



アントン・パーブロヴィチ・チェーホフ
新潮社版短篇集が晩年だとしたら、岩波文庫版は前期になりますかね。
若くして亡くなっているので。
しかし、若い頃から落ち着いていらっしゃる。
ちょっとしたペーソスを織り交ぜた、小市民的な9篇のエピソード。
『嫁入り支度(Прпданое)/1883年』

初めて訪れた時も、7年後に訪れた時も、母と娘はひたすら嫁入り支度で
ドレスを縫ったり刺繍をしたりしていました。
そして最後に訪れた時には娘の姿が見えなくなっていました。
なんら教訓的なことの無い物語ですが、哀れな親子が印象的です。
『富くじ(Выитрышный билет)/1887年』

妻が買った富くじが、あと一文字で当たりになります。
大金のことを考えた夫婦は、いきなりお互いが憎らしくなります。
ジャンボが当たったらどうします? 分け合いますか?奪い合いますか?
うちは分け合います。今はそのつもりです。
『カシタンカ(Каштанка)/1887年』

ご主人様とはぐれた犬のカシタンカは、親切な男の人に拾われます。
そこで猫、ガチョウ、豚たちとともに芸を仕込まれたカシタンカは
晴れて初舞台にあがりますが・・・
猫、ガチョウが可愛らしくてねぇ。
チェーホフは動物好きでしょう、って思うわ。
ガチョウが死んだところは泣けました。
チェーホフはお医者さんだったんですって。
そういえばよくお医者さんが出てきますね。
しかし36歳で亡くなるとは・・・医者の不養生ってやつでしょうか?
『桜の園』や『かもめ』は、もちろん読んでみたいんだけど
私、戯曲ってどうも苦手なんです

そのうち読んでみるつもりですが・・・。
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