新甲州人が探訪する山梨の魅力再発見!

東京から移住して”新甲州人”になった元観光のプロが探訪する”山梨の魅力再発見!”
旅人目線の特選記事を抜粋して発信!

24)甲州・勝沼、恒例の”ぶどうまつり”は、リピーターが多い!

2011-10-11 | 山梨、里山の郷土愛!

甲州・勝沼の秋、恒例”ぶどうまつり”は葡萄の豊穣に感謝と祈りを込めて・・・!

2011年は10月1日(土)、秋の晴天に恵まれて、盛況に行われました・・・!

”勝沼ぶどうまつり”は、1954年(昭和29年)勝沼町(現甲州市勝沼)が誕生した年に始まって以来、今年で第58回を数える人気のお祭りです!最近は”ワイン通”が増えて、年々リピーターが増えています!※ぶどうまつり誕生秘話は地元記事を追記しています。

今年は、葡萄やワインのファンが首都圏などから、約6万7千人(甲州市広報)も訪れました。若いカップル、家族連れ、ワイン通の大人達がそれぞれ楽しんでいましたよ。貴方は来たことがありますか?一度は訪ねてみることをお薦めします。

”甲州ぶどうの無料サービス”や”500円グラスのフリー・ワインテイスティング”等、来訪客の至福の笑顔を誘います。筆者も毎年長い行列に加わって”ワインまつり”を楽しんでいます・・・。

甲州ぶどう感謝祭”と”ワインフェスティバル”と言ったイメージのイベントです。

イベント村、ワイン村、ぶどう村、鳥居焼きなど、多彩で楽しいフェスティバルです!

イベントステージでは、地元の幼稚園児やKSKバンド、消防団、Y-Kids、勝沼おどり等、多彩な演奏や踊りなどショープログラムがあり、心から歓迎をしています。

Photo ”勝沼ぶどうまつり”は、718年(養老2年)行基上人が創建の柏尾山大善寺・鳥居平で行う”鳥居焼き”の火祭りが起源だそうです。

・古代信仰の時代に起こったとされ、往古は陰暦7月14日のお盆の火焚き行事(護摩法要)として、村人の無病息災を祈願する行事であったが、近年になって、お客様とともに”葡萄豊穣を祈念と感謝するまつり”に変わったものだそうです。

・・・だからポスターに、鳥居焼きと花火が・・・!?                     甲州市”かつぬまぶどうまつり”ポスター(複写)

ぶどうの国文化館の歴史読本(上野晴朗著)によると、鳥居焼きは、大善寺の山号になる「”柏尾山”の西平において、長さ150間、幅百間(272m×181m)の鳥居形に薪を点置し、これを焼く」と、古い記録にあるそうだ。

・また、大善寺の話では「28色の星(宇宙本体)を表し、大松(松明)28本を中心に祀り、周りに大松337本を捧げ、合計366本(1年相当)の松明を並べて焼くので、遠くから見ると鳥居形に見えるのだと説明されている。

・そもそも鳥居は神社の門と考えられるが・・・、古代には、村の入口や出口を守る門とする意識が強く、つまり鳥は神様の乗り物で、村を守ってくれるから、鳥居の名前が伝承されているようです。

「鳥居焼き」には、昔からこんな伝承があります・・・!

鳥居平から、甲府盆地の西方に、山梨の地名発祥の地と言われる”足ひきの山梨岡”が見えるが、その山裾に、「山梨岡神社と菩提山長谷寺」がある。伝承によると・・・、昔、大善寺が壇林随一を誇っていた頃、菩提山長谷寺と権勢を競い、柏尾山と菩提山の衆徒(しゅと=多くの僧、僧兵)が山伏問答を行い、口論の末、柏尾山側が菩提山側の”鳥居”を奪取し、これを焼却して凱歌を上げたのが始まりで、報復のため、菩提山側は、柏尾山側の笈(おい=修験者が仏具衣類など入れて背負う箱)を持ち逃げして焼き払い、うっぷんを晴らしたと言い伝えられている。以来、両山では、お互いに相手方の鳥居と笈を、双方から見える相対する山に燃やす場所を作って、火祭りを行うことが年中行事になったといわれているそうです。(上野晴朗著「ぶどうの国文化館歴史読本」より)

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勝沼ぶどうまつりは、”もてなしいっぱい!”の感謝祭・・・!?

