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山梨に住むユタカのブログ。地元ヴァンフォーレを応援してこのブログもなんと19年目を迎えました。ACL効果でJ1昇格だ!

藤枝MYFC戦を振り返る【J2第26節】

2024-08-15 | Weblog

8月10日にホームで行われた2024年明治安田J2リーグ第26節藤枝MYFC戦ですが、試合結果は3対0でヴァンフォーレが勝利しました!ヴァンフォーレの得点は前半に挙げたアダイウトン選手と荒木選手、後半に挙げた鳥海選手のゴールでした。


☆マンシャ選手が4月20日以来の復帰
この試合を臨むにあたり、前節の群馬戦から先発を2人変更したヴァンフォーレ。ボランチのヘナト アウグスト選手に代わり佐藤選手が入り、孫選手に代わりエドゥアルド マンシャ選手が試合メンバーに抜擢。ケガで長期離脱していたマンシャ選手にとってリーグ戦出場は4月20日の第11節群馬戦以来じつに4ヶ月ぶり。天皇杯3回戦のセレッソ大阪戦では途中出場していたものの、久々の出場となるリーグ戦で持ち前のフィジカルによる競り合いの強さを発揮できるか注目されました。

☆パワフルヘッドを呼び込んだ佐藤選手の縦パス
試合は開始早々に動きます。前半8分、パスを繋ぎながら全体が前目の位置にポジショニングをとるなかで佐藤選手がボールを持つと、相手の一瞬の隙を突いて前方に差し込むような縦パスを供給します。そのパスがチーム全体の攻撃のスイッチとなり仕掛ける意識が向上。中山選手はさらに前方右側のスペースに出すとそこに走り込んだ鳥海選手がゴールラインを越える前に浮き球のクロスボールを中央に送ります。そのクロスに頭で合わせたのがアダイウトン選手。走り込みながら相手マーカーと競り合っている状態でしたが、うまく屈強な体を使ってシュートコースを確保し豪快なダイビングヘッドをゴールに決めました。アダイウトン選手はチームトップとなる9得点目を記録し、ヴァンフォーレが幸先良く先制点を挙げることに成功します。もちろんアダイウトン選手のヘディングシュートは迫力がありましたが、個人的には佐藤選手の勝負する縦パスを評価したいですね。敵陣でボールを保持し何度もパスを繋いでいても仕掛ける姿勢をみせなければなかなか決定機まで辿り着けないなかで、この佐藤選手の縦パスは攻撃陣がゴールに向かって仕掛けていく勇気を与えるような効果があったと思います。またそこからフィニッシュまでスピードを落とさずに良い連携で繋いでいけたのも良かったですね。

☆良い時間帯での追加点
前半8分のアダイウトン選手のゴールで先制したヴァンフォーレ。球際の攻防に激しく向かっていき、相手がクリアしたそのセカンドボールを高確率で回収することができていましたね。それによって二次攻撃&三次攻撃と厚みのある攻撃に繋がっていました。常にヴァンフォーレペースで進んでいた前半の終了間際にまたスコアが動きます。前半46分、CKのチャンスを獲得し佐藤選手が蹴るとゴール前で相手選手がヘディングでクリア。その跳ね返ったボールを中央で荒木選手がトラップすると、積極的に得意の左足を一閃。強烈な弾道のシュートは相手DFの足を弾きながらゴールに向かっていきネットに突き刺さります。荒木選手は2シーズンぶりの得点。このシーンは荒木選手がトラップしたときに次のプレーをしやすい位置にボールを落としてるところが良かったポイントで、トラップを左前方にしていることでスムーズな動作でシュートモーションに入れています。もし余計な動作が1つ2つ入っていたらその間に相手選手に寄せられて思い切ったシュートが打てなかったと思うので、荒木選手の巧みなトラップの勝利と呼べるシーンでしたね。

