RAKUDA通信 海外&国内 添乗員の最新旅情報! 

こだわりの旅で世界の国々へご案内!㈱キャラバントラベルのスタッフによるブログ。コメント、ご質問歓迎!

秘境クィーンシャーロット諸島 トーテムポールのこと

2007年10月31日 16時29分55秒 | 添乗報告
内藤です。
写真はクィーンシャーロット諸島ルイーズ島にあった大きなハイダ族の村スケダンスにあるトーテムポールです。今まさに朽ちていくといった様相で、何とも哀愁が感じられます。

今回は世界遺産にもなっているトーテムポールについて。

まずトーテムポールとは何でしょうか。漠然としたイメージはすぐに浮かぶと思いますが、何の目的で作られたかとなるとよく分からないかもしれません。魔除け?儀式? いえいえそうではありません。トーテムポールは宗教とは関係が無いのです。順番にご説明しましょう。

まず起源ですが、残念ながら明確ではありません。なぜなら、雨の多い気候(前回『温帯雨林』の話をしました)のため使っている木(レッドシダー)が腐食しやすく18世紀より古いものが残っていないためで、それ以上の調査が不可能だからです。

トーテムポールは当初、屋外に独立して立つものより前にハウスポスト、すなわち家の中の柱として存在していたと考えられています。柱には婚姻や葬式などその家の歴史が順次刻まれて言わばその家の紋章のような役割を果たし、それがやがて発展して屋外の独立した記念碑(メモリアルポール)や墓標(モーチュアリーポール)として建てられるようになっていった、と言われています。

単なる墓標でなく、遺体をおさめた棺桶そのもの!が先端に取り付けられている場合も多々あります。

トーテムポールは各種品物や動物、人の顔(あるいは仮面)など様々な要素を積み重ねた形状をしており、使われる要素やデザインは種族によって異なり、大きく下記2つのタイプに分類されます。

①南東アラスカ、カナダの北西ブリティシュコロンビアの北のスタイル
トリンギット族、ハイダ族、シムシアン族が属する。使用する色が黒、赤、青緑(ターコイスブルー、トルコ石の色)の三色にほぼ限られることが大きな特徴。
②南ブリティッシュコロンビア(バンクーバー島と近くの本土)、およびアメリカ北西部の南のスタイル
ワカシ語族のクワキウトル族のトーテムポールはよく知られた典型的なもので伝説の鳥サンダーバードの彫刻や多くの色使い(黒、赤、白、青、緑、黄色など)を特徴としています。

彫る対象はトーテムポール所有者一族の自然界のシンボルを意味し、動物であったり、植物であったり自然の現象であったりと様々です。例えばクィーンシャーロットのハイダ族ならレイブン(ワタリガラス)とハクトウワシという大きな2つの系統に分かれています。トーテムポールは日本でいう紋章のようなものであり、仏像のような偶像ではないから崇拝の対象物ではありません。いわば家系(祖先)に関する伝承や事件、戦い、めでたい事などを動物や人の形に象徴的に刻み込んだ家系の歴史と言う方が近いでしょう。
また、特別な行事や死を記念して象徴的な形や紋章としてその中に刻み込まれることもありますが、大抵はトーテムポールの一番上に彫刻されたものが一族を見分ける象徴であり、氏族の由来であり、紋章そのものであることもあります。

トーテムポールは写真のように現在進行形で朽ちている訳ですが、これは先住民たちがじゃけんにしている訳では決してなく、彼らの考え方によります。
「やがて朽ち果て土に返り、新たに芽生える森の養分となる」つまり、大地から作られたトーテムポールは大地に帰るという自然の摂理に従った、ある意味先進的な考え方を先住民達は伝統的に、そして現在も持っています。

環境保護が叫ばれる昨今ですが、彼らには古来その考え方が連綿と息づいており、そのため朽ち行くトーテムポールを博物館等に移して保護すべきではないと主張しているのです。

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シルクロード鉄道浪漫の旅

2007年10月30日 14時14分28秒 | 添乗報告
東京の小山です。

先日、「シルクロード鉄道浪漫の旅」を無事に終えて帰国しました。
西安からトルファン(復路はトルファンから西安)まで列車で旅を
しましたが、移り行く景色を眺めながら有意義な時間を過ごせました。

