みっく・じゃがの「ひとりごと日記」

日々思うこと、考えること、時には写真も

紅花(ベニバナ)を染める

2016-03-28 10:47:42 | 日記

       『紅花は寒い時に染める』と言います。

       お湯を使わず冷たい水で揉みだすので、冷たいことこの上ないのに、

       寒い時でないと染め上がりがよくないのです。

       もっと寒い時期に染めたかったんですが、娘の看病があったり、なんだかんだと忙しかったです。

       まだ寒い! と思って、今季最後の機会になると思って染めに入りましたが・・・

       見事に失敗しました。

       そんな失敗作をアップしてどうすると躊躇しながらも、これはこれで色の出具合はいいのではないか、

       つまり、紅花の紅色は出なかったけど、色はいいのでアップしてしまえ

       そんな乱暴なお話です。

       紅花 560gあります。 これを染めます。

         

         1日中冷水で浸けおきます。

       紅花は黄色と紅色の2色染めることができます。

       最初の揉みだした色で黄色を染めることができ、残った紅花で紅色を染めます。

       というか、黄色を出さなければ、紅色を染める染め液が出せないのです。

         というわけで下が黄色を染める黄水です。2度揉んで出した色です。

         

 

       揉んで絞った紅花をさらに別の水で揉みだし、水を変えて4度揉みだし

       出た染め液が下です。

         

       明らかに色が赤くなっています。

 

         染める糸たちが精練されて染められるのを待っています。

         

       ※精練(せいれん)というのは糸の汚れや脂を落とすための染めの作業です。

        ぬるめのお湯に糸を入れ沸騰したら火を止め20分おいてよく洗います。

 

       さて、最初は黄水で黄色を染めますが、これは真綿糸巻きスラブ糸1/6 106g 635m 1綛を染めます。

       ① 精練した糸をミョウバンで媒染します。これは色落ちを防ぐためです。

         黄水は熱を加えても色素が壊れないので、ミョウバン媒染したあと洗った糸を

         黄水染め液に入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて 翌朝まで浸しおきます。

 

       残り、平巻糸1/6 52g 317m 3綛、 真綿糸巻きスラブ糸1/6 1綛、

          絹紡太カベ糸 106g 2540m 1綛 を染めます。

       紅色水は熱を加えると色素が壊れてしまうので、冷水のまま使います。

       ① 紅色水に炭酸カリウム10gを入れて1時間おきます。(炭酸カリウムが溶け込むまで)

         炭酸カリウムを使うのは染め液をアルカリ抽出するためです。

       ② その液に今度はクエン酸を入れてリトマス試験紙でphを測ります。

         ph 6 になるように、そためにクエン酸を加え続け、けっきょく 19gのクエン酸を使いました。

         そこに精練して洗った糸を浸けこみ、翌朝までおきます。

       ③ 翌朝、酢酸100㏄を水5リットルに溶かして、紅色水に染めて洗った糸を浸け込んで10分間。

         洗って干します。

 

           洗って干されるところです。左が黄水で染めた糸。あとは紅色水で染めた糸です。

           

       ここで、黄水で染めた糸ははいいのですが、

       紅色とはとんでもなく違う色だということにお気づきですね

       タッハハ、もう笑うしかないのです。

           バットの上に降ろしてみる

              拡大はこちらで(ヤケクソ気味で)

 

          あまりにも悲しいので写した写真の明るさを補正してみます

          このほうが、実際の色に近いです(言い訳ですが)

              拡大はこちらで(もうどうでもいいや

 

       紅色とは似ても似つかない色ですが、冷静に考えてみれば、こんな”やまぶき色”を草木染めで出せるなんて

       あり得ないのです。

       どうにもこうにも 言い訳とやせ我慢の言辞を弄しているとしか思えませんが、

       なぁに、あとは織りの技術で 素晴らしく織り上げるんだと開き直りの今です。

       気温かなぁ、いえいえ 稚拙な技術かなぁ、

       あまりにも前の紅花染めとは違いすぎる結果に気落ちしておりますデス。   

           

 

    

            

 


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8 コメント

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変な素人質問 (やっほ)
2016-03-28 13:54:34
紅花は寒い時でないと色が出ないのですね。
全くの素人考えで申し訳ありませんが、
冷水だったら氷を入れて温度調整してもダメなものなんですか?