☆試せる得点差
前半終了間際に追加点を決めて2対0という好条件で後半がスタート。2点のリードが確保されていることで比較的戦略プランが立てやすくなっていたと思いますが、大塚監督は後半13分にアダイウトン選手とピーター ウタカ選手の2人の外国籍アタッカーをピッチから下げる決断をします。どちらも前線でチャンスを作っていた存在でしたが、これから運動量が低下していくことを懸念してさらに前線の活力アップを図ったかたちとなります。武富選手はトップとボランチの間に入り主にバイタルエリアを精力的に動く立ち回り&マクーラ選手は後方からのロングフィードのターゲット役として屈強なポストプレーをみせます。今シーズンのこれまでの試合ではリードを奪うと後ろに人数を集めてゴール前を固めて逃げ切りの策を採っていたことが多かったのですが、前線に選手を残してクリアボールをキープできる存在を残すことで守備一辺倒のサンドバック状態に陥るのを未然に防いでいたと思いますね。これから取り上げますが、後半18分に鳥海選手が3点目を決めたことでほぼ試合の大勢は決し、そこからはこのリードを保ちながら木村選手や小林選手を起用したり23歳の井上選手に実戦経験を積ませたりとチームとして試合中にいろいろな試しができました。普段競り合っている展開ではなかなかそのような決断に至らないことが多いので、残り時間でチームの潜在的な力をアップさせる有意義な時間を使えたと思いますね。

☆技巧的鳥海選手ループ弾
後半18分、GK渋谷選手のロングフィードに抜け出した鳥海選手は相手GKのポジショニングを確認し少し前目にいると判断すると、ロングフィードのバウンドに合わせてループシュートを放ちます。鮮やかな放物線を描くシュートはGKの頭上を越えていき見事ゴールに吸い込まれていきます。鳥海選手は今シーズン3得点目。ゴールシーンは渋谷選手のこのタイミングで前線にロングフィードを入れようとする判断が良かったと個人的には思います。藤枝は前目の位置でボールを奪うためにDFラインを高めに設定したばかりで、まだ一気にボールがやってくるとは思わずにあまり守備の準備をしていなかったと思います。そのタイミングで渋谷選手が裏を狙ったキックを放ったことで相手が慌て鳥海選手が抜け出すことに成功したと思います。そして鳥海選手は右足でうまくバウンドに合わせて技巧的なループが放てましたね。ACLのメルボルン戦でも同じようなゴールがありましたが、彼は裏を狙う動きが上手いと思います。

☆失点をゼロで締めた守備陣の奮闘
3対0のスコアになった終盤の時間帯は、巻き返しを図るため藤枝が交代カードの使用で攻撃陣をフレッシュにして攻勢を強めていきます。ヴァンフォーレは前半と比べたら攻め込まれる機会が多くなるものの、久々の出場となったマンシャ選手や3バックに挑戦している林田選手&それと主将の関口選手やGK渋谷選手などが連携を図りながら協力してディフェンスを行い、危ない場面は最後まで作らせず。後半36分からは大卒ルーキーの井上選手が登場し守備の組織形成に貢献。前節に引き続き無失点で3対0の快勝となりました。

☆勝因は?
この試合勝利できた要因として、やはり前半に効果的な圧力を相手にかけられたことを挙げたいと思います。対戦相手の藤枝はヴァンフォーレよりも順位が上の11位とプレーオフを目指せる位置にいる好調なチームでした。しかしヴァンフォーレはその藤枝に対して臆することなく意欲的に攻守の場面で積極的なプレーをみせ、そのプレーの圧力で相手を圧倒しているような前半でしたね。特に良かったのがセカンドボールの争いで、激しくボールに向かっていくことにより大半の場面でボールを回収し二次攻撃へと繋げることができていました。相手より強く闘う気持ちをピッチ上でみせていたからこそ、前半8分の先制点や前半終了間際の追加点へと結びついたと思います。そして試合を締めにいく進め方が良かったですね。2試合連続で無失点に抑えたディフェンス陣の安定も非常に良かったと思います。またマクーラ選手も比較的長い時間起用できたおかげでプレーの特長などが実戦を通じて分かってきたと思うので、今後どう使っていけば良いのかそのプレーの癖がある程度掴めたことでしょう。得点を取った攻撃陣&無失点に抑えた守備陣&そして井上選手らに経験を積ませることができたことも今後への糧になるでしょうね。収穫の多い試合となりました。


…この勝利により今シーズンのヴァンフォーレの成績は、8勝8分け10敗の勝ち点32で順位は14位になっています。順位こそ前節と変わりませんが、J3に降格する18位栃木との勝ち点差は ‘8’ に広がったので、とりあえずはその争いから脱したと言っても良いでしょう。この調子で残留争いとは言わずさらに上の順位に積極果敢に挑んでほしいと思います。



【ヴァンフォーレ甲府×藤枝MYFC|ハイライト】2024明治安田J2リーグ第26節|2024シーズン|Jリーグ