Photo_3 会場近くで、端正込めて栽培した葡萄の房が・・・・、白いユニフォームをまとって来客を歓迎してくれた。

ほんとうは、もう出荷したかったのに、10月初旬には、遠いところから、ぶどうの味覚を楽しみに訪れる観光客のために残しておいてくれたものですよ!

祭りが終わると、葡萄の収穫は殆ど終わりになります。

甲州ぶどうのサービス風景       ワイン村のテイスティング      賑わいのぶどうまつり会場

Photo_3Photo

PhotoPhoto_2

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・地域の多彩な飲食テント村もたくさん並び、何を食べようかと悩むくらい多彩です!

ところで、永年東京国分寺でレストランをやっていた吉田さんご夫婦が、最近、甲斐大和の笹子峠道(旧甲州街道の昔道)にある「駒飼宿」に、古民家を再生した「大黒屋・サンガムCafe」をオープンされました。

その”大黒屋・サンガムCafe”がテント村に出展されていたので、ここで紹介をしておきます。

詳しくは、http://daikokuya-sangam.on.omisenomikata.jp

先日、お茶を飲みに立寄って見たら、とても”憩いのあるCafe”でしたヨ!

奥さんの飾らない暖かいもてなしがとても印象に残っています。

名物は、”オーガニックカレー”840円~で、ネパールから来ている青年が沸かしてくれるお茶”オリジナルチャイ”525円は、珍しく、とても癒やされるお茶を飲ませてくれます。

何故、”大黒屋・サンガムCafe”だけ紹介したかと云うと・・・、ぶどうまつり会場のブースも若い女性に人気で・・・、声をかけられないくらい忙しくご主人が働いておられたので、せめてこの機会に紹介だけはしておきたいと思ったのです。

大黒屋・サンガムCafe”の吉田さん夫婦は、数年前から”勝沼の朝市”などに出展をしていたことから、すっかり地元の人々と馴染み、暖かい人情や数人の先輩移住者などの親切な助言支援もあって、この地がすっかり気に入り、本拠を”田舎暮らし”に替えてしまったという気さくで、人懐っこいご夫婦です。

吉田さんのご主人は、地元甲州でイベントがあると、協力を惜しまず、何処でも出展をして、”里山暮し”を堪能している”里山が大好きな都会人”でもあるようです。

Photo_3 ご主人がテント村で働いている姿に感動して、あえてここで紹介させてもらったものです。

とても多くのお客さんの目を引いていましたよ!

・特に、若い女性のお客さんが興味をもっているようですね!

筆者は、また”名物オーガニックカレー”を食べに立寄らせてもらいたいと思っています・・・!よろしく!

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甲州・勝沼のぶどうは、今や”日本の誇り”です!

勝沼のぶどうは、近年、推定約150品種を各農園が競って栽培をしていて、かなり高品質で美味しい葡萄が増えています。ぶどう農園によっては、オリジナル品種の開発に取り組んでいて、収穫シーズンに葡萄農園を訪ねると、東京の果物店では見たこともなく、食べたことの葡萄を食べさせてもらえるのが一番の楽しみです。そのことを知った人たちは・・・、毎年でも”わざわざ訪れるからこそ味わえる勝沼の楽しみ方”を覚えて、リピーターになっているようですネ!

ちなみに、甲州市のガイドブックに登録している葡萄農園は、114軒(2011年)あります!

2005年の地域研究年報では、JAフルーツ山梨・勝沼ブロックだけでも、世帯数比の70.6%を占める計1956軒の組合員数が登録されていました。想像以上です。

ぶどう農園の観光入込客数は、推計約60万人とも言われ、”葡萄様々の里”です!

勝沼へ訪れるリピーターは、漠然と訪ねているわけではなく、葡萄農園の開発、改良、収穫情報等を調べ、ワイン情報を集め、甲州ヌーボーの出来、不出来も事前に調べて訪れている人が増えています。

生産者もそのことをどうとらえるかは、それぞれで良いのですが、少なくとも、今年来た客が来年また来るとは限らないので、肝心の顧客ニーズを知ることは、無視できないですネ!

ぶどう品種は、世界で5000品種以上・・・!?

日本では何品種・・・?山梨では何品種・・・?