夏の暑い時期にシルクロードは何度か訪れており、この時は暑く「強さ」
を感じましたが、秋のこの時期は気候も涼しく、まさに憂愁の情緒ある
雰囲気を感じました。
日本の四季とは異なりますが、時期によって違った表情を見せるのは
同じですね。

今回は、莫高窟や兵馬俑坑博物館などの世界遺産も見学しましたが
「列車の旅」が1つのテーマでしたので、もっと1ヵ所1ヵ所ゆっくり観光
したいという声も聞かれました。
そこで皆様の期待に応えるべく、第1弾として西安滞在のツアーを発表します。
西安に行かれた方もいると思いますが、「西安滞在でじっくり観光」された方
は少ないのではないでしょうか?
シルクロードはこれから寒くなりますが、冬は冬の良さを発見できるかも
知れません。
是非、皆様もシルクロードの起点・西安をゆっくり訪れてみましょう!

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秘境クィーンシャーロット諸島 キャラバンでも催行!

2007年10月29日 10時57分16秒 | 添乗報告
先週金曜日、日本テレビで21時から放映されました、

 『人類誕生の謎を追え!幻のトーテムポールを求めて「時任三郎が挑む大冒険」』

 ご覧になりましたでしょうか。番組の内容はさて置き、今年7月にキャラバンで初めて催行し、私が添乗したカナダの秘境クィーンシャーロット諸島の番組でしたので、懐かしくと言いますか、楽しく見ることができました。

クィーンシャーロット諸島は北太平洋のカナダ沖に浮かぶ島々で、人がほとんど住んでいない太古の自然がそのまま残る稀有な場所です。世界遺産となっているアンソニー島(先住民族ハイダ名スカングワイ)のトーテムポールは、故・星野道夫氏が写真集やエッセイで紹介しているのでご存知の方も多いと思いますが、クィーンシャーロットが保護されるもう一つの大きな理由は、その自然にあります。

クィーンシャーロットをはじめ、北アメリカの太平洋岸には『温帯雨林(おんたいうりん)』という植生が分布しています。

温帯雨林とは、温帯の中で雨量の多い地域に形成される植生、またはその地域のことで温帯降雨林とも呼ばれ、海に近い山岳地帯に多く形成されます。
海から発生した水蒸気を多量に含んだ雲が海に近い山脈にぶつかり、雲は低温度の上空へ押しやられ大量の降雨が発生することが原因です。こうして温帯雨林の樹木は他の場所よりも早く大きく成長し肥沃な森が生まれる一方で、その豊かな森林資源は人間による開拓の標的となってきました。現在に至って温帯雨林の原生林は、わずか3%しか残存していないと言います。

そのような中で、島をおおい尽くし、海との境にまで温帯雨林の森林が迫っているクィーンシャーロットは大変貴重と言えるのです。

樹木は、マツ科のスプルース(トウヒ)とヘムロック(ツガ)が大半を占め、トーテムポールの材料となったスギの仲間レッドシダーも見られます。森は昼間でも薄暗く、中を歩くと丈の長い分厚いコケが地表を覆っているためフカフカの絨毯の上を歩いているかのようです。至るところにそびえる巨木は神々しく、森には幻想的な雰囲気が満ちていました。

そしてこの豊かな森が海へ養分を送り、海は多くの生命を育みます。クジラやシャチ、トドやアザラシ、ハクトウワシやワタリガラス、パフィンなどたくさんの鳥や動物が7月のツアー中見られました。

ぜひ次の世代に伝えて欲しいものです。内藤でした。
☆冒頭の写真はパフィン(ツノメドリ)です。ユーモラスな顔が特徴☆

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歩いてきま~す! 

2007年10月26日 16時52分08秒 | 添乗報告

皆さんこんにちは。明後日からこのブログでも以前ご紹介した『漓江絶景ウォーキングと山水古鎮の旅』の添乗に出ます。久々の添乗ですが、ご参加の皆様に心に残る旅になるよう頑張ってきます。今回は当ツアーの一本目となりますが、お陰様で11/9発の2本目も出発が決定し残席僅かとなりました。12/20発も催行予定ですので、ご興味がある方は弊社までお問い合わせ下さい。
フリーダイヤル 0120-813-419

さて、実際にツアーで漓江沿いを歩いている模様を、出来ればからブログにアップしたいと思っています。電波が通じれば・・・ですけど。

写真は今年5月に視察に行った時、素晴らしい風景と雰囲気に感動している私です。

それでは、行ってきます。東京 本田でした

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早くも発表!菜の花羅平と万枚田の元陽!

