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Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

アジアユース準決勝

2006-11-10 | サッカーよろずごと
サッカーの19歳以下(U19)アジア・ユース選手権準決勝。
日本は大会3連覇を狙っていた韓国をPK戦で3-2と振り切り、決勝進出。

今大会に参加している韓国チームは、予選リーグ3試合と準々決勝の計4試合で得点15、失点1の4戦全勝という圧倒的な強さを見せている。シン・ヨンロクとシム・ヨンソンのツートップで7ゴール、2列目のソン・ジンヒョンとイ・サンホもそれぞれ3ゴールの荒稼ぎだ。
彼の地では「史上最強世代」の呼び声も高い。
おかげで、朝鮮日報などでは日本は「格下」扱い。「かる~くひねってやるぜ」ってなもんだ。

決勝進出を賭けた日韓戦、開始早々の様子を見た限り、韓国の実力は、明らかに日本より上だった。
選手全員にシュートへの意識が高く、隙あれば狙う!という感じなので、ドリブルで突っかけ、空いたスペースに後の選手が入り込み、クロスが上がればほぼ確実にシュートで終わる。いわゆるくさびのプレイも、フォローの出足が早く、確実性が高いし、状況によっては反転してシュートしたり、ドリブルからリズムを変えてシュートするなど、バリエーションも豊富。
そのあたりは個人の判断を重視しているらしく、失敗しても確実にフォローが入るし、見ていて小気味いい。
また、基本的にドリブルでサイドをえぐってから中に切れ込むため、Fwがオフサイドになる可能性も低く、かつ重層的な攻撃が可能になる。
こういうサッカーをやれば、サポーターの支持は高まるよな、確かに…な~んて思ってたら、あれ~?って感じで早々に韓国が先制。
やばいぜ、本当に格下にされちまう…。
一方、日本はと言えば、森島に当てて展開、という図式を忠実にやろうとしているためか、相手エリア付近までパスで繋ぐことが多い反面、スペースに顔を出す選手が少なく、単発的な攻撃が多い。
ドリブラーとしては梅崎、内田がいるものの、マークがきついのか、どうもチャレンジできていない。そこで、右サイドに詰まった内田から大きなサイドチェンジは成功しても、受けた左サイドの堤の判断が遅く、かつクロスの精度が低いため、そこでほぼボールを奪われる展開が。
これ以上やられてくれるなよ~という1億総サポーターの念が届いたか、そのまま1点ビハインドで前半終了。
 今回のチームは、平山がいた前回、大久保らの前々回、さらにその前のゴールデンエイジよりも技術的には上、との評価が高い反面、これといったスター選手がいない。
 A代表歴のある梅崎にしても、当時の小野ほどのオーラはない。
 そのぶん、妙に気持ちは強いのかもしれない。
 後半開始早々、前半いまいちピリッとしなかった堤に代えて17歳の香川を投入、スリーバック気味に陣形も変化。
 これが功奏したか、香川~柏木~前半5回の得点機を棒に振った森島とつないでゴール。
試合後、森島は「河原と2人で3点は取っておかなきゃいけなかった」と反省の弁。
その後、「格下の日本」に同点とされたことで韓国の仕掛けが早まり、日本はサンドバッグ状態に。このため、先日のサウジ戦同様15分過ぎに河原と交代した青木がフィットするのに若干時間がかかり、なかなか押上げが図れない。
そして、韓国のカウンターを止めようと、独走する韓国Fwを引きずり倒してしまった槙野が一発退場してしまうが、なんとかしのいで延長突入。
韓国の圧倒的なパワープレイに防戦一方だった日本だが、梅崎がドリブルでためながらためながら持ちあがると同時に日本選手が一気に相手陣内に攻め込み、ゴール前の混戦からこぼれたところを青木がゴール!
しっかり止めて、ワンフェイク入れてからの確実なシュートは、青木の真骨頂。この時間帯に加え、一人少ないという状況を考えれば、これほど冷静なプレーはなかなか出来ないだろう。
そういう意味で、それまで防戦一方だった日本陣営に光明をもたらした瞬間だった。
とはいえ、正直言えば、青木にはもっとドリブルでつっかけたり、いつものトリッキーさを出して欲しかった。彼はもっと出来る選手だと思うし、あと1年くらいジェフで走りこめば、大化けするのではないか?個人的には対戦国の監督連中から「ファンタスティック!」と評された柏木よりも期待しているんだけど。
ともあれこれで2対1、この試合きまったかぁ!そのまましのげ~と思いきや、194センチのMFを投入し、俄然エンジンをかけてきた韓国。
延長後半、韓国は途中交代で入った17歳の選手を引っ込め、さらに3人目の交代選手を投入。
この選手が中央をスルスルっとドリブル、これを日本側のペナルティエリア手前で倒してしまったため、直接フリーキックをねじ込まれ、またもや同点。
いやはや、なんとも熱くなる試合だぜ!
韓国の監督から見れば、この一連の交代は想定外だったのではないか?
延長前の後半、それまでフリーキックを全て任されていた選手をわざわざ下げて投入された17歳の選手。どうやらフリーキックも全権委任された彼が2列目に入ることにより、11番のキャプテンの選手(イ・ジュホっていうのかな?)をサイドバック(ボランチか?)の位置に下げるなどポジションチェンジを図っていた。しかし、これが結果的に何ももたらさなかったのみならず、その選手はシュートミス、ドリブルミスを繰り返し始めるに至り、メンタル的にも切れかかっていた。
そこで、またその選手を交代させた結果、土壇場での動転劇を演出できたわけだが、実はこの最後の選手も、交代以降フリーキックを全権委任されていた。
つまり、韓国スタメンのフィールドプレーヤーの中に、プレスキックの専門家は1人だけ。
あとはドリブラーとディフェンダーとフィニッシャーである。
これって、オシムのそれと似てないか?
また、交代選手としていわゆるエクストラキッカーが2人もいたわけだ。
しかも若いやつが。
このあたりに、韓国協会の将来展望が透けて見えるような気がしたのは、邪推過ぎるか?