筆者が山梨で一目置く葡萄研究家(国際センスのぶどう農園経営を行う実業家)植原葡萄研究所では、非公開ですが、確か推定で約2000品種近くのデータファイルがあるように伺っています。

しかし、葡萄品種数は、毎年、新しい品種が開発され、常に市場評価によって、生食用ぶどう品種販売ランキング(50位)、ワイン用品種販売ランキング(25位)でレポート公開されているように、毎年入れ替わるし、昨年生産しても、今年は中止する品種もあって、データベースで実際のぶどう品種数を確定するのが困難なようです。

注)現在のところ、一昨年、山梨県果樹試験場を訪ねて、山梨県で栽培している葡萄品種数を訪ねたが明解な方はおられず、上記の通りなのです。仕方なく、フルーツパークの葡萄品種の展示写真を数えたら、新品種が44品種、ワイン用含む葡萄品種は263品種、合計307品種が展示してあったのを記録しています。

従って、近年、概ね約300品種くらいの品種数が推定できるが・・・、これは葡萄図鑑的な品種数で、現在、実際に栽培されている品種数とは、あきらかに異なると思います。

また、一定期間(数年間)の実際の栽培品種数に絞ると、専門家のなかでは、約150品種くらいではなかろうかと推定されている人が多いようです。

ひと言でいうと・・・、「葡萄はクローン品種ではないので、品種数を特定するのが難しい果物」(植原葡萄研究所)と言われています。

従って、お断りしておきますが、上記品種数はあくまで私流の把握手法なので、正確な数値として使用はできません。ご承知下さい。また風土により新しい品種に変わることもあり、生産地によって同じものが別の名称で呼ばれるなどあるので・・・、なおさらです。

筆者はぶどう品種があまりにも多いので、品種数を解明したいと思い、あちこち調べ尽くしてみたが・・・、以上のような状態で途方に暮れ、数えるのを中断しています。中途半端をご容赦下さい。

ぶどう生産農家の方でも、日本に何品種あるか?山梨に何品種あるか?を訪ねても、正確に把握している人は今のところ訊ねあたりません。どなたかデータベースで把握している方がおられたら教えて下さい。

近、勝沼の観光葡萄農園は、来訪客がより楽しめるよう、一軒で20~40品種の栽培に取り組んでいるところが増えて来ました。ブドウ狩りも7月~10月迄楽しめ、時期を選べば・・・、より珍しい品種にも出会えますヨ!

収穫品種の種類が最も多い時期は、概ね8月中旬~9月中旬がお薦めです!

そんなわけで・・・、数え切れないくらい品種があるということを知るだけでも、楽しみは倍増ということにしておいて下さい!

ワイン用ぶどうの生産も、特に原産甲州ぶどうの白ワインが世界的に評価されて・・・、各ワイナリーは、競って高品質のワイン用ぶどうの生産のため、直営農園の研鑽にも凌ぎを削っているとのことです。

※甲州市のガイドブックに公開されているワイナリーは33軒(2011年)です。

近々、数年分の「ぶどう品種の売上ランキングデータ」を頂戴し、データベースの傾向分析をしたいと思っています。

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鳥居平は、特に美味しい葡萄が収穫される処として有名です!

甲府盆地の東山と云われる東端の丘陵地にあたり、日照時間も長く、高い山の台地が、葡萄生産の最適地なのだそうです。

目印は、柏尾山山腹の鳥居の形を樹木伐採地と、「シャトー勝沼」のぶどう農園辺りで、このワイナリーには、”鳥居平”というラベルの優れものワインもある。

「ラストラン鳥居平」は、施設、料理、サービスが三拍子揃った”勝沼でのお薦めレストラン”です!人気のパン工房があって、観光バスで訪れるお客さんは一目散にパン工房へ走る!ここの美味しいブドウパンは大人気で、レストランでも食べられます。パン工房では生クリームのクリームパン、めったに買えない(すぐ売り切れる)食パンなどが、筆者のお薦めです。

余談ですが・・・、国道20号線沿いに「シャトー勝沼」が経営する”里の駅”があります!

そこに、もっと大きなパン工房があって、いつでも出来たてパンを買えるので大人気です。

ついでですが・・・、地元新鮮野菜や食材・産品の市場もあって、とても安くて美味しいものが並んでいますヨ!筆者も久しぶりに家内とパンと野菜を買いに立寄りました。筆者が一所懸命に感心する”パン工房の長井君”も頑張っていました!

