ふぶきの部屋

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韓国史劇風小説「天皇の母」53(フィクション?)

2012-05-17 07:00:00 | 小説「天皇の母1話ー100話

アヤノミヤとカワシマキコ嬢の婚約が正式発表されたとき、

国民は皇室が時代とともに変わった事を認識した。

古い時代の人から見れば、何もかも「掟破り」のように見えたのだ。

・ 弟宮が兄宮より早く結婚すること

・ 発表が先帝の崩御から1年経っていなかったこと

・ カワシマキコ嬢は学習院の官舎住まい。一軒家に住んでいない。

・ 学生結婚であること

それでも、国民からもろ手を挙げて祝福された理由はいくつかある。

・ アヤノミヤが強い意志を持って愛を貫いたこと。

・ キコ嬢は今時珍しい程清楚で可愛らしいお嬢さん。しかも学習院出身。

・ 先帝崩御で何となく暗くなりがちな世相に明るい空気を吹き込んでくれたこと。

以後、「キコちゃんブーム」が起きる。

カワシマ家にはテレビがないらしい。お父様の躾の一環で、テレビよりも

家族のコミュニケーションを大事にする」

「カワシマ家は3LDKの官舎に住んでいて贅沢を知らない家庭」

学習院・常盤会は「アヤノミヤ様、よくぞお選びになって下さった。最高の女性を」

と褒め称えた。

実際の所、キコ嬢は素直で明るい性格。

どんなにマスコミに追われても嫌な顔一つせずにお辞儀をする。礼儀正しいその

態度や明るいしぐさが記者達を魅了した。

毎日、ジョギングの時も美容院に行く時もキコ嬢はマスコミに追い掛け回された。

そのうち、顔見知りになるとさらに笑顔が加わって何となく得をした気分になる。

けなげでいたいけで、でも笑顔が素晴らしい若い女性が筆頭宮家の妃になる。

それこそ20世紀最後のシンデレラ・ストーリーかもしれない。

そう、あの中古の官舎の中からアヤノミヤ王子はキコ姫を見つけ出したのだ。

 

天皇・皇后は婚約の発表と同時に、カワシマ夫妻を御所に招いた。

ミチコ妃の時には考えられない事だった。

あの時のような思いはさせない・・・との強い決意から天皇・皇后は結婚前の

嫁の実家と親交を持つ。それは大きな改革として受け入れられた。

それにカワシマ夫妻もよく応えた。

どのように招かれても決しておごることなく、地味に目立たないように行動する。

学者のカシマ教授と天皇は話が合った。

慣れ親しんだ学習院の教授という事で、一層親しみがわいたのかもしれない。

結婚の儀の事は何も心配しなくてよろしい。全て任せるように」と皇后は言った。

金銭的に余裕がない筈のカワシマ家には皇室から提供していくつもりだ。

派手には出来ないが体面を保つだけのものは持たせなくては。

皇后の頭の中でセツ君の台詞が蘇る。

入内する前から皇族に好かれているとは・・・・なんと幸せな娘であることか。

キコはノリノミヤともすぐに仲良しになった。

二人で喋っている姿はまるで姉妹のようだ。

アヤノミヤ・ノリノミヤ・キコと3人並ぶとそこだけほわっとした空気が流れる。

孤立しているような皇太子がまた不憫にも見えた。

皇后の心の中では気負いがないキコの心情がなかなか理解できないし

ちょっと可愛げがないと見える。

かつての自分もまたそうだったことは・・・あまり記憶にない。

でも、とにもかくにも認めたのだ。

私情を挟んではいけない。

 

そんなブームに危機感を覚える人間がいた。

オワダヒサシである。

まさかアヤノミヤが皇太子よりも早く結婚を決めるとは思わなかった。

でもどうせ大学教授ふぜいの娘だからとタカをくくっていたらとんでもない。

彼女はブームを巻き起こしてしまった。

田舎くさい娘だと思う。貧乏人の学者家庭のくせにと思う。

学習院ごときで何だというのだろうか。

それなのに国民は何を喜んでいるのだろう。両陛下との仲も良好?

何もかもオワダ家と違うその姿勢にヒサシは怒りを覚えた。

このままでは皇太子妃もキコ嬢のような娘を・・・という事になりかねない。

何とかしなくては。

外務省には独自のネットワークがあり、機密費も無論ある。

さあ・・誰に相談しようか。誰を取り込むべきか。

娘の妨げになる奴はどこまでも排除せねば。

ぐるぐるとアイデアが浮かんでヒサシはほくそえんだ。

 

 


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3 コメント

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Unknown (しぐれ)
2012-05-17 21:32:13
書き貯めしておいたんですか?
素晴らしい。

治療が上手くいきますように。
Unknown (ゆきんこ)
2012-05-17 21:36:43
決して奢らず、卑屈にもならないカワシマ家の一族、これは彼らがすばらしいからだけではございません。皇后陛下のお気遣いあればこそでございます。皇太后陛下がお相手ならこうはいかなかったと思います。

そして、負の連鎖を断ち切ろうという、その大御心は、今までの皇族とは一線をおかれたものと存じます。


Unknown (ふぶき)
2012-05-23 16:40:31
>しぐれさま
そうなんです。時間が足りなかったですが。
おかげさまで退院できました。

>ゆきんこさま
そうですね。今上夫妻は改革者なんですね。

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