とにかく、同点とした韓国は遮二無二攻めた。
一時はサイドバックくらいの位置まで下がっていた11番もいつの間にやら中盤に戻り、攻撃参加してくる。
そんな韓国の波状攻撃の雨あられをかいくぐり、ここに来て開き直ったかのような内田・梅崎のドリブルから日本も決定機を作り出していく。
そして、互いに攻めあいつつもしっかり守りきり、ついにPK戦。

ところが、先攻ひとりめの梅崎がぶち込んで以降、なぜか互いにはずしまくり(付き合ってしまったか?)、日本の4人目が決めるまで1対0のまま。そして韓国の4番目が決め、日本の5人目がはずして韓国の5人目が決めて…サドンデス突入。
そして6人目。日本が決めたあと、韓国のキックを日本のGK流通経済大の林がセーブし、ついに、驚いたことに日本の勝利。
いやどうも、見ているこちらも疲れた試合だった。

内容的にはどう見ても韓国の方が強い…のだが、何故日本が勝てたのだろう?
韓国のシュートは、ほぼ同じパターンで打ってきていたように思う。
特に、日本の右をえぐり、中央に切り込んでからのシュート、もしくは中央のスペースにマイナスのパスを出して点であわせるシュートが10本以上。
しかし、ことごとく日本GKがクリア。
これは、計算ずくなのか?あるいは偶然か?
日本ディフェンスは特にバイタルエリアに侵入したどりブラーに対する寄せが甘く、お見合いをしながらずるずると下げられる格好が多かったのだが、不思議とそういう展開からは失点していない。
何故だろう?
とはいえ、バイタルエリアへの侵入を許してしまうと、寄せをためらい、クリアも中途半端になるのは、A代表や五輪代表においても同様の癖だ。
決勝までにこの部分を見直さないと…また、本番のワールドユースまでにディフェンス力を高めておかないと、とてもじゃないが世界では勝てないように思う。
とはいえ、これからずーっと何度も戦うことになるだろう韓国チームは本当にいいチームだった。特にキャプテンの11番と、Fwの2人のシム選手。
ちょっと気にして追っかけてみたい。

ガーナ戦!

2006-10-03 | サッカーよろずごと
ガーナとの親善試合を控え、日本代表が招集された。
その中に、ジェフ千葉の若者、水本裕貴がいる。
追加召集された青山同様、年代的には北京を目指す人材。
しかし、オシム監督の胸中では、さらにその先を見据えた強化対象選手なのだろう。

思い起こせば昨年6月のワールド・ユース、初戦でオランダの左サイド・クィンシー・オウス・アベイーにずたずたにされた日本DFラインの一角を担っていたのが彼だった。
あの時、ファウルまがいのチェックを入れた中村北斗を切れた腰みののように引きずりながら突進するクィンシーに、ほとんど動く障害物のように振り切られていた水本だったが、オランダでの経験にとてつもないショックを受けたようで、帰国後、雨後のたけのこのように実力を伸ばし、ここ最近はJリーグに所属する外国人選手に対しても、ほとんど1対1で負けなくなってきた。

そういう意味では、この時期、ガーナのような身体能力が高く、しかも組織プレーにも秀でた(アフリカ的には)守備的な、それでいて爆発力のある、緩急の落差の激しいチームとの対戦が、今後の彼の成長にもたらすものは多い。

