なにも、相手選手にヘディングしなくても…。
リベリーのシュートが外れ、自らのヘッドがブフォンにはじき出され、イライラが募っていたところに背後から浴びせ掛けられた悪魔のような言葉。
「●Ω△ξ×≫◆⊃×××!」
「mmm…(ぶちッ!)」
っていう展開だったんだろうな。何を言われたのかは知りませんが。
それにしてもいい頭突きだった。
振り向きざまに頭へ、ではなく、みぞおちあたりに頭頂部から踏み込んでの一撃だ。
もしマテラッツィが歩くのをやめるか、一歩下がっていればジダンの頭部は空を切り、「なにやっとんじゃこのはげ!」みたいな侮蔑の言葉がさらに加わり…両者退場となったはずなのだが、あえて胸でジダンの頭頂部をトラップしたマテラッツィの作戦勝ち。
これもカルチョである。
しかし、よりによってW杯決勝、自らの引退試合もあと10分?という時間帯で…。
ともかく、ジダンが暴発する姿はこれまでも何度も目にしてきた。
リーガでもあったし、W杯でも1998年の予選リーグで相手を踏みつけて一発退場。
1998年の優勝チームは、カラードが多かったのみならず、バスク系のデシャンがキャプテンを務めるなどエスニック国家フランスの面目躍如たる陣容で、「ジダンのワンマンチーム」とか言われつつも、試合をこなす度にどんどんチームとしてのまとまりを増していった。ま、ジャケ監督の周到な準備が実ったわけだけれども。
一方、ピッチ外では、それまでは仏国内では「ペンギン」とか言われて、労働者のスポーツと見られていたサッカーに対する注目度を一気に押し上げることに成功。
優勝したらまさにナショナルヒーロー。
代表チームは、当時のフランス国内のエスニック社会、多文化社会の体現者的な持ち上げられ方をしていたような印象がある。
そんな、アルジェリア移民の子、ジネディーヌ・ジダンに、マテラッツィが何を言ったのかはともかく、最近労働問題等で何かとエスニシティを刺激する出来事が多いフランス国内の子供たちへの影響力を考えると、あんまりいい出来事ではないよなぁ~。
また、フランスに限らず、世界中の子供達になんと答えるのかね?
実際、俺は夕べの再放送を見ていた娘に説明を求められ、回答に窮してしまったよ。
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