いよいよ2022年も残りわずか。ということで色々あった2022年のヴァンフォーレの出来事を個人的な視点で10個に絞って『10大ニュース』としてお届けしたいと思います。ちなみに2018年以来のコーナー復活です。
10位:
特別指定三浦選手5試合出場
10大ニュース第10位は三浦選手の活躍。2021年6月に早くも2023年シーズンからの入団内定が発表されていた三浦選手は、現在日本体育大学に在籍しながら大学の活動と同時にJリーグの試合にも出場できる特別指定選手に承認され、今シーズンのヴァンフォーレの練習に参加。いきなり開幕戦でメンバーに選出されると、後半27分に途中出場しJリーグデビューを飾ります。第2節大分戦はベンチで出番は訪れずそこからしばらく期間が空きますが、夏の第24節長崎戦で再び出場チャンスがやってくると第25節仙台戦と第34節徳島戦でも途中出場し試合経験を積みます。そして第35節大宮戦では初の先発フル出場。今シーズンはリーグ戦5試合に出場するなど、特別指定選手でありながらその足跡を確実に残しました。来年は正式加入となるので、ウイングバックとして得意の左足を使ったプレーを存分に期待したいですね。
9位:
小泉選手の料理動画バズる
2019年の夏よりヴァンフォーレに在籍している小泉選手。GKとしての出番は少なかったものの、2020年のコロナ禍でサッカーの活動ができない期間に本格的な自炊を始めようと考え、そこから2021年7月より自炊記録アカウントを立ち上げてアスリートならではの健康的な食生活に関する情報を発信するようになります。SNSに上げる見事な腕前の料理写真や動画は瞬く間にバズり、Instagramのフォロワーの数はなんと異例の4万人超え。その中にはサッカー選手としての小泉選手を知る方はもちろん、サッカーを知らない人の方が多いほど多方面から人気となっています。先日今シーズン限りでの退団が発表されましたが、クラブが今後料理に関する企画を実施する際は、ぜひとも料理上手な小泉選手の力を借りて企画をぜひとも盛り上げてほしいですね。
8位:
内藤選手17歳で公式戦初ゴール!2得点1アシスト
ヴァンフォーレの下部組織で育ち、今年の4月にプロ契約を果たした内藤選手。高校に通いながらチームの活動に参加しており、開幕戦の岡山戦でいきなりメンバーに抜擢され後半39分から途中出場で残りの6分間をプレー。続く第2節大分戦でも途中から出場。第27節水戸戦は先発出場の機会を掴み、今シーズン3試合に出場。また内藤選手の才能が垣間見られたのは天皇杯2回戦の環太平洋大学戦。前半8分と後半25分に得点を決めて吉田監督の先発起用に結果で応えます。この試合では2得点1アシストの大活躍でチームの勝利に貢献。内藤選手は17歳で公式戦初ゴールを決めるなど、クラブ生え抜き期待の若手が順調に育ってきていることが実感できるシーズンになったと思います。
7位:
ブラジル人選手6人同時在籍の異常
今シーズンの序盤戦からチームに在籍していたのはウィリアン・リラ選手とレナト・ヴィスキ選手の2人。ブルーノ・パライバ選手は途中退団した状況で、シーズン中盤戦でチームが低調な雰囲気を打開するための切り札として外国籍選手の加入を続々と発表。7月にフォゲッチ選手、8月にイゴール選手とエドゥアルド・マンシャ選手&ジェトゥリオ選手と次々と契約します。その時点でチームに在籍しているブラジル人選手の人数は6人。J2リーグの登録上限は最大4人なので、フル活用しても2人は余るかたちとなります。それは例年にない異常事態で、吉田監督も個性の強い彼らのモチベーションを最後まで維持することに相当苦労したと語っています。もちろんブラジル人選手が多くいることに越したことはないのですが、彼らのコンディションとやる気を保つ難しさを同時に味わっていたように思います。この6人のうち来年もチームに残るのはマンシャ選手1人のみ(ジェトゥリオ選手はまだ未定)。リラ選手は継続的な活躍をみせていましたが、やはり来年はある程度計算できるブラジル人選手が欲しいですね。
6位:
三平選手アフロに