それは、今回召集された青山も同様のこと。

オシムは「古井戸から見ていく」旨の発言をしているが、だまされちゃいけない。
彼がやろうとしていることは、少なくとも守備陣に関して言えば、トルシエ以上にドライな世代交代だ。
闘莉王を脅かす存在がなければ、戦術的には単調なものとなってしまう。
これまでの宮本中心のDFラインがそうだったように。

また、そういう意味では、左サイドが手薄だなぁ。
がんばれ駒野!
そして、彼を脅かす選手が出てこないものか。

代表発表

2006-08-31 | サッカーよろずごと
日本代表中東遠征(AFCアジアカップ2007予選)メンバー(9/3対サウジアラビア代表@ジェッタ、9/6対イエメン戦@サナア) [ JFA ]
【選 手】
GK 23 川口 能活 ジュビロ磐田
   43 山岸 範宏 浦和レッズ
   44 西川 周作 大分トリニータ

DF 14 三都主 アレサンドロ 浦和レッズ
   20 坪井 慶介 浦和レッズ
   21 加地  亮 ガンバ大阪
   45 田中 マルクス 闘莉王 浦和レッズ
   31 駒野 友一 サンフレッチェ広島

MF 50 中村 直志 名古屋グランパスエイト
   51 羽生 直剛 ジェフユナイテッド千葉
   4 遠藤 保仁 ガンバ大阪
   52 二川 孝広 ガンバ大阪
   55 鈴木 啓太 浦和レッズ
   30 阿部 勇樹 ジェフユナイテッド千葉
   56 山瀬 功治 横浜F・マリノス
   58 田中 隼磨 横浜F・マリノス
   59 小林 大悟 大宮アルディージャ
   35 長谷部 誠 浦和レッズ
   71 伊野波 雅彦 FC東京
   72 梅崎 司 大分トリニータ

FW 36 巻 誠一郎 ジェフユナイテッド千葉
   65 我那覇 和樹 川崎フロンターレ
   37 佐藤 寿人 サンフレッチェ広島
   38 田中 達也 浦和レッズ

FWから横浜の坂田が落ちたな。
MFでは二川が初選出、大分の梅崎が最大のサプライズか?
GK西川も初代表。 MF伊野波は前回の青山同様、五輪代表とのリンクマンだな。
DFは変化なし。CBに補強があってもよさそうなんだが。事実上サブがいないじゃないか。阿部がやるのか? あ、伊野波がいるか!
右サイドに北斗とか、市川とか、いいと思うんだけどな。
MFでも、新聞紙上をにぎわしている中村憲剛や山岸、坂本の選出はなかった。石川も見送りか。

全体的には、意外にもフロンターレからは我那覇のみ。
そして磐田、鹿島、清水からはぜんぜんいない(GK除く)。
そう言えば、名古屋のGK川島はどうしているんだろう?川島よりも好きなんだけどな。

でもこのメンバーを見ると、海外組が皆無。
オシムのチームはまだ始まってもいないのかもしれない。

チーム反町の初陣だ

2006-08-07 | サッカーよろずごと


いよいよ反町監督率いるオリンピックチームの初陣だ。
どうやら苔口のワントップの模様。
ひいきなんだよね、苔口。
ユースの時の大熊さんの叫び声が耳に残ってる。

「コケ~ッ!コケ~ッ!!」

ニワトリじゃないんだから。
それでも飛ぶように走る苔口。
中学時代に短距離の全国記録保持者だったとか。
とにかく走り方がいい。
自分自身が鈍足だったため、この手の韋駄天系は好きです。

応援のため、とりあえずまた頭を丸めてみたところで、仕事を思い出した。
明後日、高校生向けの就職セミナーの講師をやることになってたんだっけ。
ええんかいな、この頭で?

オシムの13人

2006-08-05 | サッカーよろずごと
http://number.goo.ne.jp/news/others/article/kfuln20060805002001.html
 なんとも、明確な意思が表れた代表発表。
 13人しかいない。 ここで20人とか選んでしまうと、今後落ちる選手が出てくる、という発言もあったようだけれど、それは言い換えるならば、ジェフ・ガンバのA3勢と、遠征中のアントラーズ及び海外組を除いた日本人選手の中で、オシムのめがねにかなう者が、現時点では13人、ということなのだろう。
 にしても、思い切った世代交代。全体的に、若い・よく走る・よく闘う選手が選ばれている。
 とりわけ我那覇が選ばれたことは素直に嬉しい。
 Jリーグ発足後、沖縄出身者のA代表は初なんではないか?
 また、田中達哉&佐藤寿人のちびすけコンビの選出も嬉しいぞ。
 MFでは小林、長谷部、田中隼麿、今野と比較的下馬評どおり。
 DF闘莉王も順当だけれど、期待していた松田や箕輪などのベテラン返り咲きがなかったのは残念。古い井戸の水にすら入れてもらえなかったのか?
 一方、ドイツ大会からの継続組は、川口・坪井・三都主・駒野。三都主については若干意外だけれど、ドイツ大会ではけっこう戦っていたし、川口ともども姿勢が評価されたということか? あるいは一種の追試か?
 今後、ここに加わる名前は誰だろう?
 巻・阿部・佐藤勇人のジェフ勢、遠藤・山口・家長のガンバ勢、アントラーズから小笠原・岩政、海外から松井、ってところだろうか? 気になるねぇ。宮本はどうなるのかな?とかね。
 また、これまで代表に軒並み名前を連ねてきたジュビロ勢がいない(川口を除く)。
 福西は古井戸じゃないのかな?
 前田と菊池はダメですか、オシムさん?

