三重苦の困難を乗り越え社会福祉に身を捧げた偉人ヘレン・ケラーの物語をW・ギブソンが戯曲化した舞台劇の映画版。生後19ケ月で、
熱病により目が見えず、耳も聞こえず、言葉も喋れなくなってしまったヘレン。両親の献身的な行動にも関わらず、ヘレンを受け容れてくれる
学校はなかった。そんな時、自身も盲目を克服した女教師アニー・サリヴァンが一家の前に現れる。サリヴァンは、文明から隔絶してしまった
かのような7歳の少女ヘレンに、彼女を取り巻く世界を認識させようと必死に努力を重ねていく誰でも良く知っている話です。
丁度、私の生まれた年の公開の作品でありレンタルビデオがまだVHSやβの頃借りて観たのが最後でしたが館で観られる機会があったので・・
冒頭のケラー家のスケッチの後、アン・サリバンが、マサチューセッツ州ボストンの盲学校から、いくつもの列車を乗り継いで、南部
アラバマ州タスカンビアのケラー家にたどり着くまでの様子が、執拗に描かれています。アラバマ州までは数日がかりの、長い長い旅
ヘレンの家庭教師として、ケラー家にやってきたとき、アンは二十歳だった。初めての教師の仕事でアンのヘレンに対する厳しさは、
徹底していた。一切の甘えを許さない。妥協しない。井戸から汲み上がる水に両手をさらし、はじめて「ことば」というもののもつ意味を
理解したとき、ヘレンの混沌とした闇の世界に、一条の光が射し込む。サリバン先生の厳しさの意味を理解したとき、ヘレンは、愛という
ものを、はじめて理解する。家族の甘え(あきらめ?)もあって暴れ放題のヘレンに対してサリバン先生は容赦なく教育していきます。
ラストシーンはもちろん最高ですし、途中のサリバン先生の苦悩もうまく表現されており、もう演技を超えており感動さえ覚えます
白黒はつくづく良い。無駄が省かれて俳優の演技に没頭出来る
映画を味わう逸品だと思う。こういう作品をたまに観ていないと、感性が劣化する様な気がする ☆☆☆☆☆