
1985年からフィリピンで導入された外国人向けの「特別居住退職者ビザ」取得の為の基準は導入後に何度か改革されています。
2011年5月から新しい基準が発表され、今まで以上にPRA(Philippine Retirement Authority・フィリピン退職庁)ビザの取得が容易になりました。
新しい基準には新たなプログラムが用意されていて、自分に合ったコースが選択出来ます。
以下に最新のSRRVビザ取得の為の基準を掲載致します。
<SRRVビザ>とは。
フィリピン政府機関のフィリピン退職者庁 (Philippine Retirement Authority) 発行のビザで、35歳以上の外国人を対象に数次入国ビザ特権とフィリピン永住権を取得する事が出来ます。
SRRVビザには以下の4プランがあります。
1 SRRVクラシックプラン
退職者ビザ申請者はPRAの指定銀行に35~49才は$50,000.00、50才以上は$20,000.00米ドルで1ヶ月間以上の定期預金をしなければなりません。
しかし1ヵ月後にPRAの許可を得てコンドミニアム購入又は家付き土地の長期リースの何れかに投資する事が可能ですが、$50,000.00相当の既に居住できる物件に限られます。
2 年金受給者プラン
1ヵ月$800.00相当の年金を(退職者ビザ申請者が夫婦であれば$1,000.00)以上を受給していれば、$10,000.00を指定銀行への定期預金することで永住資格が取得出来、投資条件はSRRVプランと同じです。
3 SRRVスマイルプラン
退職者ビザ申請者が35才以上で指定銀行に$20,000.00の定期預金をします。投資はできませんが、銀行に預けたままで利息だけ受け取れるプランです。
4 SRRVヒューマンタッチプラン
退職者ビザ申請者が35才以上で$10,000.00の定期預金、更に外国から障害者年金を$1,500.00以上受給されている方で、看護を要する方が対象です。投資はできず利息の受領のみになります。
特別居住退職者ビザ取得者に対する特典
1 日本への一時帰国の際にJapan Rail Passを利用する権利を取得出来ます。
2 退職者ビザの取得により、数次入国の特権が与えられ、非移民の身分でありながらフィリピン永住権が認められます。
3 免税で、7,000米ドル相当の家具、電気製品、身の回り品を持ち込むことが出来ます。
4 フィリピン出国許可と再入国許可の手続きが免除されます。
5 退職者ビザ所持者が最後にフィリピンに入国した日から一年を過ぎていなければ旅行税が免除されます。
6 フィリピン退職者ビザ取得の為の預金をマンションや土地付きの家の長期リース(即、住める状態の物件)や投資に使うことが出来ます。
7 退職者ビザ取得後、外貨定期預金をフィリピンペソ預金に転換することができます。(但し、利息には源泉徴収税が課税、)
8 フィリピンに送金される恩給、年金に対しての所得税は無課税です。
9 フィリピン中央銀行の規則に従う限り、退職者ビザ取得用の預金と投資利益、配当、キャピタルゲインの本国への送還保証。
10 有効な退職者ビザの保有者の子供が、同じくビサを取得してフィリピンで学生となる場合、学生ビザや特別留学許可証の取得を免除されます。(年金受給者として申請した方は対象外)
11 労働許可証を取得すれば就労できます。(年金受給者として申請した方は対象外)
12 移民局への年に一回のAnnual Reportの提出免除(一般の永住権、就労ビサ所持者にはAnnualReportが年に一度、年度始めに義務付けられています。)
13 ニノイアキノ国際空港のターミナル1,2での入国審査時の専用レーンが使用できて入国がスムーズに出来る。
14 フィリピン政府機関での下記の申請手続きのアシストをしてもらえます。
*自動車運転免許証のローカルへの切り替え
*労働許可証申請
*税務署からのTIN#取得等
必要書類
1、PRA申請書
2、パスポート(原本)と、有効期限内のビザ
3、医療診断書
4、日本警察の無犯罪証明書または、NBIクリアランス
