
正装とは冠婚葬祭や式典など公の場で着る敬意や謙譲の意を表現する衣服のことで、何が正装に当たるかは文化や状況によって異なります。
一般的には19世紀頃のヨーロッパで確立した服飾意識が世界的に通用するとされていますが、民族固有の民族衣装のうち礼式にかなったものを着れば他民族の場に於いても「礼装」になるという認識が現在では広く共有されています。
ハワイでアロハシャツはオフィスやレストランなどでも着用されるだけでなく、式典や冠婚葬祭でも着用が許される「ハワイにおける男性の正装」として認知されるようになって、現在では単なるリゾートウェアというよりは、むしろハワイの民族衣装のように扱われているそうです。
「黒紋付」は、世界にも誇れる日本の民族衣装で、時代を超えた日本の「正装」です。
現在は男女を問わずブラックフォーマルと称する洋装を、正装として慶弔双方に用いることが日本では一般化されていますが、これは日本においてはあくまで略礼装で、正装には成り得ない存在で、日本の正装は各家に伝わる家紋を染め抜いた黒紋付が「正装」です。
「バロン・タガログ」(Barong Tagalog)はフィリピンで男性が正装として用いる上着で、バナナの葉やパイナップルの葉の繊維を絽のような薄手の織物にして、プルオーバー型の長袖シャツです。
両サイドにスリットが入り、胸の部分を中心に刺繍が施されていて、ズボンからシャツの裾を出して着る礼装です。
バロンはスペイン統治下の平民用の服だったそうですが、バロンをフィリピンの礼服と宣言したのがコモンウェルス発足時(1935年)のマニュエル・ケソン大統領の時からだったそうなので、ピーニャ(パイナップル)の葉から作られたバロンはフィリピン共和国の歴史とも言えるのです。
そして1975年には当時の大統領、フェルナンド・マルコスが7月5日~11日を「バロン・タガログウィーク」と設定し、国の礼服としての確立を図りました。
そして今では結婚式や国の公式の会見などの衣装は全てバロンになっていて、「バロン・タガログ」はフィリピンの民族衣装として多くの人々に知られるようになりました。
去る6月9日の第115回フィリピン独立記念日の行事の一環として、『バロン・タガログへの情熱』と題した展示会がSM Lanangプレミアムモールの1階アトリウムで開催されました。
この展示会ではダバオ生まれの著名な建築家、Michael Ebro Dakudao氏が所有する美しいバロンの数々が披露されました。
Dakudao氏は東京大学の工学部、建築学科に留学経験もあり、学位を取得していて、現在はMindanao Times紙のコラムニストとしても活躍中です。
彼のバロンコレクションはユニークなデザインに特徴があって、バロンの生地素材もバラエティに富んでいます。
特に孔雀の羽根をあしらった手描きのバロンの美しさには目を見張るものがあります。
家紋を染め抜いた黒紋付と袴を着用したことはないですね。
しかし、大岡越前守忠相の裁判ぶりの装束には憧れます。
また、家紋をワンポイントのロゴとして何か使ってみたいです。
それから、普段はズボンからシャツの裾を出して着る事はしないでズボンに入れて生活しています。
黒紋付と袴は私の父親が冠婚葬祭の時に着ていたのを見ていただけで、自分も着たことはありません。
それと、シャツをズボンの中に入れる着かたは正統派で、ゴルフ場でシャツをズボンの上に出してプレイをすると注意を受ける場合がありますね。
ダバオ(フィリピン)ではバロン・タガログはズボンの中に裾を入れずに着るのが正式なので、ゴルフ場でもポロシャツを外に出して着てプレイしても問題はなく、その方が風通しも良く涼しいです。