信州諏訪発気まぐれ親父のブログ

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母と暮らせば

2015-12-13 19:25:50 | 映画

戦後70年と言う事で、戦争に関する映画の多い年ですね。この作品も例外ではありません。そして反戦へのメッセージも込められてる

1845年8月9日、長崎市内の医学校に通う浩二(二宮 和也)はアメリカの原爆により一瞬にして命を奪われた・・・ここまではモノクロで

表現されておりここからの流れを期待させるものでした。 それから 三年の月日が過ぎた場面に移り・・・

母・福原 伸子(吉永小百合)は、浩二に対する想いは諦めきれずにいたが三年が過ぎたことで踏ん切りを付けようとしていた。

その、踏ん切りを契機にして浩二の霊が伸子の前に現れる・・・と言う話だが

まだ此れからと言うときに不条理に命を奪われた事を思って長い人生を過ごして行かなければならない悲しみと踏ん切りを付け無ければならない

その、踏ん切り部分を、浩二の許嫁・町子(黒木 華)に背負わせているので、映画としての面白さ興味深さは町子が気になってしまう

少し気になったのは浩二の霊が戻ってきて廊下を歩くシーンなどで床がきしむ音・足音が聞こえるは?霊の質量?

戦時下の伸子・浩二の思い出話が暗い話かと思いきや、意外なほど能天気な話が綴られる。 う~ん??

黒木 華の演技が巧い物だから、主役の伸子・浩二のエピソードが霞んでしまうのは・・・・何故か?伸子と浩二の二人の会話・独白がどうも

正直今一つ心に迫ってこない・・・この映画の真髄はこの二人の会話・独白なのだろうが、ここがどうも・・・ しかし最後に本当の気持ち

伸子が町子が新しい生活を選んだことを恨み「あの子が替わりに死んでくれればよかったのに」と本音を漏らした。それは伸子自身も気づかなかった

激しい感情だったと思う。原爆が落ち、たった一人の残されていた家族までもを失ったとき既に伸子の心は死んでいたのだと思う。

その後の三年間は浩二の死を受け入れる為だけの三年間でしか無かったのでしょう。 そしてラストシーン伸子に寄り添い真実を告げる浩二

 結末は、二人手を取り合って天国へ入っていくようなイメージの画に

見えます。二人で納得したこの世の別れとも思いますが戦争・原爆・身寄りの無い寂しさ・あり得た幸せを戦争で奪われた・・・

                                        人の心を揺さぶる評価される作品だと思います