直接現地で観た試合のヴァンフォーレの選手たちの活躍を独自の視点で辛口に評価&採点する独自採点のコーナー。今回の対象試合は、7月29日にアウェーで行われた2023年明治安田生命J2リーグ第28節栃木SC戦です。
【栃木SC戦独自採点】
山内(6.5)→GK陣の体調不良から急遽先発に大抜擢。相手を倒しPKを与えるなど3失点のほろ苦デビューとなったが、ハイボールの処理や強烈なシュートを防ぐなど決して印象は悪くはなかった。GKのデビュー戦は相手から過度にプレッシャーをかけられるが、そのプレッシャーを軽くいなす冷静さもみせていた。
小林(6.5)→左サイドバックとして先発出場。前半から守備に追われて彼らしい攻撃的なプレーをほとんどみせられなかったが、後半途中からタイミングを合わせて上がれるようになり、効果的な左足のアーリークロスで味方のチャンスを演出した。後半39分に途中交代。
エドゥアルド・マンシャ(6)→マイボールにした際の相手に奪われない落ち着いたテクニックは彼ならではの武器。しかし今回はポジショニングが不安定でまともにハイボールを競り合えないシーンがあるなど、彼のプレーの魅力を最大限発揮できたかは疑問符が残る。
蓮川(5.5)→マンシャ選手とCBのコンビを組んで鉄壁のディフェンスを築きたかったが、一発のロングフィードで押し込まれるなどシンプルな仕掛けに苦労していた印象。3点目は自身のクリアミスが相手への絶妙なアシストとなってしまった。蓮川選手が得意とする空いた前方のスペースにドリブルで持ち上がるプレーも相手に読まれていた感がある。
関口(6)→右サイドバックとして先発出場。新しく主将に就き懸命にチームをまとめようと努力していたものの守備崩壊は避けられず。序盤の時間帯を中心に攻撃的に上がることができていた動きも、終盤になって疲労で運動量がガクッと落ちたのはマイナス点。
林田(5.5)→中盤の守備でサボらない彼らしいプレーはみられたが、パスを呼び込んでフリーになる動きが足りず相手にインターセプトされるシーンが目立つ。チームが攻撃に移る際に起点となるプレーをもっとみせたい。
品田(5.5)→ボランチの位置で先発出場。セットプレーのキッカーとして存在感を示したが、相手からキツくプレッシャーをかけられボールを奪われるなど、自身の良さを発揮する時間を与えられなかった。後半20分に途中交代。
武富(5)→左サイドハーフとして先発出場。なんとかチームがパスを回せるように下がってパスを呼び込む工夫を行うものの、前線でスペースに入り込む動きは少なく攻撃面での貢献はあまりなかった。前半のみで途中交代。
長谷川(5.5)→トップ下で先発出場&後半からは左サイドにポジションを変えてプレー。ボールを持てば高いテクニック力をみせられるが、オフザボールの動きが少ないので、フリーになってパスをもらう機会が少ないのが非常にもったいない。彼がもう一段階&二段階先のレベルに行くためにはタイミング良くフリーになって好位置で仕掛けていけるポジショニングが必要だと思う。
ジェトゥリオ(6)→右のサイドハーフとして先発出場。ゴール前に向かっていくプレーは随所に発揮されていて決定機も作れたが、守備面では出遅れてボールを深追いしイエローをもらうなどその対応に後手を踏む場面も。サイドの選手としては運動量が少ないので起用はトップ下やトップに専念しても良いかもしれない。前半のみで途中交代。
ピーター ウタカ(6)→1トップとして先発出場。栃木に押され守備に偏る試合展開のなかでなかなかボールが渡らずにイライラする場面も。ウタカ選手をターゲットにしたロングフィードも出されていたが、競り合いに強いガッシリしたタイプではないのでボールを収めるのに相当苦労していた印象。しかしその厳しい環境で少ないチャンスにきちんとシュートまで運べるのは能力の高さを感じさせていると思う。終盤は疲れて運動量が落ち、後半33分に途中交代。
途中出場
三平(5.5)→後半開始からジェトゥリオ選手に代わり途中出場。精力的に動き回り、足りなかった前線の運動量を増やす役割を担ったが、自身は相手の厳しいマークに遭い得意のヘディングなどシュートを打てる機会がほとんど作れなかったのはマイナス点。
鳥海(6)→後半開始から武富選手に代わり途中出場。サイド攻撃からの攻撃展開を多くしようと試みるものの、相手が途中から守備ブロックを形成し守りを固めてきたので、ドリブルで潜り込むスペースをほとんど見つけられなかったのは残念だった。
佐藤(6)→後半20分、品田選手に代わり途中出場。押されていた中盤の守備の強度を上げる貢献をしたかったが、相手の勢いを止められず。エリアの周りでパスの供給源にはなっていたが、自身が思い切ってエリア内に入り込む意外性をもっと発揮したい。
宮崎(5.5)→後半33分、ピーター ウタカ選手に代わり途中出場。懸命にボールを追いかけ、サイドのスペースに疾走してなんとか状況改善を図る原動力となりたかったが、味方とのタイミングが合わずに良いアタックは仕掛けられず。相手が守備を固める前に彼のプレーが見たかった。
三浦(6.5)→後半39分、小林選手に代わり途中出場。左ひざの靭帯損傷から復帰して初めての試合となるが、そのケガの影響を感じさせないような軽快な動きを披露。左サイドで相手を振り切り鋭いクロスボールを上げるなど、プレーに彼らしさが戻ってきた印象がある。短い出場時間だったのがもどかしかった。
指揮官
篠田監督(5.5)→プロデビューとなる山内選手を急遽先発で起用したのはGK陣の体調不良という理由だったので選択は間違いではない。ジェトゥリオ選手と武富選手を前半のみで替えたのも前線の活性化を図ってのことで理解できる。しかし今回の交代の数々はチームの弱み部分を補うものであって、勝負していく一手となっていなかったのは残念に思う。この試合では最終ラインからビルドアップするための縦パスを相手の中盤に狙われていた感があったので、そこに出すと匂わせながら出てきた相手の中盤の裏のスペースにロングフィードを差し込んでバイタルエリアで仕掛けの起点を作りたかった。ハーフタイムでも前後半の飲水タイムでも状況の把握や改善ができず、相手の勢いを止められなかったことは深刻。相手が後半途中からスタイルを変えて守備を固めてカウンター狙いとなったなかで、追いかけるためにリスクを冒して攻撃偏重になった隙を突かれての失点だったので3点目はある意味仕方なかったとは言えるものの、同じような試合展開が群馬戦でもあったので、悪い流れをまた繰り返したことは問題だと思う。前線のパスを呼び込む動き出しの乏しさ、中盤のフィジカル勝負に負けてセカンドボールを取られ続けていたところなど、チームの修正すべきポイントが露呈した試合だった。チームの弱みを早急に改善したい。
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