
「チチャロン」は日本では殆ど知られていませんが、豚の皮を油で揚げた食品で、フィリピンの人たちが大好きな食べ物です。
適度な塩味がついているので、スナック菓子のような感覚でそのままビールのお供にぴったりの食べ物です。
日本の「お煎餅」や「ポテトチップス」のようなサクサクした食感で、お好みでスパイシーなビネガーを付けて食べると美味しさが増すようです。
また、小さくカットしてスープ料理の浮き実にしたり、フィリピンを代表する料理「ピナクベット」に入れて調理することもあり、サラダや、焼きそば、炒飯に入れたりと、幅広く使える商品です。
チチャロンの発祥地はスペインのアンダルシア地方で、今ではスペインの影響を持つラテンアメリカの国々で人気があります。
アルゼンチン、ボリビア、ブラジル(ブラジルではTorresmoと呼ばれています)、チリ、コロンビア、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、グアム、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、メキシコ、ニカラグア、パナマ、ペルー、フィリピン、プエルトリコ、ベネズエラなどの国々でチチャロンはポピュラーな食品として親しまれているのです。
フィリピンではトップ写真にある袋入りのチチャロンがスーパーで売られていますが、これとは別に手作りで揚げ立てのチチャロンの店がショッピングモールの中でテナントとして営業している場合が多く、こちらで売っているチチャロンは袋菓子のチチャロン(小サイズで15ペソ)とは別格の味わいで、値段も100グラム70ペソほどします。
フィリピンの中でもセブ島のカルカル市で作られたチチャロンが一番だと聞いたことがあります。
セブ市から車で1時間ほどのカルカルではチチャロンは町の特産品になっていて、カルカルまで出かけて揚げ立てのチチャロンを食べに行く地元の人が沢山居るそうです。
このチチャロンスナックは豚皮で作られているので、炭水化物がゼロというところも大きなポイントでしょう。
糖質制限をしていると通常のスナック菓子は食べれませんが、チチャロンなら食べても血糖値が上がらないので安心でしょう。
それとチチャロンを作る工程では茹でたり、オーブンで焼いてからラードを使って揚げるため、余分な脂肪分が抜け落ち、意外とさっぱりしているのです。
冒頭に書いたように、スペイン人が伝えたチチャロンは、中南米各地で食べられていますが、チチャロンを作る豚肉の部位や味付けは国によって様々で、豚の皮だけをカリカリに揚げたスナック風のチチャロンは海の幸が豊富なペルーでは魚の唐揚げも同じくチチャロンと呼ばれています。
またフィリピンでも鶏皮のチチャロンやマグロの皮のチチャロンも販売されています。
ペルーではこのチチャロンをパンに挟んだ「チチャロンサンド」(Pan con Chicharones)が有名です。
丸いフランスパンにチチャロンと揚げたサツマイモ、それにタマネギをレモンとトウガラシで和えたサルサ・クリオージャをたっぷり挟んだチチャロンサンドは、ペルー定番の朝食メニューとなっています。2010年にスペインの新聞社が行った世界の朝食に関する投票で、このチチャロンサンドはスペインの「ホット・チョコレートとチュロス」やフランスの「クロワッサンとカフェ・ラ・テ」を押しのけ、堂々の一位を獲得した人気の一品なのです。(写真下)
朝食としてはちょっとボリュームがあり過ぎるように思えますが、カリッと揚がったチチャロンと、レモンの酸味が程良いサルサ・クリージャの組み合わせは絶妙で、世界中を支配下に置く大手ハンバーガーチェーンの店舗がペルーであまり増えない理由はこの「チチャロンサンド」にあるのかも知れません。
コスタ・リカには豚肉の塊をラードで揚げたチチャロンで有名なレストラン「Chicharronera Acseri」があります。
豚のから揚げみたいなイメージのこの店のチチャロンはレモンをかけ、ユカ芋(キャッサバ)のフライと一緒にがっつり食べる豪快な一品です。
また、代表的なブラジル料理のひとつで、ブラジルの国民食と呼ばれている「フェジョアーダ」(Feijoada Completa)は黒いフェイジョン(黒いんげん豆)と豚の脂身、豚や牛の干し肉または燻製肉、リングイッサ(Linguiça)という生ソーセージ、豚の耳や鼻、豚足、尾、皮などを、ニンニクと岩塩の塩味でじっくり煮込んだ料理です。
素焼きの壺に入れ、千切りにして炒めたコウヴェ(Couve、ケール)、ファロファと呼ばれるバターやベーコンで炒めたマンジョッカ芋(キャッサバ)の粉、オレンジのスライス、そしてブラジルでは「Torresmo」(トレズモ)と呼ばれているチチャロンが定番の付け合わせとして出て来ます。(写真下)さて、こんなに美味しいスナックのチチャロンですが、日本では製造販売されてはいないだろうと思っていましたが、ネット通販を調べていたところ何と日本製の「チチャロン」があることが判りました。
在日フィリピン人向けの食材の専門ショップでれっきとした日本産の「チチャロン」があって驚きました。
大きい袋がチチャロン・バラットで小さい袋がチチャロン・ラマンと言う名前です。
「ラマン」はタガログ語で「肉」の意味で、このチチャロンは肉に近い部位の皮を使用しているので、食感が硬めなので、サクサクとは噛めないようです。
チチャロンは、さしずめ中南米の「かっぱえびせん」でしょうか。
豚の皮を油で揚げた食品のイメージから、情熱的な国民性に合った食品ですね。
ビールのお供に日本人でしたら「枝豆」が定番?ですが、エネルギッシュな民族では物足りないと思われます。
チチャロンはまさに「かっぱえびせん」的存在で、食べ始めると「やめられない、止まらない」状態になってしまいますす。
そちらのスーパーでもチチャロン売っていますよね?
よろしくお願いいたします。
熱々のパチパチ言ってるチチャロン、すごく美味しいです。
コメントの投稿ありがとうございます。
「チチャロン」の熱々、確かに美味しくて、<やめられない、止まらない>状態になることが多いのですが、高カロリーのスナックだけに食べ過ぎには注意が必要です・・・;;