Baradomo日誌

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オシム監督の回復を祈りつつ

2007-11-19 | サッカーよろずごと

オシム監督が脳梗塞のため緊急入院した。

ネット上に流れた情報によれば、深夜のため日本サッカー協会関係者と連絡が取れず、119番通報もわからず、なんとグルノーブルの祖母井氏と連絡を取って119番通報したらしい。
病院到着まで、発症から1時間半。
病院到着時まで、オシム氏は意識があり、通訳を介して英語でやり取りをしていたそうだ。
でも居間は集中治療室。
意図的に?意識をなくさせた状態での治療が続いているという。

とにかく、回復を祈るしかない。
代表監督なんて辞めてもらって結構だ。
とにかく元気に退院できることを願う。

と言っておきながら何だけど、目前に迫ってきたW杯予選はどうなるのか?
「オシムを総監督として、現スタッフ陣は継続、方向性を踏襲できる臨時代行監督を置く」という中間路線が現実的?
小野剛氏を筆頭とする技術委員会に今後の方向性を委ねた、という報道がその根拠だけど、否、本来、代表チームというのはそうあるべきなのだ。
無論、スタッフやマスコミの発言力が強すぎて、監督がその個性を発揮できない、なんていう事態に陥ってしまっては困るのだが、監督が替わるたびに暖簾を架け替え、フランス料理店がすし屋になるような展開であってもまた困るのだ。
これまで、オフト~ファルカン~加茂~岡田~トルシエ~ジーコと監督が替わってきたが、前任者の蓄積を元手にさらに伸ばす、という発想を誰がとっていたか?
「継続的な強化」というものを考えた場合、特に、トルシエ~ジーコの8年間の断裂は大きい。

言い換えるならば、代表とは、「米料理専門店」とか「日本酒専門店」であって、新メニューとしてパエリア始めました、とか、日本酒アイス新開発!とかであるべき。
国の代表チームってのは、そういった包括的な方向性こそが暖簾となるべきであり、オシムが主唱する「日本化」の中核にはそういう考え方があると思う。
いやもう、面倒だからそういうことにしよう。
そして、板長オシム氏急病のため、流しの板さんでもなんでも引っ張り込んで、この店の味を落とさぬよう、暖簾に傷がつかぬよう、日本サッカー界挙げて議論しながら戦わねば。

で?
いつぞやのWBCだったかの時の「チーム長島」みたいなもんだ。
中畑は誰だ?
反町で行く?それとも大熊さん?
いやいや、岡田さんですか?
臨時板長候補はこの御三方だろうね、現実的なところでは。


さて。
そのオシムの愛弟子、水本がキャプテンマークを巻いた五輪予選。
ベトナムを軽く見るわけではないが、日本の選手たちは「プロ」なんである。
半分アマチュアのベトナムにあっぷあっぷでは困るのだ。
先日のACLでは浦和が優勝。川崎もベスト4。Jリーグは「プロ」として、アジアでは韓国と並んでトップレベルであることを証明している。君達はその中の選手なんだから。
「おとなしい」とか「ぴちぴち感がない」とか、オブラートに包んだ言い方は無意味。
「お前ら、まだ片目も開かねぇのか?」と言うべき(古いかな?)。
「うまいだけじゃ勝てないんだぜ~!」ってのがスポーツ。
日本の五輪代表選手に対して求められるべきは、結果だし、点差なんだけれど、それ以上に試合のイニシアチヴを奪い合い、最後は強奪するだけの精神力。

ベトナム戦のポイントは、水野・柏木との連携を含めた本田圭佑のプレー位置、そして水野~内田、本田~岡崎という、縦の連携によるサイドの崩し。
前半を見る限り、この2点については及第点だったし、特に2点目や、3点目の布石となった岡崎の突破を生んだバイタルエリアでのパス交換などは「エレガントなプレー」だった。スピーディーな展開を予想し、李&岡崎の2トップから逆算した攻撃の組み立てが見事にはまったと言えるし、スィーパーを置かず、中盤の枚数を増やしていたことも含め、攻撃への意思統一が図られていたことも大量得点の遠因。
正直、この前半ほどスピード&ラッシュと繊細なパス交換がはまったサッカーを見たのは、数多くの代表戦の中でも久しぶりかもしれない。
この展開では平山の出番はなかったね、残念ですが。

そんな中、PK以外の3点が、全て左サイドから始まっていたことは、実は注目に値するマイナスポイントだと思う。
それはFw陣とパスの出し手との相性かもしれないし、李&岡崎という組み合わせの妙かもしれないし。
また、前半開始早々から本田の動きは切れていたし、意外にも左サイドに置かれた伊野波の動きも悪くはなく、本田の裏のスペースを埋め、柏木・水野へとパスを散らすリンクマンとして影のように付き従っていたので、左だけを見れば伊野波⇒本田+柏木⇒岡崎というラインが出来ていた。
しかし、右サイドの内田はトラップミスやパスミスを連発し、水野との連携もいまひとつ精度を欠いた結果、水野は孤立し、プレーは散発的で、むしろ二の矢的なフォローに終始。
これが結果的に左偏重の攻撃を生んだのみならず、サイド攻撃を多用しつつも直線的な、平坦な攻撃リズムに陥りがちな主要因。
従って後半、本田が若干位置を下げ気味にすると、全体が下がってしまったのだ。
後半開始~15分くらいまでこの状態が続く。

前半を見て、内田のミスの多さはピッチコンディションに起因しているのかと考えた。
青山直&敏も滑っていたし。
しかし、内田はサイドが変わってもあいかわらずミスのオンパレード。
サイドチェンジもままならない。
本田は自らイニシアチヴをとって試合を落ち着けようとしたのかもしれない。
ならば自発的な岡崎とのポジションチェンジも含めてもう一つ工夫が欲しいし、そうすれば15分間にも渡って松木の「危ない!」という素っ頓狂な声を聞かずに済んだのだ。
一方、ベトナムから見れば、本田こそ日本の起点であり、本田のパスの受け手3人程度を限定的にマンマークすれば日本の攻撃は止められると考えたのだろう。
そして、それは見事に成功したと言える。
後半の立ち上がり、真っ先に交替になるのは内田、交代要員は細貝だろうと予想していたが、後半25分まで交替はなく、チェンジしたのは伊野波⇒梅崎と青山敏⇒細貝。ほぼワンボランチで走りまくった青山敏だったが、さすがに終盤は運動量が落ちていた。
しかし内田は90分間走り続け、本田は左サイドをじりじり後退しながらパスを供給し続け、水本は鼻を折り、岡崎は決定的なシュートを二度はずし、梅崎を加えて面子オーバー寸前のトップ下は異常なボール支配力と走力を発揮しつつも得点を奪えず、追加点はなんと細貝の頭!気付けば純粋にディフェンダーと呼べるのは水本と青山直の2バック!オシムじゃないんだから。
最後は岡崎に替わって出場の興梠が走りまくってPKをゲットするも、本田が失敗して試合終了。

やる気は見えたね。
根性も見せた。
なにより柏木~梅崎の走りまくるトップ下は魅力だ。

次回サウジ戦は、あろうことか出場枠1を争う直接対決となった。
でも、構図としては簡単になったからいいんじゃない?
追加召集はデカモリシ。
つまり、点とって勝つ!ってこと。
次節も本田と内田に注目だ。

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