと連れ帰った
裕福な若妻ローズマリーでしたが、夫の「とてもきれいな娘だ」という一言で気が変わり
少女を街へ帰してしまいます。
『入り海(At the Bay)/1921年』
海辺のリゾート地で夏を過ごすバーネル一家の一日。
家族でも知り得ないひとりひとりのドラマと思いが描かれています。
彼女の作品は大きく分類すると
ものすごく素朴なものと、シニカルなものがありますが、ほとんど女性が主役。
女心の微妙な身勝手さが、控えめに、でも明確に表されていると思います。
ドキドキ、ハラハラ、ラブラブが好きな方には物足りないでしょうが
ほんとにシットリとしていて、心静かに手に取れる作品です。
雨の降る午後、散歩も来客もあきらめてお茶を飲みながら
暖炉の頼りない火で暖をとりつつ読む、
そんな感じの小品が詰まった本です。 もちろん“優れた”小品です。
マンスフィールド短篇集 筑摩書房 このアイテムの詳細を見る |
5つ星ということなので、どんな素晴らしい本なんだろうと、買って読んでみました☆
新潮文庫のマンスフィールド短編集。
全体的に温かみがあって、それでいて繊細な、宝石箱のような本でした。
私のお気に入りは『湾の一日』、訳が違いますが、まりっぺさんのブログでいう『入り海』です。
私が買った本には『一杯の茶』がなくて残念でしたけど…。
とにかく、素晴らしい本でした!
紹介していただき、ありがとうございます♪
とても嬉しいコメントをありがとうございます。
私がつけている☆マークは完全に私の好みによるもので、中には「この名作をが☆2つだとぅっ!」とお怒りの方もいると思うんですけど、大好きな本を良かったと言っていただけたら、こんなに幸せなことはありません
あまり参考にはならない書評だと思いますが、これからもよろしくお願いします。
アンジェリクさんのお好きな小説もぜひ教えて下さい。