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甲州・枯露柿の里「松里」に秋の訪れ!16-10

2016-10-05 | 甲州に秋が来た!

甲州・枯露柿の里「松里」に秋が訪れました!

10月初旬、美しい里山の「紅葉風景」の先陣を切って、甲州百目柿の色づき

が始まった!今号は、筆者の大好きな「松里の秋の訪れ」をお伝えします!

銘品松里の枯露柿になる甲州百目柿は、こんなに色づいてきました!

 


松里の「甲州百目柿」と銘品「松里の枯露柿」

松里で実った「甲州百目柿」は、往古、山梨県が甲斐国=甲州と呼ばれていた頃から、

甲府盆地周辺で栽培されたことで、「甲州」の名が冠されている。

その「甲州」でも、松里地域は江戸時代より「松里の枯露柿」としてブランド化されている。

枯露柿の歴史を辿ると起源は不詳なれど、あの武田信玄の時代に岐阜より蜂谷柿などを

輸入して柿の生産と保存食や非常食に枯露柿の生産を奨励したと伝えられています。

そのルーツを辿ると、実は乾徳山恵林寺を開いた夢窓国師が奈良東大寺で受戒後、

19才の時、後に恵林寺の山号にした「乾徳山」に籠もって岩窟禅修行を行った際、

一日一果半の乾柿を食して90日の満願を達したと言う伝説があります。

この伝説は乾徳山麓の徳和山吉祥寺に伝わる。

鎌倉時代末期、その話を知っていた往時の甲斐牧荘領主二階堂出羽守貞藤(道蘊)は、

元徳2年(1330年)9月、往時の名僧夢窓国師に深く帰依し、自邸を提供して、禅院に

改めて、夢窓国師の開山で恵林寺の開基を成し遂げているが、招聘を始めてから長い

年月がかかっている。

高僧夢窓国師を招聘するに際して、領主二階堂道蘊はあらゆるもてなしを尽くしたが・・・、

その一つに、明らかな証しはないが、領主二階堂道蘊は現恵林寺を中心とした後世の

松里(現在の甲州市塩山小屋敷、藤木から三日市場、上井尻周辺)地域農民にその話

を吹聴し、高僧夢窓国師を迎えるために乾柿の生産を呼びかけて”もてなした”のが始まり

で、開山の年の暮れに、夢窓国師に教わった枯露柿製法の乾柿で”もてなし”たのでは

いかと推定されている。

そして、その乾柿製法は、もちろん、夢窓国師が18才の時(乾徳山岩窟修行の前年)に、

受戒に行った奈良で乾柿製法を学んだものを、甲斐に帰郷して直ぐ試し、会得している。

往時甲州には自生のアマンドウかヤマガキしかなかったため、滋味のあるアマンドウを

乾して食したと思われる。その後、その製法を農民に伝えて行ったものと云う。

ここでは詳しく述べる機会がないのでごめんなさい。


今年の甲州百目柿の収穫は、あと僅か、11月には枯露柿作りが始まる!

窓国師と松里の枯露柿(乾柿)の係わりは、史実では証されていないが、とても興味深い。

筆者は興味貪欲に、夢窓国師が岩窟修行で食した干し柿は、一体何であったであろうと調べ

てみたところ、何と往時は唯一の自生柿「アマンドウ=標準語はマメガキ」を干したものである

ことが推定されました。筆者が調べた「夢窓国師の乾徳山岩窟修行と乾柿伝説」については、

また、機会が有れば解説したいと思いますが・・・、

実はそのアマンドウですが、今は殆ど自生はなく、殆ど忘れられています。

標準名で、「豆柿=マメガキ」と言われるように、小粒ですが熟すと葡萄のような色になり、

木になっているのを子供の頃食べた記憶のある高齢者は少なくありませんが、今は殆ど

ありません。しかし、筆者が出会った八代の農家には、庭に植えたアマンドウが毎年実る

ようになったので、現在でもアマンドウの乾柿を作って下さっています。

一度食して見てもらえると・・・、その滋味を引き継いでいることが良くわかります。

その滋味(エキス)を台木に接いで育ったのが、実は「松里の枯露柿」なのです。

筆者の編集NOTE「銘品松里の枯露柿の滋味は、夢窓国師の導きにあった!」は、

そのことを詳しく解析しています。

甲州百目柿と枯露柿のことは、特に夢窓国師との係わりは、奥深いので・・・、

これくらいにしておきます。


庭先に咲く朝顔もイイが、畑の至る処に咲く朝顔は”色鮮やか”・・・! 

鮮やかな「マルバアサガオ」が、つもの散歩道に咲いていた!

英語名もある「Morning glory 」と言う。「栄光の朝」とでも訳せば、とても元気が出る!

学名は、Ipomoea indica と言う。アサガオは、マイホームの軒先で良く見かけたが、

花ことばは、「明日もさわやかに」「愛情」「平静」などとてもお気に入りです。

但し「はかない恋」とも言われるので、若い人の初恋のような意味なのかもしれない。


 松里に”ナツメ”が実っていた!

 

塩山藤木の一角に、子供の頃の懐かしい「ナツメの実」が鈴なりになっていた!

丁度、お庭にはご当主がおられたので、声をかけたら一枝頂けたので懐かしく熟れた

ナツメの実を食べさせてもらったら、リンゴのような味がしました。懐かしい味です。


 「セイタカアワダチソウ」は、花言葉の通り”生命力”のある野草だ!

セイタカアワダチソウはキク科アキノキリンソウ属の多年草で、高山歩きをする筆者

にはアキノキリンソウ属と言うだけで、自然界の野草を思い起こすが、

この種は北アメリカ原産で日本では切り花用の観賞植物として導入され外来の帰化植物

であるようだ。ススキなどの在来種と生け花界では競合しているようだ。

同じような帰化植物のブタクサと良く似ていて、一時は花粉症の元凶だと考えられた

ことがあるが、誤解が晴れた現在は、切り花の世界でも鑑賞食物として、ハギ(萩)

の代用として用いられている。

英語では、カナディアンゴールデンロッドと言う堂々とした野草である。


珍しくなった秋の味覚”いちじくの実”や”アケビの実”も実っている! 

 


 松里はほんの道草散歩のつもりが、こんなに楽しい”松里野道”なのだ!

里山は一日歩いたら食物図鑑ができるほどに・・・、畑や野に・・・、

春に咲く花や秋に実る果実は、とても心豊かにしてくれる!