ふぶきの部屋

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韓国史劇風小説「天皇の母」52 (フィクションだった)

2012-05-16 07:00:00 | 小説「天皇の母1話ー100話

その年の夏、初めてマスコミがカワシマキコ嬢をカメラにとらえた。

彼女は学習院大学のキャンパスを父親と一緒にゆったりと歩いていた。

セミロングの髪と清楚なワンピース。

そのおっとりとした雰囲気に誰もが「今時、こんな女性がいるのか」と思った。

 

キコが決めたのだから、その通りに。でも責任は全部自分にあると思いなさい。

何よりも皇室を敬い、両陛下を敬い、殿下に尽くす事。出来るかい?」

父の言葉をキコはしっかりと頷きながら聞いた。

今後はお前を助けてやれないだろう。どんな辛い事があっても一人で耐えると

約束できるか?」

はい」

母はさめざめと泣いた。

まだ22歳なのに。皇室は私達には遠い所です。絶対に苦労します。

でも何もしてやれません。それでも結婚に賛成なさるの?」

キコが殿下との愛を成就させたいと言っているのだから」

そうは言っても。私は心配です。ミチコ妃殿下の苦労を私達は知っているのよ」

時代が違うさ。それにキコは選ばれたんだから。決して好き嫌いだけで決めている

わけではない。アヤノミヤ殿下の見識を信じよう」

まるで・・かぐや姫のよう」

泣く母の肩を父はそっと抱いた。

オールウエイズスマイル。この言葉を胸に頑張れば何事も耐えられる。キコの

幸せを祈ろうじゃないか」

キコはその時、両親が心配しつつも自分を尊重してくれている事を知った。

取り乱す事なく、自分と殿下を信じている。

そんな気持ちが嬉しかった。

姉さんは勇気があるなあ

弟のシュウがボソッと言った。自分が皇室に嫁いだら彼はカワシマ家のただ一人の

子供になる。もう頻繁に会えないし、昔のようにからかったりも出来ない。

そして姉が皇室に嫁ぐという事は、弟にとっても無言の圧力がかかる事だった。

今後は行動に注意しなくてはならない。

姉の名誉を傷つけないように。マスコミにおもしろおかしく取り上げられないように。

人を好きになるってすごい事なんだね

ごめんね」

え?別にいいよ。僕、反対してないよ。相手がアヤノミヤ様なら仕方ないや」

シュウはそう言って顔をしかめた。

 

そして学習院のキャンパスで初めてマスコミの前にさらされたとき、

寄り添ってくれている父の大きさが伝わり、緊張の中にも余裕を感じる事が

出来た。

何も怖がる必要はない。

家族はいつも一つなのだから。

キコはゆっくりと笑った。オールウエイズスマイル。今、自分が出来ることは

微笑むことだけ。

 

そしてその頃、マサコはベルギーを旅行して歩いていた。

もうそろそろ新学期が始まるというのにイギリスをでてヨーロッパ旅行に

あけくれていたのには、わけがある。

イギリスに来て以来、マサコは気が塞ぐことの連続だった。

授業についていけない。友達が出来ない。アメリカでは自由にやっていけたのに

何でロンドンでは無理なのか。

一緒に行った6人の仲間ともうまくいかない。

結局、大学の寮を出てアパートに引っ越した。

修士論文を書かなくてはいけないのに、どうしても書けない。誰が悪いって

自分?そんな筈ない。自分はハーバード出なのに。

いらつくロンドン生活。

そこにさらに日本からマスコミが押しかけてきた。

どうしてなのかわからないけど、一度脱落したヒロノミヤ妃の候補に挙がっていた。

「心配しないで任せておけ」

と父は言うけど、マサコには事情が飲み込めなかった。

誰が何の目的で自分を皇太子妃候補にしようとしているのか?

あんな男と本気で結婚しろって?冗談でしょ?いや・・冗談じゃないのかも。

妹達の報告によるとマスコミが勝手に盛り上がっているみたいだけど。

そんなある日。

ロンドンのアパートの前に日本人が数名待ち構えていた。

マサコさん、お妃候補にあがっていますが・・・

頭の中で何かがブチ切れた。

その件については私には関係ございません。私は今ロンドンに留学中で

ございまして今後も勉学を続けて行きたいと思っておりますので」

語気を荒くしたつもりはなかったけど、一瞬にして彼らがひるみ後ずさったので

そこでちょっと溜飲を下げた。

 

ヒサシは外務省事務次官を目指していた。それから国連大使も。

家柄もなく、学歴だけが命のこの男にとって「権力」はプライドそのものだった。

頭のよさでは兄にはかなわない。でも、外務省内で権力を掴めば・・・誰もが

自分の前にひれふすだろう。

「恨をはらしておくれ」という遠い日の言葉が思い出される。

そうだ・・・差別だ。身分が何だ、家柄がなんだ・・血筋がなんだというのか。

純粋な日本であることはそんなに偉いものなのか?

そもそも自分達をこんな風にしたのは誰だ?日本人ではないか?

日本という国を見返してやりたい。その為には自分が権力を持たなければ。

権力を持つには政治家と繋がること。

そして、最大限に利用できるものは利用すること。

その為にマサコは重要なポジションにいた。

今の皇室において「お妃候補」として最も重要な事はなんだろう?

家柄?いや違う。学歴だ。

そのもっとも代表格はほかならぬ皇后。

皇后がお妃候補にあがったとき、散々「聖心女子大を優等の成績で卒業した」

事が喧伝された。それはショウダ家がどんな家柄であるかとか、血筋はどうだとか

そんな事よりも重要で華やかな理由に見えた。

あの時から皇室に入るには「学歴」が必要になったのだ。

げんにタカマドノ宮妃だってそうではないか。

バイリンガル、留学経験、よい成績・・・・それがこれからの妃としての重要な

ポイントである。

マサコの持つ学歴はぴったり。

そして、娘を皇太子妃にすれば「父親」の存在もクローズアップされる。 

「プリンセスの父親」がどれだけ影響力があるかみせつけてやりたい。

娘がどう考えようとそれは関係がない。

あの娘は贅沢が出来て華やかに暮らせればそれでいいのだ。

ヒサシは夢に見た。

オワダの血が皇室に入り込み、永遠に「名家」として家門の栄光を極めることを。


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2 コメント

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恐れながらヒサシ様 (ゆきんこ)
2012-05-16 11:47:13
>「聖心女子大を優等の成績で卒業した」

はずの皇后陛下が散々ご苦労なさるのが皇室なんですよ。

バイリンガルでなくとも、皇太子妃には、御所をNOVA状態にしてインストラクターをつければ何とかなるでしょう。

でも、カワシマ嬢をごらんになって、
「次男嫁も帰国子女、でも学習院の偏差値は低い」と思われるのでしょうか?
返信する
Unknown (ふぶき)
2012-05-23 16:38:46
>ゆきんこさま
あのマサコさんですから、多分「学習院なんか」って思ってる事ははっきりしてますよね。
なんせハーバードありきですから。
返信する

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