福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

韓国映画とシバジ老女

2019年11月15日 |  〇映画・映画音楽

춘희막이  「チュニとマギ」 2015年 〇〇〇〇〇
(860)



2015年に公開されたインディーズ系のドキュメンタリー。
慶尚北道のある村に生きる2人の老女の生活を追った作品だ。

「ハルモニ」と呼ばれる老女(マギ)は、亡夫の正妻。

そして、「オモイ」と呼ばれる若い方の老女(チュニ)は、
その昔、シバジ(借り腹)として亡夫の2人の男の子と
1人の娘を生み、そのまま家で暮らし続けている女性。

彼女には軽い知的障害があり、畑仕事の手伝いはできるが、
お金の計算などはできない。

彼女は、年老いた今もなお、正妻のマギおばあさんを、
まるで幼女が実の母親と対するように、慕いながら、
いっしょに暮らしている。


△チュニおばあさん<左>とマギおばあさん(映画より)

正妻は、彼女が男の子を1人生んだ後も、行き場のない
彼女の境遇が不憫でならず、そのまま同居し続けることを
許したのだと語る。

それから50年近く、2人は一つ屋根の下で苦楽を共に
してきた。

現代の韓国社会では、シバジの風習は消滅している
(はずだ)。

今となっては、極めて例外的な事例とは言え、非常に
貴重なドキュメンタリー作品を見させてもらった。


(終わり)


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