「シャトー勝沼」の詳しいことは・・・、http://www.chateauk.co.jp

”鳥居平”からの秋の紅葉風景は絶景です!勝沼全体が見渡せるばかりでなく、甲府盆地全体の視界が開け、遠く南アルプス連峰を望めます!

この”鳥居平”から見る晩秋の眺望が如何に美しいか・・・!?

甲州市のポスターの複写で済みませんが・・・、ご覧ください!

注)ぶどう畑の紅葉の絶景を紹介するため、筆者の素人写真では撮れない甲州市の宣伝用に作成された展示ポスター複写ですが、ご容赦下さい。

Photo_2 甲州市近代産業遺産「宮光園」展示ポスターより

・撮影者は伺ってなくて済みませんが、”勝沼の秋”を象徴する美しい公開ポスターなので複写して紹介させて頂きました。

・葡萄葉の紅葉は、主に、甲州ワインとして世界に認められている葡萄品種”甲州”の葉などが紅葉するそうで、全ての葡萄の葉が紅葉するわけではないのです。

・そのこともあって、甲州ぶどう発祥の産地、甲州ワイン醸造発祥の勝沼らしい”甲州ぶどうの紅葉”と題して、新たに皆さんに知って欲しいと・・・、紹介しました。

・ブログ読者の皆さんは、間もなく紅葉シーズンになるので、あちこちの紅葉情報を頼りに、出かけられると思いますが、ぜひ、”勝沼葡萄畑の紅葉の美しさ”を見に来て下さい!!

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勝沼ぶどう畑の紅葉シーズン、毎年11月3日が、”甲州ヌーボー”の解禁日です!

最近は、”ヌーボー”を楽しみに、勝沼を訪れる人が益々増えています!

11月5日(土)”ワインツーリズムやまなし2011”が勝沼・塩山・一宮で行われます

甲府・石和御坂八代は、11月6日(日)です。

特にワイナリー巡りで、テイスティングを楽しむ人は、車の運転ができないため、”勝沼ぶどう郷駅”、”塩山駅”から市内循環バスが運行されます。

・臨時便の市内循環バスを利用し、葡萄畑の景色を堪能しながら、前9月号「勝沼の魅力は・・・!?」で紹介した古代史の勝沼、グルメ、気さくな人々との触れ合いで、ふる里気分を満喫して下さい。注)前述のぶどう葉の紅葉は、全ての品種ではないので、ご承知下さい。

問い合わせは、「ワインツーリズムやまなし事務局」TEL055-232-2122へ

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追記:

勝沼の郷土史のことなら知らないことはないくらい勉強されている室伏さん「通称”室さん”」が、”2006年のブログ「室さん講座」~ぶどうまつりはとんでもないお祭り~の中で、近隣笈焼き、大文寺焼きの調査をテーマにした記事があり、その中に、勝沼の鳥居焼きとぶどう祭りの誕生秘話を掲載されています。

この記事を読むと・・・、江戸時代には、仏教弾圧で送り火の習慣もなくなって中断されていたこと。明治40年に復活したが大洪水に襲われたこと。明治41年~43年と続けたが、明治43年に再び大水害を被って中止になったこと。

その後、勝沼・祝地区の青年団が中心で、観光的なイベントをやろうということになって、昭和9年10月15日、初めてぶどう祭りを開催したが、次の年から日中戦争になって中止。

戦後になって、昭和22年に一宮浅間神社で、峡東地域の果樹祭りとして復活開催したこと。

昭和29年(1954年)勝沼町誕生を機に、正式に10月15日”第1回”ぶどうまつりが開催されたそうです。

※勝沼町の誕生は、地元の青年の情熱と団結力の結晶でもあったのでしょう!?

http://haj.web.infoseek.co.jp/k-z/muro-kouza/2-budomatsuri.html

この”ぶどうまつり”の誕生秘話を拝見すると、勝沼の当時の青年団の人々の情熱と団結力が伝わります。その伝統を現在も引き継いで58年になる”ぶどうまつり”は、筆者のブログで、カテゴリー分類をしている「山梨、里山の郷土愛」のテーマに相応しいと思いました。

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