まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

イギリス王ジョージ6世妃 エリザベス

2008-12-14 01:17:25 | イングランド王妃・王女
果敢に世界大戦を闘った王妃
ジョージ6世妃 エリザベス・バウズ・ライアン


1900~2002/在位 1936~1952

亡くなったのは2002年、101歳の大往生です。
2004年に102歳で亡くなった義理の妹グロスター公爵夫人アリスに続き
イギリス王室で歴代2位の長生きです。

生まれも育ちもロンドンですが、14世紀まで遡るスコットランドの旧家の出です。

      

21歳の時にジョージ5世の次男アルバート・フレデリック(後のジョージ6世)に
プロポーズをされますが、彼女は断ります。
しかし、「 他の誰とも結婚しない 」という息子の宣言を聞いた母メアリー
自ら彼女を訪問し説得したことから、ついにエリザベスも結婚を承諾します。
王妃は「息子を幸せにしてくれるたった一人の女性だから 」と言ったそうです。

              
         25歳当時のエリザベス妃、エリザベス(2世)が生まれる1年前です

エリザベスは王室の一員になることに不安を抱いていましたが
アルバートは次男で王の弟として少し楽な立場であるというのも承諾の理由だったかも。
しかし! なんということでしょう
ジョージ5世の後を継いだエドワード8世は、シンプソン夫人との恋愛で
王位を投げだしてしまったっていうじゃありませんかっ!

アルバート自身も自分が王になることを嫌がっていましたが
エリザベスは夫以上に即位を拒んでいました。
控えめで極度のどもり癖があった夫が王になると、心労でまいってしまうのではと
心配したからでした。
しかし議会の決定によってアルバートがジョージ6世として即位することになります。

エリザベスは兄エドワードに怒りを覚える以上に、シンプソン夫人を許すまじ!!
と思ったようで、死ぬまで彼女に会おうとはしませんでした。
孫であるチャールズとカミラの再婚をなかなか許そうとしなかったのは
この時の苦々しい思いがあったのでは? と言われています。

アルバートがジョージ6世として即位してから3年、第二次世界大戦が開戦し
ほどなく英国も参戦します。

エリザベスは英国が参戦すると、赤十字の援助のための書籍を出版しました。
セシル・ビートンによる王妃のポートレイトが表紙になった本には
50人の作家や芸術家が寄稿しました。

また、国王一家は議会によるロンドンからの避難や
王女たち(後のエリザベス2世も含まれています)のカナダへの疎開を正式に拒みます。
王妃はこの時「娘たちは私がいなければ行かないし、私は王を残しては行かない。
そして王は決してここから離れない」と言っています。

王と王妃は戦時中、ロンドンの各地を、とりわけドイツの爆撃がひどい地域にも
足繁く訪れ国民を励ましました。
(もっとも、最初の頃は豪華な装いで出向き、困窮した市民たちに
 罵声を浴びたりもしたみたいです。その後落ち着いた色合いの服装に変えました)

エリザベスの存在は英国民や兵士の士気に大きく影響したようで
ヒトラーをして「ヨーロッパで最も警戒すべき女性」と言わしめています。

ジョージ6世の逝去後は、エリザベス2世の母后として
スコットランドの古城の復旧を監督したり、式典に参加したりと精力的に活動します。
(チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式で、二人がバルコニーでキスした時の
 ビックリ顔が可愛かったですよね
競馬にもご執心だったようで「だいたい500レースぐらい勝った」と打ち明けています。
    
              
         100歳の誕生日にエリザベス2世からの電報を読み上げる母后です

チャールズと婚約したダイアナが、マスコミに追われて困っていた時も自宅によんでかくまい
二人にデートをさせてあげたというおちゃめなおばあちゃまは
2002年3月30日 午後3時15分、エリザベス2世に看取られて息を引き取りました。
眠っている間の、安らかな最期だったそうです。

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』 Wikipedia英語版)

これさえあれば、あなたも英国王室通
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6 コメント

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はじめましてw (雪月花桜)
2011-09-11 22:03:29
まりっぺ様

こんばんわwはじめまして
歴史大好きな雪月花桜と申します。
英国史も大好きで、特に映画宣伝で知ったジョージ6世の苦労とそれを共に乗り越えたエリザベス妃が大好きになり、色々なサイト回ってるうちにこちらに辿りつきました。
イギリスだけでなく、各国の王室の妃、王女、愛妾まで取り上げて頂いて
すごく嬉しいです&私好みです^^

