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山梨に住むユタカのブログ。地元ヴァンフォーレを応援してこのブログもなんと19年目を迎えました。ACL効果でJ1昇格だ!

栃木SC戦を振り返る【J2第28節】

2024-08-28 | Weblog

8月25日にアウェーで行われた2024年明治安田J2リーグ第28節栃木SC戦ですが、試合結果は2対1でヴァンフォーレが勝利しました!ヴァンフォーレの得点は前半に挙げた佐藤選手と後半に挙げた鳥海選手のゴールでした。


☆先発変更は4人&一瀬選手
17日のリーグ戦の清水戦と21日の鹿島戦に敗れて公式戦連敗中のヴァンフォーレ。気持ちが落ち込みそうになる状態を食い止めるためにも今回の栃木戦での白星は必要でした。この一戦に臨むにあたり大塚監督は前節から先発4人の変更を決断。村上&中山&アダイウトン&井上選手に代わり、飯田&木村&飯島&佐藤選手を起用。飯田選手&木村選手&飯島選手は同じポジションでの交代でしたが、ボランチで出場していたヘナト アウグスト選手が井上選手が務めていた3バックの左側に入り、空いたボランチに佐藤選手が入る布陣となりました。出場停止のアダイウトン選手に代わってシャドーの位置についた飯島選手は第16節岡山戦以来12試合ぶりの先発出場。呼吸の合うウタカ選手のサポート役として活躍が期待されていたと思います。そしてスタメン以外で注目されたのが21歳DF一瀬選手の存在。現在山梨学院大学4年生の一瀬選手は大学の夏休み期間中を利用して特別指定選手として今回初の試合メンバー入り。186cmの長身は現在足りないチームの高さを補ってくれる存在として重宝されると思いますね。山梨県甲府市出身かつ県内で育ってきて2022年10月に入団内定を早々に勝ち取ったCBの逸材として、我々サポーターは彼のプロデビューの瞬間を楽しみにしていたと思います。

☆相手のミスを見逃さない察知能力
ヴァンフォーレは試合開始から積極的に動いていき、相手にプレッシャーをかけてボールを奪い攻撃に転じるシーンが数多くの場面でみられます。攻勢を仕掛けるなかで前半7分にはウタカ選手のスルーパスに反応した鳥海選手がエリア内に侵入。中央に切り返したところでフリーで待っていたウタカ選手にラストパスを送るものの、ウタカ選手の左足でのシュートはわずかに外れてゴールならず。しかし惜しいシーンを作り出すと前半16分、相手GKとDFの連携ミスから敵陣深くのサイドに流れたボールを鳥海選手が回収するとゴール前にクロスボールを供給。一旦は相手にクリアされますが、そのクリアボールに佐藤選手が反応しダイレクトに右足を振り抜きます。雨で濡れたピッチの上を這うような強烈なグラウンダーの弾道のミドルシュートが栃木ゴールに突き刺さり、ヴァンフォーレは幸先良く先制点を挙げることに成功します。もちろん相手の致命的なミスがこの得点の大部分の要素を占めるのですが、なにより見逃してはいけないのがそのミスのあとに相手よりも先に反応して鳥海選手がボールを回収し、クリアボールのもとに相手よりも先に動いて近づいていきミドルシュートを打てたことが良かったですね。栃木はミスのあとのフォローが鈍く、逆にこちらは察知する能力に長けていたからこそこの得点に繋げられたと思います。

☆後半は徐々に栃木ペースに
1点をリードして前半を終え、迎えた後半は巻き返しを図るため栃木が攻撃のパワーを加速してきます。選手を替えてポジションを微妙に変えてきた影響でヴァンフォーレの選手たちは栃木の選手たちの動きを捉えにくくなり、後手の対応になることが目立ち始めます。それはウタカ選手や飯島選手を下げて三平選手や宮崎選手を投入しても状況は変わらず依然として押し込まれる展開に。それでも渋谷選手や林田選手を中心にした守備陣の粘り強いディフェンスで相手の決定機を防ぎます。しかしその懸命なディフェンスが崩れる瞬間が後半32分に訪れます。