2007年10月26日 16時32分48秒 | 中国
早くも発表!2月の季節限定ツアー!
ウェブにて先行発表!

中国・雲南省の南部に拡がる元陽の棚田。
この時期は田植えが始まる前の時期でちょうど水田に水が入った状態。日本では千枚田ですがここ元陽ではベトナムまで拡がる万枚田の棚田です!この棚田はすべて手作業で作られたから驚き!まさか・・・なんて思う方はぜひ現地で地形をご覧なって下さい。山の斜面に拡がる棚田は形も様々で、機械が入るような地形ではありません。運がよければ田植えのため牛車を引く様子などのどかな雰囲気もご覧いただけます。行くならやはりこの時期がベスト!そして、この棚田は間違いなく世界でもナンバー1でしょう。

さらに今回はここ元陽から北東へ移動し、貴州省と広西壮族自治区の境に拡がる羅平へも行きます。
ここもこの時期限定で、菜の花が咲くこの時期には500平方㎞もの敷地に黄色の菜の花が咲き乱れます。500平方・・・ってピン!とこないと思いますが、東京都が2200平方㎞ですから東京都の約4分の1に匹敵する面積がなんとすべて菜の花!見渡す限り菜の花畑でこの規模もおそらく世界ナンバー1でしょう!さらにこの辺りはカルスト地形を形成しているため、単に菜の花畑だけではなくカルスト地形の景観もポイント!

元陽、羅平ともに季節限定です!現在世界遺産に申請中ではありますが、非常に価値ある観光地ですから、お早めにご検討下さい。毎年大好評の限定ツアーです!

詳細は日程をご覧下さい。

ちなみにかわら版では11/1に皆様へはご案内いたします。

高鹿でした!

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出発のごあいさつ

2007年10月25日 09時11分03秒 | 添乗報告
皆様 おはようございます!東京の山根です。

今日も良いお天気で気持ちがいいですね。

私は今日から八日間添乗に行って参ります。

場所は中国南部の広西チワン族自治区です。

そうです、あの弊社独占契約でご案内させていただいている巨大穴・天坑と長寿の

郷・巴馬(ばま)を訪ねる旅です。

下期一本目の出発ということで気合入ってます。

今年の7月に一度訪れておりますが、今回はその時とは違う観光地も見学します。

八日間一生懸命頑張って参りますので、よかったら皆さん応援してください。

戻りましたら詳しくご報告させていただきます。

それでは行ってきます!

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チャーター列車無事帰国!

2007年10月24日 17時49分12秒 | 添乗報告
10/13より出発したシルクロード列車は無事に西安からトルファンまで(往路)の2000キロを走りきりました!皆様無事にお帰りいただき本当に感謝致します。

さて、列車の旅ですが、初日はシルクロードの出発点・西安から夜22時出発の弊社チャーター列車に乗り込み出発。それぞれ寝台車の1等寝台にてお休みいただきました。車内にはシャワー等はなく列車では寝るだけになりますが、乗車しているお客様がうちのお客様のみということで、安心、快適に列車の旅をお過ごしいただけのではないでしょうか。最初は揺れもありなかなか寝れないお客様も居らっしゃたようですが、1日も経つとなれてしまうようですね。結局列車では3泊しましたが・・・

列車は西安、蘭州、嘉峪関、柳園、トルファン駅へと停車し、陝西省から河西回廊を通って甘粛省、そして新疆ウィグル自治区へと入ります。途中、祁連山脈、天山山脈の雪山を望み、朝のご来光、夜になれば満点の夜空を見る事ができました。これも天候に恵まれたためご覧いただけた景観でしたからね。ラッキーでした!
今回は河西回廊のみの列車の旅でしたが、もし今後機会がありましたらこの先のタクラマカン砂漠を縦断して、最西端のカシュガルまでお出かけいただきたいですね。

では!往路のお客様!本当にお疲れ様でした!
また、復路のお客様!列車の旅もあと少しです。お気をつけてお帰り下さい。

往路の添乗員・高鹿でした!