PS アガサクリスティも久しく読んでいなかったのですが、こちらを読んで、早速図書館で借りてきました。
どの記事にコメントしようか迷いましたが、今個人的に興味あるこちらにしてみました^^
返信する
こんばんわ (まりっぺ)
2011-09-12 22:09:44
雪月花桜さま、はじめまして
コメントありがとうございます。

そう言っていただけて嬉しいですし励みになります。
最近さぼりがちなんですけど…

私は推理小説をあまり読まないのですが、クリスティだけは面白くて読み返しています。
最近またまた盛り上がりを見せて…というか衰え知らずの人気で嬉しいですよね。
返信する
王妃もの、サイコー! (タヌヨシ)
2012-11-20 17:16:24
初めてコメント差し上げます。
今、日経で「ヨーロッパ宮廷の女性たち十選」という連載を行っていて、私はこの日経十選の大ファンなのですが、今回の連載は殊の外興味深いのですが、紙面の都合で御妃様の生涯が非常にざっくり書かれているため、物足りずその都度検索してウィキ等で読んでいました。その際、まりっぺ様のブログにお会いでき、余りのわかりやすさと文章の面白さに感服しています。
私は個人的にイギリスとこの方(クイーン・マザー)の大ファンなので、こちらのページにコメントさせていただきました。
これからじっくり王妃シリーズを拝読させていただきますので、どうか末永くブログをお続けくださいますよう、お願い致します。
返信する
こんばんわ (まりっぺ)
2012-11-20 23:23:43
タヌヨシさま、こんばんわ

はじめまして。
コメントありがとうございます。

日経の記事は興味深いですね。
どなたが十選に選ばれているんでしょう?
新聞と比較すると、私のブログの記事は正確さを欠いているかもしれないのですが大丈夫でしょうか?
どちらかというと生涯をざっくり紹介しながら性格や生き様を想像(妄想)してるって感じの内容なので話半分…ぐらいのお気持ちで読んでいただくといいと思います。

私はもともとイギリス王家のエピソードが好きで家系図を書き始めました。
だからイギリスシリーズについては思い入れがあります。

ただ今感想下書き文半減キャンペーン中なので王妃のことを書いていないのですが、近々書こうと思っています。
思ってはいるんですが…
返信する
日経十選 (タヌヨシ)
2012-11-21 16:25:19
まりっぺさま

お返事有難うございます。
会社で日経を読み終わった役員が、私が日経十選が好きだと言ったら
私の席に捨てて行ってくれるようになりました。それを拾って、
毎回切り抜きしているのですが、役員さんがいない時は日経も来ないので、
十選全部そろう事はあまりないのですが、今の所手元にあるのは

1.エリザベス・ウッドヴィル(英・11/5)
2.アン・オブ・クレーヴ(英・11/6)
3.エリザベス1世(英・11/8)
4.バーバラ・ヴィリヤーズ(英・11/9)
5.ポンパドール伯爵夫人(仏・11/13)
6.マリア・クリスティナ他兄弟姉妹(墺・11/15)
7.なし
8.エリーザベト妃(シシィ)(墺・11/19)

…役員さんが11/20から週末まで御出張なので、9,10は来ないかな…
7.は多分土日にあたったのでしょう。
並べてみたら前半はほぼイギリス勢でした。男女関係ひどいですね。
解説は、神大の教授で石井美樹子さんという方が書いています。
基本、どこで生まれて何をやってどこで死んだか、程度の
史実を簡潔にまとめていますが、悪い女だね~、的な1行コメント付です。

ブログのメッセージ欄は添付ファイルがつけられないんですね(自分でも
Goo!ブログをやっていて気付かなかった)。
何かファイルを送る手立てがあれば、記事をPDFスキャンして送付させて
頂きますが、まりっぺさまの解説の方がよほど詳しく、面白いですよ。

これからも楽しみにしております。
返信する
こんばんわ (まりっぺ)
2012-11-23 23:10:16
タヌヨシさま、こんばんわ

教えて下さってありがとうございます。
エリザベス・ウッドヴィルやアン・オブ・クレーヴスなど、普段では取り上げられなさそうな王妃が入っている所が面白いですね。
石井美樹子さんの本は私も何冊か持っていて参照させて頂いています。
きっと紙面が許せばもっと興味深い記事が書かれていたのでしょうね。
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