新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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内田康夫「神苦楽島」やっと読了

2010-04-04 17:42:47 | 読書
内田康夫デビュー30周年記念3ヶ月連続刊行の内第2弾の「神苦楽島」上・下巻(文藝春秋社)やっと読了しました。昨年の秋から週刊文春で掲載されていて、内容は分かっておりそのうえ1巻1600円です。流石の私もなかなか手が出ませんでした。

しかしながら第3弾の「不等辺三角形」(講談社)を含めて、応募券を集めてなにか記念品を貰いたい気は十分で昨日購入しました。

文春で読んでいましたが、そんなに覚えていないようで初めて読むような場面も多々ありました。週刊誌では細切れになっているので、面白くないような週は飛ばしていたのかもしれません。それとも後から購入するからと、じっくり読んでいなかったかもしれません。

舞台は淡路島です。兵庫県に住んでいた私としてはもう少し淡路島のことを知っているかと思いましたが、古事記の内容をはじめ知らないことだらけでした。
第1弾の「教室の亡霊」では現在の教育現場の問題を取り上げていましたが、本書では政治家と企業の癒着、新興宗教、大規模土木工事での手抜き工事の隠蔽など多分ありそうだと思われる事柄が内田康夫の何時もの筆運びで、次から次へと暴かれていきます。

新興宗教に対する警察の及び腰、逆に組織防衛に入ったときの人間の怖さも詳しく書かれていきます。
ただ書かれている新興宗教はオカルト的ではなく、「明日香の皇子」の繋がる世界があります。これは内田康夫の宗教観が根底にあるのでしょうか。受け入れても良いか考えてしまう古代神道・あるいは原始神道の雰囲気があります。蛇足ですが「明日香の皇子」は大好きな彼の作品でもベスト3に入る作品です。

「教室の亡霊」はあっさり教育問題を捉えていましたが、「神苦楽島」はかなり踏み込んだ重い内容です。久し振りに読み応えがありました。

「不等辺三角形」はどうなるのか来月の発行が楽しみです。

コメント
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