2021年シーズンよりヴァンフォーレに加わった三平選手。底抜けに明るい性格でチームのムードメーカーになっていますが、プレー面の他に注目されている点があります。それは ‘髪型’ 。ヴァンフォーレ加入時は前髪を自然に横に流す一般的なスタイルだった三平選手は、2年目となる今シーズンセンター分けに挑戦。そしてシーズン中の緩めおしゃれパーマを経て7月に ‘全開’ ボンバーアフロヘアにチャレンジ。サポーターからのどよめきと多少の笑い、そしてアフロをいじられることによるチームメートとのコミュニケーションの増加の良いメリットもあり、三平選手の存在感は爆発的に高まります。クロスボールの供給者もゴール前に待っている大きな頭をめがけるターゲットとしての視認ができ、クロスを合わせてゴールを奪う機会も確実に増える効果もありましたね。天皇杯決勝での活躍と優勝セレモニーでのパフォーマンスでアフロ三平選手が一躍全国区となり、サポーターもカラフルなアフログッズを購入していることから簡単にはヘアチェンジできない状況になっているようですね。来年はアフロヘアさんぺーさんがより世の中に定着するように、またアジアの舞台でもアフロ旋風を巻き起こしてほしいと思います。
5位:
須貝選手CB起用で覚醒
在籍2年目となる須貝選手。今シーズンは開幕からレギュラーの座を確保し、右や左のウイングバックとしてその存在感を示します。しかし第10節金沢戦の開始早々にCBの選手が負傷退場すると、須貝選手が急遽CBにポジションチェンジしプレーを続けます。その試合で勝ち越し点を決めると、そこからは3バックの一角として先発出場を続けることに。普段は最終ラインで守備のタスクをこなしながら、チームの攻勢時には期を見計らった大胆なオーバーラップを敢行。その攻撃参加は相手からすると神出鬼没で、エリア内のスペースに入り込み相手守備が付ききれない状態でシュートを決める得点嗅覚が冴え渡ります。今シーズンはリーグ戦で41試合に出場し5得点3アシストの大活躍。来年は引き続きCBでポジション争いに勝負していくのか、それとも本来のウイングバック(サイドバック)の位置に戻るのか分かりませんが、どちらにしても須貝選手がキープレーヤーであることは変わらないと思います。
4位:
吉田監督4シーズンぶり復帰も1シーズンで退任
2021年シーズンまでチームを率いていた伊藤監督が退任し、新たな指揮官を探していたヴァンフォーレ。その選定が難航していましたが、J1で戦った2017年とJ2に活躍の場を移した2018年の序盤戦まで指揮していた吉田監督がシンガポール代表監督を退任し、4シーズンぶりにチームに復帰することが決定。一部賛否の声も上がりましたが、シーズンが進んでいくにつれて細かく確実にパスを繋ぎながらじっくりと攻めていくポゼッションサッカーの特色が見え始め、長谷川選手や山田選手などの若手を中心とした組織的かつ攻撃的なスタイルが確立されていきます。しかしこちらが押し込み優勢に進めていても肝心の得点を決めたい場面で決め切れず、逆に攻めあぐねている隙を突かれてカウンター攻撃で失点するケースが多々見受けられるようになります。思うように結果が出せないことを受けて9月の第34節からは4-1-4-1のフォーメーションに変更するなど迷走ぶりが目立ち始めるものの、天皇杯決勝直前に再びシステムを戻したことにより事態が好転するきっかけとなり、その後は調子を取り戻してフィニッシュ。天皇杯では優勝できたものの、リーグ戦ではJ2リーグが22チーム制になってから最低の18位に転落。シーズン終盤戦にはJ3降格圏内もちらつく急ブレーキをみせたヴァンフォーレ。そのリーグ戦での低迷の責任をとって吉田監督は1年での退任を決断します。チームとしてもどちらの成果を重視して吉田監督を評価するかとても悩んだと思います。もちろん天皇杯優勝は凄いことですが、クラブの第一目標はあくまでもJ1昇格すること。そちらに近づくようなチーム作りを来年は目指すことになります。思うような結果は残せませんでしたが、吉田監督の選手の心を掴む人望と人柄の素晴らしさをずっと記憶に留めておきたいですね。
3位:
新井選手突然の退団&荒木新主将就任
