くじらGOODS 204

鯨の哭く海(内田康夫)


あえて『くじらGOODS』でUP。

カバー折り返しの<著者のことば>より

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鯨を殺すことの是非を問う前に、人が人を殺す現実のあることを思うべきだ。
人間は自分の都合によって殺戮の是非さえ判断しかねない生き物なのである。

大食漢の鯨はイワシなどの小型回遊魚を食い尽くすから鯨を捕っていいという説があるけれど、食い尽くす前に鯨は餓死する。
あるいは原因不明の自殺行為で砂浜に乗り上げる。
そうして自然界の食物連鎖に貢献する。

そこへゆくと人間は死ねばただの灰と化して、彼らのエサになることもない。
そういう「やらずぶったくり」の生物は人間だけである。
その人間が賢しらな理由を捏ねて、鯨を食うことを是とするのは、まことに理不尽だ

 - と鯨は慟哭し、悲しげに潮を噴き上げる。

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本編を読む前に、これだけでかなり考えさせられました。
捕鯨問題、やはり重いですね 
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