新甲州人が探訪する山梨の魅力再発見!

東京から移住して”新甲州人”になった元観光のプロが探訪する”山梨の魅力再発見!”
旅人目線の特選記事を抜粋して発信!

50)紅葉と桜も美しい「甲斐の信玄堤」は、冠雪の南アルプスと八ケ岳の絶景!

2013-10-01 | 山梨、里山の美しい四季!

「信玄堤」は、甲府盆地を平穏で豊かな国にした歴史の布石!

「信玄堤」は、甲斐市竜王にあり、戦国時代に武田信玄(晴信)の命により築かれたと云われている!

史料では「竜王川除場」と記され、近代は「信玄堤と呼ばれて親しまれている・・・!

伝統の技法「聖牛」と釜無川の風景   冠雪の八ケ岳に桜の紅葉が映える「信玄堤」   

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「信玄堤」は、甲府盆地の絶景ビューポイント・・・!

「憩いの公園」として、知る人ぞ知る人気スポットです!

春、信玄堤の中聖牛と冠雪の八ケ岳連峰 満開の桜と冠雪の南アルプス鳳凰山と甲斐駒!

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「信玄堤」には、武田信玄公が開発したと云われる「聖牛」など・・・、

 甲斐国が誇る伝統的な水防工法が今も活きている!

甲斐国は、内陸部の山間地域であるため、平野部である甲府盆地の底部にも縄文時代より定住が始まったが・・・、

特に、甲府盆地の中心に流れる笛吹川(日川、塩川等が合流する現笛吹市石和地区)と、釜無川(御勅使川等が合流する現甲斐市竜王地区)は、大雨による氾濫が発生し、頻繁に洪水被害が起こっていた。

戦国時代、国内統一を果たした武田信虎の時代に、度々大水害にあった石和の川田屋敷を引き払って、甲府の「躑躅ケ崎館=現武田神社」へ本拠を移してから、現甲府市内に武田城下町の拡大整備を図るとともに・・・、

特に食料・米穀栽培を拡充する必要もあっ田園開発に取り組むことが急務であった。

武田信玄の時代になって、東の氾濫川「笛吹川」を治水するために「万力林」を・・・

西の釜無川(御勅使川との合流地点)の氾濫を治めるため「信玄堤」を構築し・・・、

頻繁に洪水(水害)が繰り返される中、20年以上もかけて、知恵と努力の水坊工事が重ねられ・・・、江戸時代初期に、用水路が構築され、新田開発が進み、安定した農業生産力が確保されたと云われている。(甲斐市教育委員会)

注)その後、昭和年代まで何度か大水害記録は残るが、最近は河川水坊技術も近代化されて、比較的水害は聞かれなくなっている。

但し、水害は天から起こる想定外の大雨による場合もあり、余段は許されない。

注)竜王川除工事の開始時期は不明だが、川除場で行われる夏御幸(祭り)の開始時期が弘治年間(1555年~1557年)と云われており、着工時期と同時期とする説もある。

注)1542年(天文11年)6月に信虎を追放してから、晴信の時代に工事は本格化されたと云われているため、信玄説が根強いが、実際は古代から河川水坊の歴史が続いているようです。※もともと甲府盆地は太古は海~湖であった説もあって、数々の歴史的な水難があったらしい。

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「信玄堤」は、甲斐国が誇る水防技術の歴史的文化遺産!

この公園になっている堤防だけでは、釜無川と御勅使川(みだいがわ)の洪水を防ぐことが出来ないくらいの激しい氾濫であったため、長い年月をかけ、幾多の知恵を重ねて、集大成で築かれています。