2020年よりチームの主将を務めてきた新井選手。今シーズンはケガで出遅れて2試合の出場に留まり、また女性問題でのトラブルを起こしクラブから今シーズン中の活動停止処分を受けます。その後本人の申し出により6月末でヴァンフォーレとの契約を解除。すぐさまタイに渡り、7月7日にタイ1部リーグのスコータイFCに入団しました(13試合に出場)。クラブを応援しているサポーターとしては主将が突然いなくなるまさに青天の霹靂と言うべき出来事。今シーズン中の活動停止処分を受け入れシーズン後にタイへと渡るならともかく、契約解除しすぐに他のクラブに入団するのは主将という身分の選手がする行為ではなく、ヴァンフォーレに対する裏切り行為だと個人的には思います。ただしイチサッカー選手として少しでも選手寿命を長く保ちたいとだけ考えるのなら活動停止で半年間休む空白期間を作るのではなく、ある程度批判を受けても日本を出て情報を遮断できるタイへの出国は賢明だと思います。主将がいなくなりチームが混乱するかと思われたのですが、7月5日に新キャプテンに就任した荒木選手が初めてかつ急遽で戸惑いながらも、しっかりした性格を活かした統率でチームを徐々にまとめ上げていきます。なかでもリーグ最終戦終了後のセレモニーでの主将挨拶や天皇杯優勝後のスピーチなど堂々としてハキハキと語る荒木選手の姿に頼もしく思えた方も多かったと思います。来年は荒木選手の主将継続が濃厚ですが、どちらかといえば冷静に物事を判断するタイプの主将としてチームを良い方向に引っ張っていってほしいですね。
2位:
あわや危険水域!18位フィニッシュの衝撃
快進撃をみせる天皇杯の舞台とは一転して、リーグ戦ではなかなか中位から抜け出せない日々が続きます。一番良かった順位は第16節山口戦での7位が最も高く、そこからはなかなか白星が積み重ねられずにズルズルと後退。シーズン終盤戦にはリーグ戦7連敗&11試合勝ちなしと泥沼にハマります。勝ち点42から一向に進展せず、一時はJ3降格圏内が近づいてくるなどヒヤリとした時期だったと思います。天皇杯後のラスト2戦で連勝するものの順位は上げられずに18位でリーグ戦の日程を終了させました。ここ数年は順位を9位→5位→4位→3位と順調に良くしていただけに思わぬ躓きになりました。今シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大や主将の不祥事&交代、天皇杯での戦いなど100%の力をリーグ戦に傾けられなかった影響もあったので、来年はACLが開催される秋前までに良い位置の順位につけておき、状態を万全にしてJ1昇格へのスパートをかけたいですね。
1位:
J1クラブ5チーム破る下克上!天皇杯初優勝の快挙
10大ニュース映えある第1位はなんといっても天皇杯優勝の快挙。この天皇杯の舞台でヴァンフォーレは2回戦で環太平洋大学に5対1で快勝すると、3回戦コンサドーレ札幌&ラウンド16でサガン鳥栖に勝利する快進撃をみせます。過去のヴァンフォーレの最高位はベスト8でそこからの高い壁に阻まれていましたが、今回のチームは一味違っており準々決勝でアビスパ福岡に延長戦の末に勝利を収めてベスト8の壁を突破。ここから未知の世界となる準決勝の対戦相手は常勝軍団の鹿島アントラーズ。しかも敵地での試合ということで、相当厳しい戦いが予想されていましたが、ヴァンフォーレは序盤に決めた宮崎選手のゴールを最後まで守り切り1対0で勝利を収めてジャイアントキリングを達成させます。県内の人々の関心もこの大会で勝ち進むとともに高まっていき、大勢のサポーターが決勝の地である日産スタジアムに集結。大サポーターに支えられながら大一番に臨みます。決勝の対戦相手はサンフレッチェ広島。リーグ戦でもルヴァンカップでも好調な相手なので劣勢はある程度予想されていましたが、蓋を開けてみたら三平選手のゴールで先制。後半終了間際に追いつかれてしまいますが、GK河田選手の活躍もあり延長→PK戦までもつれ込んだ結果見事ヴァンフォーレが勝利し優勝の栄冠を獲得しました。J1クラブ5チームを撃破して優勝を掴み取った成果は史上最大の下克上とも言われ、J2クラブとして史上2チーム目の賜杯を掲げるチームとなりました。優勝したヴァンフォーレを祝福するため、信玄公祭り期間中に開催された優勝パレードには大勢のサポーターが詰めかけ、チームに声援を送っていました。また天皇杯で優勝したことで、来年9月から始まるACLの大会に初参加することが決定しています。そこでのヴァンフォーレの活躍も今から楽しみですね。
…以上個人的な視点から選んだ2022年のヴァンフォーレ甲府10大ニュースでした。今年は一生に一度あるかないかのまさかのビッグタイトル獲得で大いに盛り上がりました。来年もこれに負けず劣らず、よりビッグなことを成し遂げたいですね。
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