きょうの奈良はずい分蒸し暑い。
でも予定通り、光明皇后ゆかりの法華寺と海龍王寺を訪ねた。
法華寺は、光明皇后が総国分尼寺として建立した寺で、
本尊の十一面観音菩薩立像は、皇后をモデルにしたといわれている。
ご本尊は閉扉中だったが、分身像を拝することができた。
分身といっても、最上の白檀の一木造の稀有なものだ。
適切な表現が見当たらないが、とにかく吸い込まれるようだった。
浴室(からふろ)で多くの病人を救済したという
皇后の姿がそっくり現出したような感じがした。
光月亭でいただいた茶菓も、この日の暑さをひと時忘れさせてくれた。
海龍王寺は、ほうほうの体で唐から戻った玄(げんぼう)の開基。
住職が玄の人となりや大きな業績を丁寧に説明してくださった。
玄の存在が意図的に消された理由もよく分かった。
ここでは端正なお顔のご本尊『十一面観音菩薩立像』を拝する事ができた。
とりわけ金の輝きが神々しく、一見近づき難いような感じがあるものの
こんなお姿の方(光明皇后)に施しを受けることができれば・・・。
なんとも嬉しい出会いだった。
西金堂に安置されている国宝の五重小塔もお見逃しなきよう。