まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『サンディトン』ファンには嬉しくても・・・

2010-06-14 00:15:15 | イギリス・アイルランドの作家
SANDITON 
1787~1793年 ジェイン・オースティン

オースティンにまだ作品があったとは!と喜びいさんで買ってしまったこの一冊、
目次を見ると5篇入っているわけなんだが、2篇目から全部途中で終わっているぅ
(ひとつは完全に構想メモですし…)
なんでもオースティンの作品ノートから抜粋したものだそうです。

『イヴリン』は、唯一完成している(と思われる)物語ですが
ちょっとオースティンらしくない気がします。
イヴリンという素敵な村を舞台にしていますが、内容もなにもものすごくペラペラした感じ。
これから肉付けしていくつもりだったのかもしれません。

『ある小説の構想』というのは田舎を舞台にした牧師と娘の物語の構想をメモったもので
書き上がっていたら “ いかにもオースティン ” というお話が展開されたんじゃないかしら。
メモのままで終わってしまって残念ですね。

『キャサリン あるいは東屋』
キティは厳しい叔母のミセス・パーシヴァルと暮らしていました。
親友だったセシリアとメアリーの姉妹は村を離れてしまい、キティは退屈しておりました。
ある年、裕福な遠い親戚の夫妻と娘がミセス・パーシヴァルの家へ滞在することになります。
そして後から叔母が警戒していた夫妻の息子もやって来ました。

『ワトソン家の人々』
エマ・ワトソンは育ての親である叔母が分別ない再婚をしたために
家族が期待していた遺産ももらえず、12年ぶりに実家に戻って来ました。
3人の姉は独身で相手選びに夢中、裕福な娘と結婚した兄は尊大になっていました。
エマは初めての舞踏会で会ったつまらない貴族に気に入られてしまったようです。

『サンディトン』
ヘイウッド一家は、旅の途中で怪我をしたパーカー氏を手厚く看護しました。
そこで長女シャーロットが、パーカー氏が力を注ぎ有名保養地にしようとしている
サンディトンに招かれました。
シャーロットはサンディトンの社交界の人々やパーカー氏の兄弟姉妹に紹介され…呆れます。

『キャサリン』『ワトソン家』『サンディトン』はオースティンならではの
小さな社交家を舞台にした人間関係や、結婚問題、家族間の軋轢などを描いています。
登場人物も、知的な主人公、アッパラパーな若い女性、おせっかいな人たち、噂好き
ハンサムな一見好男子、寡黙で思慮深い男性などお馴染みの面々です。

物語は途中までですが、とても楽しくてほくそ笑みながら読めました。
完成していればさぞかし面白いものになったでしょう。

しかしなぁ… 作品が少ないだけに未読の物語が発売されるというのは
ファンにとってはありがたいことではあるのですけれど、作者自身はどう思うかしら?

たしかにオースティン独特の小気味良さがあって面白かったです。
本当に続きが読みたい!
でも「ちょっとちょっと、それはぜんぜん気に入らなくて途中でやめたのよ」とか
「あ~、それは2章と3章を入れ換えるつもりだったのにっ!」なんて
オースティンが頭をかかえているやもしれないですよね。

続きが読みたい!というファンの希望にお応えして、だかどうだか
『ワトソン家の人々』と『サンディトン』は、後年別の作家の方が完成させたそうです。

読んでみたいようなみたくないような…

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