もう少しで今年も締めくくりの時期となります。そこで色々あった2023年のヴァンフォーレの出来事を10個に絞って『10大ニュース』として今回お届けしたいと思います。ちなみに個人的な視点で選定していますので異論反論あるかもしれませんが、どうぞ温かい目でご覧ください。
10位∶
クリス&中村選手VFK復帰!シーズン途中加入で主力としてチームを支える
8月2日に加入したクリスティアーノ選手、8月15日に松田選手とともに期限付き移籍加入した中村選手。クリスティアーノ選手と中村選手はかつてヴァンフォーレに所属しており、中村選手は約1年半ぶり&クリスティアーノ選手は実に約7年ぶりのクラブ復帰となりました。クリスティアーノ選手はシーズン終盤戦を中心に1トップもしくはサイドハーフを務め、中村選手はボランチの即戦力として中盤の底の位置でゲームメーク。停滞気味だったチームが2人の特長を活かした仕掛けで再び活性化しましたね。クリスティアーノ選手はリーグ戦の13試合に出場&中村選手は12試合に出場してともに2得点と途中加入ながらもチームの中核を担っていたことは凄いことだと思います。そしてクリスティアーノ選手はACLでは2試合で勝ち点獲得に繋がる2アシスト。サポーターとしてもかつて活躍していた選手が数年の時を経てまたヴァンフォーレに戻ってきてくれて幸せを感じていた瞬間だったと思います。
9位∶
三平選手キャリアハイの充実シーズンに!アフロヘアはラストゲームでついに断髪
ヴァンフォーレにやってきて3年目のシーズンを迎えた三平選手。4-2-3-1のトップ下のポジションでウタカ選手をフォローする難しい役割に挑戦。頭を使った精力的に相手を追い込んでいくチェイシングでチームの組織的プレスのファーストディフェンダーとなり、また攻撃時には2列目からゴール前にタイミング良く飛び出してクロスボールにヘディングで合わせてゴールを量産。篠田監督からの信頼は厚く、2012年の大分在籍時と並ぶリーグ戦39試合に出場。9得点を挙げる活躍を残しました。また昨年夏から印象的なアフロヘアにチャレンジし天皇杯決勝の表彰式のインパクトは絶大で、サッカーにあまり詳しくない人にもアフロの人として山梨県内の老若男女に認知されていたと思います。しかしそのアフロヘアは今年の公式戦の最終戦となったACLブリーラム戦前にバッサリカットし卒業。中央分けのノーマルな髪型の男前三平選手が誕生。アフロが見られなくなるのはさみしいですが、ニューヘアの新しいさんぺーさんとして新たな歩みを踏み出しています。
8位∶
河田選手負傷欠場の非常事態!山内&ウッド&渋谷選手が穴を埋める
昨年の天皇杯決勝でのPKストップなど近年ではセービングで数々の窮地を救うなどチームの絶対的守護神となっているGK河田選手。今シーズンも夏場までは安定して連続先発フル出場を続けていましたが、アクシデントは突然訪れます。第30節いわき戦の試合開始早々に右足を負傷し途中交代。診断結果は右ひざの靭帯損傷で戦線離脱となりここでリーグ戦の試合出場は終了。シーズン途中で絶対的守護神が欠場となりGKのポジションは非常事態を迎えますが、その穴を山内選手や途中加入のマイケル・ウッド選手が埋めます。また渋谷選手はリーグ戦の最終節手前まで9試合負けなしに貢献するなどチームの守備に安定感をもたらしました。そして今シーズンの公式戦最終戦となったACLのアウェーブリーラム戦では、リハビリから帰ってきた河田選手が満を持して戦線復帰。あわや同点という場面をスーパーセーブで防ぐ活躍をみせるなどチームの勝利に貢献。やっぱりヴァンフォーレの守護神は河田選手だという存在感を示しました。今シーズンのGKは河田選手を含め渋谷選手や山内選手&マイケル・ウッド選手の4人がいましたが、どの選手も試合に出場し自分の良さを発揮できていたところが良かったですね。
7位∶
驚異の大卒ルーキー!守備の要に躍り出た井上選手の活躍
専修大学から今シーズンチームに加入した井上選手。開幕戦こそベンチでしたが、次の第2節からスタメンに定着しその力強いディフェンスを披露。夏場こそ試合のメンバーから外れましたが、9月下旬からまた先発に復帰しそこから最終節まで駆け抜けました。井上選手は184cmの長身を活かした競り合いの強さと相手に絶対に負けない強い気持ちをプレーに表現できる点も魅力の一つだと思います。同じポジションに競り合いの強いマンシャ選手という強力なライバルがいますが、その彼を押しのけるくらいの気迫が漂っていましたね。ルーキーシーズンでリーグ戦30試合出場、ACLでも5試合に出場するなど完全にチームの守備の中心選手として快進撃を支えていました。開幕前あまり前評判は高くなかったのですが、一気に1シーズンで評価を上げていった驚異の新人選手だったと思います。このオフは移籍の噂はありますが、ぜひとも来シーズンも残ってほしい存在でもありますね。