☆高さが足りない守備
後半32分、栃木はCBのラファエル選手が上がりチームのパスワークのなかで攻撃参加すると、ワンタッチで的確に繋ぎ右45度の角度からゴール前に放り込むクロスボールを供給。その正確なクロスに頭で合わせたのはエリア内に残っていた188cmのラファエル選手でした。同じく長身のイスマエラ選手の背後にいたラファエル選手は、前者に引きつけられたヴァンフォーレ守備陣の裏をかくようなポジショニングでマークを外し豪快なヘディングシュートを決めます。このシーンは質の高いクロスボールやドンピシャで合ったヘディングも目立ちましたが、ヴァンフォーレ守備陣にとっては競り合う高さが足りなかったと思う瞬間でもありました。このときのヴァンフォーレの最終ラインはヘナト アウグスト&林田&関口選手の3人。林田選手は175cm&関口選手は172cmと上背があるタイプではありません。ヘナト選手は185cmありますが、競り合った選手ではない別の選手にマークについていたので競り合い勝負では不利な状況が発生していましたね。しかもそれに拍車をかけるようにヘナト選手と林田選手はボランチ&関口選手はウイングバックが得意で最近このポジションにコンバートされた選手たちなので、どうしても競り合いのポジション争いや相手選手との駆け引きで経験不足が出るのは否めません。そこを栃木は高さを武器にした正攻法なやり方で崩してきましたね。失点の1分後に187cmの孫選手&後半42分に186cmの一瀬選手を起用してようやく高さ対策ができましたが、相手のパワープレー対策が少し遅れたことがこの同点弾に繋がった原因だったと個人的には思います。

☆中央を選択した閃き
引き分けで終わる雰囲気が漂っていた後半アディショナルタイムに劇的なドラマが生まれます。4分間と提示されたアディショナルタイムの1分後、ヴァンフォーレはピッチ中央で攻撃開始。トップの三平選手のポストプレーを軸にして佐藤選手や鳥海選手が良い距離感で上がっていきます。そして宮崎選手がヒールでエリア内にパスを送ると、そこに走り込んだ鳥海選手がスピードを殺さずトラップしながらボールが地面につく前に素早くシュートを放ち、鮮やかにゴールに叩き込みます。このゴールはGK渋谷選手のロングフィードからスタート。相手選手が集まりやすいピッチ中央からの仕掛けでもリズミカルにスピードを落とさずに進められたのは、仕掛けに絡んだ選手たちの立ち位置の距離感が良かったから。狭いエリアをワンタッチでしかも動きながらパスを正確に繋いでいく技術はとても高いものがあると思います。そして中央からの突破は成功すれば正面からシュートを狙える大チャンスが生まれるということ。鳥海選手にとってトラップからシュートコースを選べたのも効果的でしたね。複数人が連携を取りながら小気味良く繋いでいったこのゴールは今シーズンを代表するような素晴らしいクオリティだったと思います。土壇場で勝ち越しゴールを奪えたヴァンフォーレは2対1で勝利。3試合ぶりの公式戦勝利となりました。

☆勝因は?
この試合ヴァンフォーレが勝利できた要因として、いつも以上に選手たちのプレーに集中力が研ぎ澄まされていたことを挙げたいと思います。前半16分の得点シーンでは相手のミスを見逃さずリカバリーしようとする栃木の選手より先に行動できたこと、また一般的に得点が動きやすいと言われている後半アディショナルタイムに集中して鋭い攻撃が仕掛けられたことなど、相手が見せた一瞬の隙を徹底的に突くことができたのが大きかったですね。それができたのも直前にリーグ戦で清水&天皇杯で鹿島という強豪クラブと戦えた経験が活きたからだと思います。特に鹿島戦では良い試合の進め方をしていたのにも関わらず、前半終了間際と後半終了間際に失点し1対2で競り負けているので隙をしたたかに突いてくる鹿島の勝負強さを味わいました。その一戦で最後まで集中力を維持する大切さを経験したことが、今回の土壇場勝ち越し弾に結びついたと思います。それと守備時の高さ不足という課題は生まれているものの、しっかりと対策したら防げるんだという自信もこの試合で得られたと思います。後半途中から孫選手や一瀬選手の起用によって押され気味だった展開も力強く跳ね返すことができるようになり、失点後の時間帯はだいぶ守備が安定してきた印象を受けました。前にボールを奪いに行くディフェンススタイルから試合状況に応じていかにスムーズに高さに強い固い守備に移行していくのかも今後取り組んでいかなければいけないポイントだと思いますね。


…この勝利によりヴァンフォーレの今シーズンの成績は9勝8分け11敗の勝ち点35となり、順位は14位と前節から変わりませんがJ3降格圏内となる18位との勝ち点差を ‘10’ に広げ、すぐ前のグループの背後を取ることに成功しています。これからの数試合の結果によっては順位が大きくジャンプアップできる可能性が出てきたので、J1昇格プレーオフに参加できる6位以内に入ることもその望みが繋げられたと思います。次の試合はホームゲーム。たくさんのサポーターが集まる小瀬で勝利し、リーグ戦ホーム3勝目を狙いたいですね。



【栃木SC×ヴァンフォーレ甲府|ハイライト】2024明治安田J2リーグ第28節|2024シーズン|Jリーグ