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九寨溝と黄龍

2007年10月23日 20時12分24秒 | 中国

東京の浅野です。

食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、居眠りの秋、など様々な
秋の楽しみ方があるとは思いますが、
皆様はこの時期をどのようにお過ごしでしょうか。

私は10月15日からこの秋最後の九寨溝と黄龍の添乗に行って来ました。
標高が高いところの為、山慣れしていない私も心配をしていました。
到着した先、海抜3500Mの九寨黄龍空港少し息苦しくなりましたが、直ぐに慣れ、
その先の観光には何の支障も無く楽しめました。

九寨溝を2日かけて見学して、以外に知られていない神仙池、そして黄龍と
決定版のような内容で楽しんできました。

白く輝く石灰石に、流れる水の色、マイナスイオンを感じる滝、燃えるような紅葉など、、
その絶景は見る価値200%です。
まずは見てください言葉などは要りません。イヤ、
言葉になりません。
一度ご覧頂いたら、なぜ巷ではこの観光地が騒がれているかがわかって頂けると思います。

ただ弊社の九寨溝、黄龍の旅は今年最後となってしまいました

しかぁーし、ご安心下さい

秋までは終了しましたが、冬の九寨溝を楽しむ旅を発表しております。
白銀の雪化粧を纏う九寨溝も幻想的な風景間違いありません。
是非ご興味のある方はご相談下さい。

どうも有難うございました
浅野でした

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シルクロード鉄道 往路が帰国

2007年10月23日 14時43分07秒 | 中国
21日に西安乗車、トルファン迄の往路組が無事帰国しました。

実を言えば、出発前シルクロードは今年初の寒波に見舞われ例年よりも5℃程度気温が低い状況で、西安ですら最高気温が10℃しか上がらず、どうなることかと思いましたが13日の出発日から好転し、その後は最後まで晴れっぱなしでした。

列車の運行もほぼ定刻もしくは少し早めの運転で、大変順調。航空機の遅延も一切無しで上出来でした。

お客様も概ねご満足いただけたのではと思っており、往路に関しては「成功でした!」と言っちゃいます!
ご協力いただきました各方面の皆様に、改めてお礼申し上げます。

他の添乗員もこのブログに書くと思いますので、それもお楽しみに。

引き続いて内藤でした。

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「美徳の不幸」または「悪徳の栄え」

2007年10月23日 14時23分43秒 | 添乗報告
内藤です。嫌なタイトルですねぇ。申し訳ありません。
これはフランスの革命前夜に、侯爵マルキ・ド・サドによって書かれた小説の題名です。この小説を通じてサドは彼の持論である「美徳を守ろうとする者には不幸が降りかかり、悪徳に身を任せる者には繁栄が訪れる」という主題を描いています。

フランス革命という旧来の価値観が崩れた混乱期でしたが、それでもサドは変人扱いをされ遂にバスティーユに投獄されました。しかし彼は執筆を止めず最期を精神病院でむかえました。
死後になってから、どの辺がそうなのか分かりませんがリベラルに徹したという姿勢が評価され、日本でも裁判沙汰になりましたが澁澤龍彦訳で出版(河出文庫など)されています。依然強烈な社会的アレルギーのある書物であることは確かでしょう。

前置きが長くなりました。私は学生時代に読んだこの題名を思い出すことが多かったのです。「悪徳が栄えているのではないか」と思うことが多いからでしょう。

政治的にも社会的にも国際的にも、組織や個人を問わずその傾向があるように思われてなりません。具体例はそれこそキリがありませんが、拝金主義的思考や組織防衛のすったもんだ、さまざまな偽装、根拠の無い自負、過剰な自己愛、魑魅魍魎のような大小人物の跋扈。さらに、たとえ社会的弱者や守られるべき人物であっても居直りのような態度で振舞えばサドの言う「悪徳」に変わり得ます。
こんな事を距離感の遠近にかかわらず見るにつけ、思うのです。

振る舞いには振舞う者の思考型がにじみ出ると言えるでしょう。逆にそれを伝えるため、そのような振舞い方をする場合もあり得ます。馬脚を現すということもありますか。それにしても、もうちょっと謙譲の美徳や、本来意味する所の矜持が台頭しないものかと思います。いやいや、そうでないと世の中のバランスとしてちょっとマズイのではないかと思うのです。

変わって来つつあるから表面化しているのでしょうか。そうであって欲しいものですが、違うだろうなぁ。

そういえば「亀田一家」が叩かれています。彼らの振る舞いはさて置き、「悪徳」は栄えさせないという社会の潮目か、それとも敗者となったら叩き潰すというのか。後者なら暗澹たるものです。

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