6位∶
FUJIFILM SUPER CUP初出場!J1王者横浜に善戦
昨年の天皇杯優勝のご褒美というべきJリーグ開幕1週間前に行われる1試合のカップ戦『FUJIFILM SUPER CUP 2023』。天皇杯優勝クラブとして出場したヴァンフォーレはJ1王者の横浜F・マリノスと対戦しました。前半にエウベル選手のゴールで先制されますが、前半アディショナルタイムにウタカ選手がオフサイドギリギリの状態で決めて同点に追いつきます。しかし後半西村選手に決められて勝ち越されて万事休す。後半アディショナルタイムにはジェトゥリオ選手が鮮やかなボレーシュートでネットを揺らしますが、これはオフサイドの判定でノーゴール。1対2と試合には惜しくも敗れましたが、攻守の場面で良いプレーがたくさんあり収穫が多い試合と言えました。個人的には毎年いつもテレビで他のクラブが出場しているところを見ていたので、その大会にまさか身近なヴァンフォーレが出場するとはと感動し、また全国放送の日テレでいろいろクラブのことを紹介されて嬉しかった記憶があります。
5位∶
須貝選手まさかのシーズン途中鹿島電撃移籍!主将交代の大ピンチ
在籍3年目の須貝選手は今シーズンチームの主将に就任し、篠田監督が推し進める4-2-3-1のフォーメーションの右サイドバックとしてレギュラーを獲得。シーズン途中で左側に移ったりもしたなかで安定したプレーぶりを披露します。天皇杯3回戦では鹿島を撃破。しかしその鹿島戦でのプレーが最終的な引き金となり、以前から彼を調査していた鹿島が獲得オファーを送ったことでヴァンフォーレ退団が決まってしまいます。シーズン途中での主将の退団にチームは一時的に混乱しチームのリズムが狂ってしまいますが、須貝選手の代わりに主将に就任した関口選手が次第にチームを落ち着かせて再びバイオリズムが右肩上がりの状態になりました。須貝選手は憧れのJ1ビッグクラブからの突然のオファーを前に真剣に悩みイチサッカー選手として純粋な選択をしたとも言えますが、個人的には2年連続の主将の途中退団はやはり堪えましたね。こうなったら須貝選手には鹿島で揉まれてレギュラー確保に向けて精進してもらい、鹿島から日本代表に近づいていけるように頑張ってほしいですね。
4位∶
天皇杯で鹿島を2年連続撃破!しかしラウンド16で敗れ連覇の夢潰える
昨年の大会で優勝し、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今年の天皇杯。組み合わせも前回大会とは比較にならないくらい厳しいトーナメントブロックに入り、初戦となる2回戦ではアウェーでV・ファーレン長崎と対戦。接戦を制して3回戦に進むと、待っていたのは2年連続対戦となる鹿島アントラーズ。昨年準決勝でヴァンフォーレに敗れている鹿島は2大会連続で負けてはいけないと相当な覚悟で向かってきたと思いますが、延長戦に突入しPK戦でも13人目までもつれ込んだ死闘を制したのはヴァンフォーレでした。ホームJITリサイクルインクスタジアムに集まったサポーターはその勝利に狂喜乱舞の状態だったのが印象に残っています。強豪鹿島撃破に大会連覇できるかもと過ぎりますが、ラウンド16では当時J1首位にいて今年の王者にもなったヴィッセル神戸に1対4で完敗。でも前半先制点を奪った後に神戸は後半から大迫選手や武藤選手を投入しJ1首位のクラブに本気を出させたヴァンフォーレは爪痕を残したと思いますね。結局大会連覇の夢は叶いませんでしたが、個人的に今シーズンのベストゲームがこの鹿島戦だと思うので、インパクトのある戦いをチームはしてくれたと思います。
3位∶
山梨県出身クラブOB篠田監督就任!4バックに本格チャレンジ
昨シーズンチームを率いていた吉田監督に代わり2023年シーズンからヴァンフォーレの指揮官に就任した篠田監督。甲府市出身で1990年にヴァンフォーレ甲府の前身クラブである甲府クラブで選手としてプレー経験があるOBですが、まず始めに取り組んだのが4バックへの移行。長年3バックを採用していたチームにとって改革と言えるような決断で、重心が後ろになり過ぎない陣形へのチャレンジが窺えると思います。そしてそれと同時にポゼッションスタイルのサッカーから堅守速攻のカウンタースタイルへの変更も行い、相手が守備に戻り切る前に大半の攻撃を仕掛け終わることを目指します。個人的には1シーズンでかなり良いところまでスタイル変更が順調に進められたなという印象で、篠田監督流のサッカーがチームに早くも根付きつつあると思います。しかしポジティブに感じる一面はあるものの、背後にスペースがある守備陣の対応や相手が完全に守備ブロックを形成した後でそこから崩していく攻撃などまだまだ課題点は多くありそう。良い点は残しつつ気になった点をバランスが崩れない程度に修正していく必要があるので、そこを2年目となる篠田監督の指導で課題点の修正に取り組んでほしいですね。今シーズンは8位に終わりましたが、今度こそはJ1昇格できるように篠田監督指揮のもと這い上がっていく気持ちをみせてほしいと思います。