※詳しくは、現地、国土交通省の解説版の配置図と解説をご覧下さい。

①「石積み」 = 御勅使川の流れを上流の”石積み”で北側へはね出す。

②「将棋頭」 = このはねた流れを二つの将棋頭で受け止める。

③「堀切」 = 次に河岸段丘を切り開いた”堀切”で御勅使川の洪水の流れ

  「高岩(たかいわ※竜王鼻とも言う)」に導き、その勢いを弱めている。

④十六石 =16個の大きな石を並べ、御勅使川の洪水流を釜無川にうまく

        合流させ、高岩にぶつけて減勢させた。

⑤聖牛 = 江戸時代の地方凡例録によると、主に急流河川における水衝部に

複数個配置され、減勢効果、導流効果が期待できる透過性の水制。

        三角錐(すい)に木を組み合わせた形状で、その形が牛の形に似て

        いるので”聖牛”と名付けられたと言う。

        その大きさにより、大聖牛(瀬替え=流れを変える)、中聖牛(取水堰

        ・河岸部の保護)などがあり、地域により、”川倉”(山梨市等)、材木を

        四角錐に組んだ”菱牛(ひしうし=小河川で川の流れを変える”)と呼

        ばれるところもある。

⑥信玄堤 = 高岩から不連続で築いた堤防で、これを「霞堤」と云い、洪水の時、

        溢れた水を河川に戻す工夫をした堤防である。①~⑥の工夫を重ね

        た上で、弱まった流れをこの”信玄堤”でしっかりと受け止めている。

※ 現在の信玄堤は昔の思想を受け継いで、「霞堤」として改修されています。

 信玄堤には、桜やカエデの他、堤防の役割を果たすケヤキやエノキ等の大樹木も根を張り、水害防備林として指定されています。

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往古より”水防の守護神”として・・・、「三社神社」が甲府盆地の平穏を見守る!

「三社神社の石鳥居」は、明神鳥居(台輪鳥居)と云われ、古来の貫禄を感じる!

額裏に承応元年(1652年)極月吉祥寺と修理年代が記されているが・・・、

創建は桃山時代と推定されています。(※甲斐市教育委員会)

古来の甲斐国の神社鳥居は、幅3.16m、高さ2.62mの台輪鳥居が貫禄!201211_051  Img_0193

 

 

 

 

 

 

 

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三社神社は、天長2年(825年)国中地域が未曾有の水害に襲われた時・・・、

第53代淳和天皇が、一宮浅間神社(木花開耶姫命)、二宮美和神社(大物主命)、三宮玉諸神社(大国魂命)へ釜無川の水防祈願を行うよう勅使を遣わしたことで、現在地で「川除祭」を行ったと伝えられている古社です。

現在も「大御幸祭」として、毎年4月15日に水防の神事が執り行われています。

※一宮、二宮、三宮の三社が合同して各社から神輿等が渡御し、信玄堤(竜王川除)上で、水防の神事として「御幸祭(みゆきまつり」が行われている。

※大御幸、三社御幸、おみゆきさん等と呼ばれている。

※山梨市の窪八幡では「おかわよけ」(御川除)が行われている。

現在の本殿は、建立棟札によると、「御旅殿」として貞亨3年(1686年)に建立、

宝永4年(1707年)に三社大明神社として修造されていることが記されている。

現在も江戸時代中期の装飾技法が見られる建造物です。(甲斐市教育委員会)

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「信玄堤」は、甲斐の歴史の趣と優美な大パノラマが楽しめる!

筆者お気に入りは・・・、春の桜と秋の紅葉時期に眺める信玄堤の風景だ!

①釜無川越しに見る冠雪の鳳凰三山と甲斐駒ケ岳・・・、

②堰堤から遠望する冠雪の八ケ岳連峰・・・、

③樹林越しに被る茅ケ岳・・・、

④樹林の垣間見る冠雪の富士山・・・

信玄堤は、絶景のビューポイントです!!

春の桜、秋の紅葉時期には、いずれも冠雪の名山を大パノラマで眺めることができる。

電車でも車でも便利が良く、誰でも気軽に行ける「信玄堤」は、この大パノラマ風景がお薦めポイントです!

詳しくは、Http://www.kai-city.com/  甲斐市観光ガイドをご覧下さい。

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広大な信玄堤の土手道              紅葉の美しい公園の風景

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樹林の垣間に見る冠雪の富士山(ちょっと雲が懸かる)背景は茅ケ岳(別称ニセ八ケ岳)

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冠雪の甲斐駒と満開の桜風景          左は八ケ岳、右は茅ヶ岳の風景Img_0144 
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桜の季節は富士山が真っ白い冠で美しい! 信玄堤の桜は、優しい彩り!

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