goo blog サービス終了のお知らせ 

今日の商店会長 (早稲田商店会相談役 安井潤一郎)

日本でただ一人、商店会の会長現職で衆議院議員になった、早稲田商店会前会長日記。公式ホームページは左下ブックマークから。

輸入された米国産牛肉に特定危険部位が

2008-04-29 07:08:49 | 商店会長のコメント
遅ればせながらですが表題についての私の思いを書かせていただきます。

牛海綿状脳症(BSE)というのは別名プリオン病とも呼ばれています。プリオンというのはタンパク質の異常変異で、これが蓄積すると脳がスポンジ(海綿)のようにスカスカになります。そこで海綿状脳症と言われるのです。

この異常変異したプリオンが蓄積されるのは脳、目、脊柱、回腸、神経節という普通は食用に供されない部分に99%以上が蓄積されます。そこで、牛肉のこの部分を「特定危険部位」と言います。

昨年8月、伊藤忠商事が牛丼チェーン最大手の吉野家向けに米ナショナルビーフ社から輸入した米国産牛肉700箱のうち1箱に特定危険部位が除去されていない、背骨(脊柱)付きの肉が入っており、それを吉野家の工場で見つけ残りの699箱とともに処分した、というのが4月23日の報道内容です。

米ナショナルビーフ社の社長は「日本への輸入の条件に反したものが含まれていたことを残念に思う」という日本語で書くと他人事のようなコメントを発表しています。米国では月齢30ヶ月未満の牛ならば日本で危険とされている部分でも取り除く必要がないので意識の奥では「なに面倒くさいこと言ってるんだ」と思っているのではないでしょうか。

私は東京のお肉屋さんの組合員で役員もやらせていただいています。お客様がどれだけ「食の安心と安全」に注意を持ち、商品の選別の時に重要視しているのかも知っている立場だと自負していますし、料理研究家で医学博士の服部幸應先生からお呼びかけいただいた本日(4月29日)が最終日の「おいしい食卓展」(新宿高島屋)にもその思いが有ったので日本中のお仲間を誘いました。

今回は、ルール通りに仕事をしなかった米国側に全ての問題点が有ると私は思います。しかし何故、特定危険部位と言われる所を除去していないだけで処分するのでしょうか。異常変異したプリオンが、蓄積されている特定危険部位から流れ出て肉に浸み込んでいると思われているのでしょうか。問題の無かった699箱も一緒に輸入されたから危険だと思ったのでしょうか。

私は東京の肉屋ですから米国産牛肉よりも、育てている人の顔の分かる国産牛肉を売りたいと思っています。しかし、大新聞でさえも記事の中で「危険な牛肉」と平気で書かれている現状と対応には、「もったいない」という意識を強く持った親に育てられた世代として違和感を覚えますし、何か恐ろしい物が入って来たかのように騒ぐよりも、BSEの正確な情報と外国での常識が日本のルールにどれだけ合っていないのかを知らしめ、この機会に食料自給率を上げる方向に舵を切るべきだと思えてなりません。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 衆議院山口2区補欠選挙 | トップ | 4月29日・再議決前日 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

商店会長のコメント」カテゴリの最新記事