2位∶
リーグ最終節で悪夢の陥落!8位でプレーオフ進出逃す
2017年シーズンぶりのJ1を目指した今年のヴァンフォーレ。篠田新監督が推し進める堅守速攻型のスタイルがハマり、勝ち点を順調に積み上げて順位も上位に定着。第18節大宮戦に5対1で勝利し3位まで浮上しました。しかし夏場に主将の須貝選手の電撃退団やGK河田選手の負傷離脱など急なアクシデントが相次ぎ、また運動量が求められるスタイルが過酷な暑さの影響で機能不全に陥るなどチームは急激に失速。7試合勝ちなしを記録した第33節仙台戦後は10位まで順位が下がるなど大いに苦しみました。しかし酷暑の状態が一段落し、またACLの大会が間近に控える状況になると再び選手たちの士気が復活。第34節大分戦では2点差のビハインドをひっくり返して3対2で勝利を収めると完全に自信を取り戻します。そこからチームは9試合負けなしを記録するなどシーズンのラストスパートをみせ、最終節手前まででJ1昇格プレーオフに出場できる6位をキープするなど躍動します。しかしリーグ最終節で山形に逆転負けを喫するとプレーオフ圏内から転落し、最終的な順位は8位という結果に終わりました。後半18分まではヴァンフォーレが先に1点をリードしていただけにまさに悪夢と呼べる逆転劇でしたね。選手たちはこのシーズンに賭けていたと思うし、クラブとしても昨年の天皇杯優勝に続く大きな目標を達成したかったと思いますが、やはりそう簡単にはうまくいきません。来年は篠田監督の続投が決まっているので、今度こそはJ1昇格の目標を達成させたいですね。
1位∶
ACL J2勢史上初のグループステージ突破の快挙
昨年の天皇杯を制したことで掴んだこのACLの出場権。各国のトップリーグ優勝クラブや優勝争いをするアジアのクラブが集まる大会なので、J2から参加するヴァンフォーレは場違いと当初は言われることもありました。個人的にもグループステージで1勝できれば素晴らしいと思っていた大会でしたが、蓋を開けてみれば初戦のアウェーメルボルン戦でスコアレスドローに持ち込むと初勝ち点をゲット。そして国立競技場で行われたホーム初戦ではタイの強豪ブリーラム・ユナイテッドに対して終了間際に長谷川選手のヘディングが決まり土壇場で決勝点を決めて劇的勝利。長谷川選手がACLチーム初得点を決め、同時にACL初勝利となる記念すべき試合となりました。第3節ではアウェーで浙江に敗れるものの、ホームに帰ってきた第4節は4ゴールを奪う快勝で浙江にリベンジ成功。首位攻防戦となった第5節メルボルン戦は撃ち合いの末に引き分けるものの、グループステージ突破を賭けた第6節アウェーブリーラム戦で3対2で勝利し、見事初のACLの舞台で首位となりグループステージ突破とノックアウトステージ進出を決めました。ACLの試合日がリーグ戦がないミッドウィークのナイトゲームに開催されたこと、また昨年J2で18位だったクラブがアジアの大会に参加する物珍しさも手伝ってヴァンフォーレの頑張りを応援してあげたいと思う他のサポーターが興味を持ってくれたこと。そして開催地が小瀬ではなく国立競技場ということもあり、山梨県の方は少し大変でしたが東京や関東近県の方まで場所的に集まりやすいという環境面の良さも重なっていたことが潜在的に人を惹きつける下地ができていたように思います。そしてクラブが仕掛けた巧みな集客戦術も話題となり、ホーム初戦となった第2節ブリーラム戦は1万1802人の入場者数を記録。この試合ではヴァンフォーレ以外のサポーターがそれぞれのユニフォームを着て集まり、ゴール裏でヴァンフォーレを応援する異色の応援スタイルが誕生。そのJリーグ連合軍の話題も全国に広まり、またヴァンフォーレも怯まずに真正面から向かっていく面白い試合をすることも評判となり飛躍的に国立競技場にサポーターが集まることになります。ホーム2戦目となった浙江戦では1万2256人&第5戦のメルボルン戦では1万5877人。試合をするごとに増えていくサポーターの声援でチームは底力を出せたと言っても過言ではないでしょう。それほどチームにとっては心強い頼もしい後押しになったと思います。このグループステージ突破はJ2勢としては初の快挙。ヴァンフォーレサポーターを中心として、他のサポーターの力を借りて成し得たこの成功をいつまでも大切に胸に留めたいですね。そして来年はノックアウトステージの舞台が待っています。夢の続きをまた存分に味わいたいですね。
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