直す

あの資料の確認をお願いします、と、上司に渡す。
ペーパー2枚、内容はちょっとした説明モノなので、それほど議論の余地は無い

と、思っていた。

「じゃあ、こんな感じに直しておいて」と、どこをどのように直せばよいか、全くわからない訂正が入って返ってくる。
解読に十数分、どうしてもわからない所を聞こうかどうか逡巡し、やむなく聞く。

「だから、これはこうでしょう! そしてここはこう!」

(そう言われても、絶対ここからは読めないんですけど)とは言わず、黙って直す。

で、再提出。


「えーと、ここはこう直して。そしてここは、やっぱりこういう表現がいいので、直して」

(最初から言って欲しい)とは言わず、黙って言われたとおりに直す。

で、再々提出。


「あれ、ここはこういう表現だっけ? やはりこっちの方がいいので、直して」

(自分で鉛筆入れて覚えていないのかい?)とは言わず、黙って言われたとおりに直す。

で、再々々提出。


「この部分は、やっぱり少し詳しくした方がいいので、こういう感じの事を追加して」

(・・・なぜそれを最初に言わない?)とは言わず、黙って言われたとおりに直す。

で、再々々々提出。


「ここの部分は文章を分けた方がいいので、切って。それからここはこういう表現がいいので、直して」

(そこって一度なおした所。で、それは初めに私が書いたとおりなんですけど)とは言わず、黙って直す。

で、再々々々々提出。


「あれ、ページ番号がないけど? 入れて」

(チョット抵抗する)これは両面印刷するので、不要と判断しましたが。

「いや、片面じゃないと読みづらいから、片面で。エラい人に出すし。」

ページ番号を挿入し、ホチキス止めして再々々々々々提出。


「主題はもう少し大きい方がいいな。」

・・・(もはや何も言う気にならない)黙って直す。

で、再々々々々々々提出。


「まあ、いいか。どうせエラい人が直すかも知れないし」


・・・


こんなつまらない事に1時間以上。普通にやれば10分とかからない。
いつもいつもこんな感じの上司。
今回は流石に殺意を覚えた。

この気持ちは何処に持っていけば良いのだ?? 
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