紅花色が良しとされるのは、染職人の価値感で決まるのですか?
どの色でもそれぞれの好みの問題と思うのは、素人の浅はかさなのでしょうか。

変な屁理屈を言ってしまいました。
ゴメンナサイ。。。
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Unknown (t-soleildor)
2016-03-28 15:53:41
素人にはこれも淡い色で素敵に見えます。
いっその事、こういう色が出したかったのよ。なぁ~んて。
同じ色が出ないからこそ、良さがあるんですよね。
織りあがりが楽しみです。
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へえ~~ (ようちゃんばあば)
2016-03-28 15:58:57
植物の生産地の気候に似た条件下で染めるのが 一番なんですね。
やっぱり染物って すごい世界だなあと改めて知る次第です。
わたしなんか とてもこの世界に足を入れたら エネルギーを吸い取られそう・・
いや みっく・じゃがさんにとっては エネルギーを得るのでしょうね。
染めて そのあと織るのですから ほんの入り口の仕事ですものね、
染めの段階をかさねていくうちに 織りの計画ができていくんですね。
返信する
やっほさま (みっく・じゃが)
2016-03-28 21:09:05
アッハハ、屁理屈なんかじゃありませんよ。
まさに、その通りです。

↑のt-soleildorさんがおっしゃるように「こんな色を出したかったのよぉ」
と言えば済むことです。

ですが、草木染には この植物はこの色 という色があります。
紅花染めといえば、あの深紅な赤でしょう。
こんな色は黄水の出し方が浅かったから、
紅色を出し切れなかった染め方だろ、と言われます。
これが化学染であれば、好きな色だからと言えるんですけどね。

今まで染めてきた中で、思いもかけない色になったことは多々あります。
それを他の人に出せない私独自の色としてウリにしている色もあります。
でも、この紅花は、やっぱり失敗作でしょう。

それと氷を入れて・・とおっしゃいますが、ゴム手袋しても、冷たすぎて凍傷になっちゃいますよ(笑)
それだけは許して!

でも、見れば見るほど好きな色です。アッハハ
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t-soleildorさま (みっく・じゃが)
2016-03-28 21:16:19
↑のやっほさんにもお応えしたように
「この色が出したかったのよぉ」と言いたいです。(笑)
でも、やっぱり失敗作です。
紅花の紅色が出したかった染めだったのです。

でもね、今 干しているのを見ると、淡い山吹色の陰に薄ピンクがほのかに見え
それはそれは上品な色なんですよ。
何で染めたか言わずにおこうかと・・・(笑) 
懲りもせず姑息なことを考えています。まったくもう。
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ようちゃんばあばさま (みっく・じゃが)
2016-03-28 21:28:59
その通りです。
寒い地方の植物ですからね。
この染材も山形産です。
さすが、ようちゃんばあばさんです!

今回の失敗で、まだまだダメな自分を再認識して力が抜けました。
今までの紅花染めは、運が良かったのでしょう。
でも、失敗の原因がいくつも考えられていますので、
次回からは活かせることでしょう。
何事も試行錯誤だ・・と立ち上がりが早いのが私の長所です。
”七転び八起き”ならぬ”九転び十起き”、アサさんには教えられます。
返信する
きれいな色ですよね (ゆり)
2016-04-02 22:27:29
わたしは超初心者なので、わからないことばかりなのですが…草木染は一期一会といいますか、何が起きるかわからないところがありますよね。そこがこわくもあり面白くもあり…。みっく・じゃがさんにとっては予想外の色かもですけど、お写真の山吹色も、とてもきれいだなと思います!
わたしは昨年、藍の生葉で空色に染めるつもりが、淡い緑色になって見事に失敗しちゃいました。諦めがつかないので、今年も藍の種をまきました。藍を育てるところからがわたしのリベンジです(^^;
返信する
ゆりさま (みっく・じゃが)
2016-04-03 15:22:27
何が起きるかわからないーーーホントですね。
いい色だと思っても、この色は 師匠に叱られるでしょう。
師匠は山形の方、「俺のところの紅花で何してんだ!」と
きっと叱られるので、見せません(笑)

藍は難しいでしょう?
私も藍染をしますが、時間をおかずに退色するので
よほど時間があるときしか染めません。
そこがいいのよ、とおっしゃる方もいますが。。。
ぜひ、リベンジして見せてください。
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