森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

同じだけれど同じじゃない

2016-06-25 15:03:22 | 梢は歌う(日記)

これは、

昨年の6月に母が送ってくれたサクランボ。

そして、これは

今年、母が送ってくれたサクランボ。

 

いつからだったのでしょうか.

 

両親の家の近所に住む彼らの友人が、山形の親戚の為にサクランボの注文を取りにやって来ました。

父も母も喜んで私たちの為にサクランボの注文をして送ってくれるようになりました。

 

山形に親戚などいないのに、それから毎年6月になると嬉しい季節の便りが届くようになりました。

 

3年前に父が亡くなった時、私は

「もう、あれも終わりだな。」と思いました。

なんたってサクランボはお安くはないのです。

 

でもその年もサクランボは届けられました。

昨年も今年もー。

 

しかも独立して家を出た孫たちに迄届くのです。

ついでに言うと私の姑にも。

 

母が父がいた時と変わらないように送ってくれるのです。

 

「嬉しいけれど、お母さんは大変なんじゃないかしら。」と、ある時私は姉に聞きました。

「ううん。いいんだって。」

姉も同じように思って母に言った事があるのだそうです。

「お父さんがいた時と同じにしたいんだって。お父さんがいなくなって、出来なくなったと思われたくないって。

せっかくみんなが喜んでいるのに。

少しずつこのために『サクランボ貯金』をしてるんだって。」

「そうなんだ。『サクランボ貯金』なんかしているんだ・・・・・。」

いかにも母らしい。

 

6月の季節の便りが届けられると、みんなが一斉に母に電話をします。

「届いたよ~。サクランボをお腹がいっぱいになるまで食べる事が出来るなんて、すごく嬉しい。

お母さん、いつもありがとう~。」

「そう。嬉しい?そう。良かった~。」

電話を受ける母の声はいつも幸せそうに弾んでいます。

 

父がいた時から我が家に続いている6月の嬉しいイベント。

可愛くて甘いサクランボ。

毎年送られてくるサクランボは

毎年同じように見える。

だけど同じだけれど同じじゃない。

 

ありがとうお母さん。

今年もお腹も胸もいっぱいにしながら

美味しくいただきました。

 

コメント (2)
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