稲田神社伝 3

前回からの続き。

<ケース2 菅原道真の場合>


菅原道真が大宰府で非業の死を遂げてから30年くらいたったある日,学問神となった道真がクシナダのもとを訪れました。

「こんにちはクシナダ様,ご機嫌麗しゅう。私,菅原道真というものです」
「はい,こんにちわー えーっとスガワラさん? どちら様でしたっけ?」
「はい,私,勉強が大好きでして,それが高じて最近『学問の神』を拝命させていただきました。人間やはり死ぬまで勉強,死んでからも勉強ですなー はっはっはっ」

もう長いこと,それも千年単位でカミサマをやっているクシナダ,数十年前にカミサマになった者の情報なんかは全く気にしていません。

「それで,何か御用ですか?」
「はい,そんな訳で私は学問の神になれたのですが,死んだときに,どうも私のダークな部分が分離してしまったようで・・・ 生前は濡れ衣で僻地に左遷させられたので,ぶっちゃけ,ウラミがない訳ではありませんでしたし。」
「へー それでダーク道真クンはどうしてるの?」
「これがウラミパワー全開でして,藤原さんちや朝廷にメーワクかけまくっているんですわ」

菅原道真が悪霊化し,その呪いで命を落としたとされる方々は,
藤原菅根(病死),藤原時平(病死),右大臣源光(溺死),醍醐天皇の皇子の保明親王(不審死)
更に,清涼殿落雷事件で藤原清貫ほか多数の朝廷要人が死傷

「今や,日本三大悪霊の一人になってしまいました。いやはやお恥ずかしい」

ちなみに残りの二人は,前述の平将門と崇徳天皇です。

「今のところは西の方でブイブイいわせているのですが,調子に乗ってクシナダ様のお近くではしゃぐとも限りません。」
「そーなったら,私とスサノオ君でやっつけちゃうかもよ?」
「はい,そこなのですが,私とダーク道真は表裏一体,どちらかが消滅すれば,一方も消滅してしまうでしょう。 千年後には日本で『ジュケンセンソウ』なる戦が勃発するらしいのです。その時,私の力が必要とされると。 何故,学問の神の力が戦に関わるのか,イミフなのですが・・・」
「そうなんだ。じゃあ,どうしようか?」
「そこで,クシナダ様のお近くにダーク道真が現れたときには,よーーーーく言って聞かせますので,問答無用に粉砕,はご勘弁願えればと」
「うん,ウチの周り(その1守備範囲参照)が平和ならいいよー じゃあヨロシクね」
「では,申し訳ございませんが,ダーク道真センサー兼転送装置を置かせていただければと」

そんなやり取りがありましたが,悪霊菅原道真も,流石にクシナダにチョッカイは出しませんでした。
理由は平将門と同じです。スサノオboost byクシナダとやり合おうとは思いませんよね。


ダーク道真センサー兼転送装置は,現在形を変えて,稲田神社の参道脇に「天満宮」として祭られています。
(続く)

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