2016年の世界報道写真展の大賞作品。
セルビアとハンガリーの国境を越えようとする難民男性と赤ん坊の姿を
国境警備隊に見つからないようにフラッシュを使用せずに月明かりで撮影した作品です。
人は日常の中にいると、自分の周りで見えることが当たり前と思いこんでしまうものですが
この同じ時を生きているのに、ただ別の場所にいるというだけで
この思い込みから遠く離れた日々を送っている人々がいることが現実として存在します。
1955年にオランダのアムステルダムで、世界報道写真財団が発足したことにより、翌年から始まったドキュメンタリー、報道写真のコンテストが始まりました。世界中から6千人を超える写真家から応募される作品から選ばれた入賞作品を1年を通じて、世界の45カ国約100会場で開かれる本展は、約350万人以上が会場に足を運ぶ世界最大規模の写真展です。
写真は知らない世界を伝えてくれるだけでなく、自分自身の中にあらたな世界を生み出したり変化をもたらせてくれるものの一つです。
開催期間はあとわずかですが、是非一人でも多くの方に足を運んで頂きたい写真展です。
世界報道写真展2016
恵比寿 写真美術館にて 23日(日)まで
写真倶楽部 佐々木でした。