5、2X2の写真12枚
6、配偶者/子供がいる場合は追加の証明書(戸籍謄本)が必要
※3,4,6の書類は必ず英語の翻訳がしてあり必ずフィリピン大使館/領事館承認が必要。
※4のヒューマンタッチプラン申請者は上記書類の他に下記の書類が必要。
・ご利用保険の内容書類
・介護先、受け入れ先がもし倒産或いは解散しまった際の保証。
送金について。
ビザ取得に必要な米ドルの送金は指定された7つの銀行のいずれかのPRA用の口座に米ドルで振り込みますが、フィリピンを事前に訪問された際に米ドル送金用の個人専用口座を開設することをお勧めします。
なお、送金者は必ずしも本人である必要はありませんがが、受取人は退職者本人でなければなりません。
ビザ取得のための定期預金は海外から外貨により本人名義の口座に振り込む必要があり、フィリピンへ持参して預け入れた外貨預金ではビザ発行の条件を満たさないので注意が必要です。
なお、送金先銀行によってはさらに送金先銀行での手続き料がかかり、送金したドルから差し引かれ、所定の金額を下回ってしまう場合があるので事前確認が必要です。
<PRA指定銀行>
BANK OF COMMERCE
BANCO DE ORO
EAST WEST BANK
EXPORT BANK
RIZAL COMMERCIAL BANKING CORPORATION (RCBC)
PHILIPPINES SAVING BANK
ALLIED BANKING CORPORATION
コメントの書き込みありがとうございます。
私が最初にダバオ暮らしを始めた1999年~2007年当時の預金額は5万米ドルでした。
当時私はALLIEDバンクに預けていました。
それにしても預金先の銀行が先方の都合で合併した後の預金移転にかなりの時間もかかり翻弄されたとのことで大変だったですね。
私が2007年にチェンマイ移住を決め、SRRVビザを返却した時には預け入れていた5万ドルは1週間で返却されました。
病気などで緊急帰国をしなければならない事態に万一なった時には<代理人>を立ててビザの返却と預金の返還手続きをするようになると思います。
フィリピンのSRRVビザは、色々細かいところまで行き届いた制度ですね。
事務手続きや経済的な負担を軽減して退職者にフィリピンで暮らしてもらいたいとの国の方針がしっかりしています。
<35歳以上の外国人を対象に数次入国ビザ特権とフィリピン永住権を取得する事が出来ます。>には、ビックリです。
しかし、<はーさん>の書き込みにもありますが、「行きは良い良い、帰りは怖い」ではないですが、例外事項の場合では、サインした回数が50回以上とサインの多さにもビックリです。現実的にはあまり必要でないサインもあると思いますし、その書類の保管もかなりずさんではないかと推察します。
フィリピンのSRRVビザの最大の特長は<永住権>が交付されることだと思います。
書き込みをされた<はーさん>の場合は預金先の銀行が合併された為に、預金を別の指定銀行へ移動させる手続きが煩雑且つサインを何度もしなければならなかった事態に遭遇してしまわれたようです。
フィリピン(だけだはなく、私が過去に暮らしたことのある数多くの国々)では何事も日本のようにスムースに事が運びませんから、<忍耐>と<寛容>の精神で臨むしか解決方法はないでしょうね・・・。
SRRVも検討したのですが、将来的な継続性ということでクオータービザを選びました。
フィリピンは世界的に見てもハードルが低いので、条件が変わるまでの間が勝負になりそうですね。
フィリピンのQuotaビザはアメリカのグリーンカードと少し似ていて、現役世代の方でフィリピンで事業を興そうと考えている方には役立つビザですね。
私のようなリタイア世代にはSRRVで充分で、現在の私はそのSRRVも返却し、Touristビザで暮らしており、特に問題もありません。
最近はTouristビザの延長が6ヶ月間出来るようになったこと、また最長1年6ヶ月滞在出来ることなどからSRRVのメリットが薄らいでいるようです。