映画監督志望の健司(坂口健太郎)は、映画館「ロマンス劇場」に通い詰めていた。彼はそこで一人の女性と出会うが
彼女こそ健司がずっと恋い焦がれてきたスクリーンの中のお姫さま・美雪(綾瀬はるか)だった。美雪はモノクロの世界
から抜け出して、色にあふれた現実の世界を満喫するが・・・
主人公は現代では老人で、思い出話をせがまれて若い頃書いた未完の映画の脚本を語り映画が始まる。
映画から現実世界に出てくるヒロインと、言う設定は面白かったのですが、お姫様としての会話(元の映画での役)だったり
あるいは自分が映画の中の登場人物であることを判っている為、高飛車な発言が多く、かと言って映画を演じた女優としての
発言は一切なく、一体彼女はどんな設定?と頭を悩ませる。
映画から出たばかりのヒロインは少々に暴力的で、例え触れられたくないからだとしても、余り好感は持てなかった。
しかし、モノクロ世界から色つきの世界に来たワクワク感はうまく出ていたと思居ます。主人公が脚本を通してヒロインと心を
近づけていくのは正直ありがちだなと。そんな普通だなって思っていた映画が、ラスト10分くらいで一気に変わり、2人が触れ
ないままだけれど幸せであった一生を、たった数シーン(海岸を布の端を持っての手つなぎ散歩やガラス越しのキス等)で観る者
に伝えられていた。この映画でとても良かったのは現代の主人公を演じた加藤剛さん。登場時間は少しではあったけれど、主人公
の深い想いが感じられた気がした。最後は救いのあるシーンがあって良かったですね
最後の20分程でこの作品の良さが変わりました ☆☆☆★