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2024年3月29日 19:40 リニア27年開業断念、静岡県「課題解決へスピード感」(日本経済新聞)
 リニア中央新幹線の品川-名古屋間の開業時期が未定になったことを受け、沿線自治体からは早期の着工を求める声が相次いだ。静岡県でリニア問題を担当する森貴志副知事は「県も着工に向けスピード感を持って取り組んでおり、他県にも議論の状況を説明したい」とした。ただJR東海との対話や議論の方法自体の見直しは言明を避け、具体的な開業計画は後ろ倒しが続きそうだ。

 県では国の会議で出た課題をより具体的に議論する専門部会を持つ。水資源と環境保全の2部会があり、静岡の川勝平太知事はどちらも4月に約半年ぶりに開く意向を示す。29日のリニアの国モニタリング会議では委員から専門部会の運営方法に質問が出た、方向性のない専門部会がリニア問題停滞の遠因でもある。

 会議後の取材で県担当者は県からJR東海に調査活動を助言していることや、部会開催前に関係者間で擦り合わせをしており早期の解決に向け動いていると説明。森副知事は「課題はまだあるが、どこまで解決を求めるのかは違う。南アルプスの生態系を全て守れという絶対的な立場ではなく、どこが限界か議論している」とした。

 静岡市の難波喬司市長はJR東海の発表を受け、「リニアの通過する静岡市も環境影響の議論を進めており、早期に結論を出したい」とした。一方、沿線の再開発にも大きな影響を及ぼすことから「もっと早い時期に(開業未定を)示せたのではないか」とも指摘する。

 岐阜県知事や甲府市長など沿線の首長から早期着工と議論のスピードアップを求める声が相次いだが、森副知事は「静岡県はリニアを推進する立場だ」と強調する。ただ着工に必要な掘削調査ではモニタリングの委員やJR東海と異なり依然難色を示すなど、29日の会議でも議論のかみ合わない場面もあった。

 川勝知事は会議後に「静岡工区以外は27年までに完了できるということなので、状況や(完成した工区の)活用をリニアの期成同盟会で考えたい」とのコメントを出した。大井川の水資源や南アルプスの環境保全がリニアと両立できなけば着工を認めないという従来の姿勢を改めて示した。
 


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2024年3月29日 18:52更新 JR東海、2027年のリニア開業断念 静岡着工メド立たず(日本経済新聞)
 JR東海は29日、リニア中央新幹線の東京・品川―名古屋間について、最短で2027年としていた開業目標を断念する方針を明らかにした。トンネル掘削による川の水量減少などを懸念する静岡県が県内区間の工事に反対している。着工のメドが立たず早期開業は困難と判断した。

 同日、国土交通省で開かれたリニア静岡工区の水資源や環境保全対策を話し合う会議でJR東海が示した。会議の冒頭、JR東海の丹羽俊介社長は「静岡工区が名古屋までの開業の遅れに直結している。27年の開業は実現できる状況にはなく、新たな開業時期を見通すこともできない」と述べた。

 沢田尚夫常務執行役員は静岡工区について「山梨や長野工区の掘削実績を踏まえても(工事契約を結んだ)17年に考えていた工期を短縮できず、さらに延びる可能性がある」と述べた。同社は静岡工区の着工から開業まで10年程度を見込んでおり、仮に24年に着工したとしても、品川-名古屋間の開業は最短で34年以降にずれ込む計算となる。
 リニア建設を巡るこれまでの経緯(画像表示)

 JR東海は14年に品川―名古屋間のリニア工事に着手した。静岡工区は全長約8.9キロメートルで、17年に大成建設と佐藤工業の共同事業体と工事契約を結んだ。同年、静岡県の川勝平太知事が南アルプスのトンネル工事による大井川の水量減に懸念を示し、工事反対を表明した。

 水資源や生態系の保全策を巡る協議も長期化し、建設が遅れた。JR東海は23年12月、「27年」としていた工事完了時期を「27年以降」として国交省に申請し、認可された。その後も静岡工区の着工ができないまま、工事契約の締結から6年4か月が経過した。

 リニア中央新幹線は最高時速500キロメートルで走行し、品川―名古屋間を最速40分、品川―大阪間を1時間強で結ぶ計画。品川―名古屋(約286キロ)の総工費は約7兆円に及び、この見通しは現時点で変えていない。難工事の対応で21年に5.5兆円から上積みした経緯があり、今後さらに膨らむ懸念もある。

 品川―名古屋間は約9割の区間で工事が契約済み。開業延期により、各地で進む工事も工期の見直しを迫られる可能性がある。避けられそうにないのが、リニアを地域再開発の要に位置づける沿線自治体への影響だ。名古屋市はリニアを前提に名古屋駅周辺の再開発を進めているほか、関西圏でも37年の開業の遅れを懸念する声が強まっている。

 沿線自治体でつくる「リニア建設促進期成同盟会」会長の大村秀章・愛知県知事は29日、「沿線都府県は27年開業を目指して様々なプロジェクトに取り組んできた。ずれこむのは断腸の思いだ」と訴えた。静岡工区について「前向きな解決策を見いだし、一日も早く着工することを望む」と強調した。
 


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