オリンピックだじょ~。

2006-07-25 | サッカーよろずごと
Jスポーツメディア的な修辞を踏襲するならば、「反町ヤングジャパン」だろうか?
北京を目指す五輪チームが発表された。

GK:松井謙弥(磐田)、西川周作(大分)、佐藤昭大(広島)
DF:廣井友信(駒澤大)、増嶋竜也(FC東京)、中村北斗、柳楽智和(共に福岡)、藤本康太(C大阪)、平岡康裕、青山直晃(共に清水)
MF:本田拓也(法政大)、増田誓志(鹿島)、谷口博之(川崎)、伊野波雅彦、梶山陽平(共にFC東京)、本田圭佑(名古屋)、枝村匠馬(清水)
FW:豊田陽平(名古屋)、カレン・ロバート(磐田)、苔口卓也(C大阪)、前田俊介(広島)、森島康仁(C大阪)

「A3」に参加するG大阪、ジェフ千葉からは招集されていないし(家長、水野、水本、青木あたりが候補か)、海外組(!)の平山、森本もいない。
大学生が2人入ったのはオドロキだが、それでもなんか、明確な意図を感じる人選だわ。
増嶋君はサブだろうな、こりゃ。CBは柳楽・青山、左平岡右中村で4バックではないか?
Mfはいい感じでないの?梶山と谷口、そして本田圭祐に期待だな。
Fwに最近伸び悩んでいる苔口と前シュンが入った!
多分、「走れる、闘える、諦めない」という基準で選んだFwだろう。
森嶋はギャンブルだが、平山のサブかな。
ほんとはFC東京の小澤に入って欲しいところだが…。

ん~、ともかく、面白くなりそうだ。
がんばれ~!

頭突きっ!

2006-07-11 | サッカーよろずごと

なにも、相手選手にヘディングしなくても…。
リベリーのシュートが外れ、自らのヘッドがブフォンにはじき出され、イライラが募っていたところに背後から浴びせ掛けられた悪魔のような言葉。

「●Ω△ξ×≫◆⊃×××!」

「mmm…(ぶちッ!)」

っていう展開だったんだろうな。何を言われたのかは知りませんが。
それにしてもいい頭突きだった。
振り向きざまに頭へ、ではなく、みぞおちあたりに頭頂部から踏み込んでの一撃だ。
もしマテラッツィが歩くのをやめるか、一歩下がっていればジダンの頭部は空を切り、「なにやっとんじゃこのはげ!」みたいな侮蔑の言葉がさらに加わり…両者退場となったはずなのだが、あえて胸でジダンの頭頂部をトラップしたマテラッツィの作戦勝ち。
これもカルチョである。

しかし、よりによってW杯決勝、自らの引退試合もあと10分?という時間帯で…。

ともかく、ジダンが暴発する姿はこれまでも何度も目にしてきた。
リーガでもあったし、W杯でも1998年の予選リーグで相手を踏みつけて一発退場。
1998年の優勝チームは、カラードが多かったのみならず、バスク系のデシャンがキャプテンを務めるなどエスニック国家フランスの面目躍如たる陣容で、「ジダンのワンマンチーム」とか言われつつも、試合をこなす度にどんどんチームとしてのまとまりを増していった。ま、ジャケ監督の周到な準備が実ったわけだけれども。
一方、ピッチ外では、それまでは仏国内では「ペンギン」とか言われて、労働者のスポーツと見られていたサッカーに対する注目度を一気に押し上げることに成功。
優勝したらまさにナショナルヒーロー。
代表チームは、当時のフランス国内のエスニック社会、多文化社会の体現者的な持ち上げられ方をしていたような印象がある。

そんな、アルジェリア移民の子、ジネディーヌ・ジダンに、マテラッツィが何を言ったのかはともかく、最近労働問題等で何かとエスニシティを刺激する出来事が多いフランス国内の子供たちへの影響力を考えると、あんまりいい出来事ではないよなぁ~。
また、フランスに限らず、世界中の子供達になんと答えるのかね?

実際、俺は夕べの再放送を見ていた娘に説明を求められ、回答に窮してしまったよ。



継ぐのは誰か?

2006-07-09 | サッカーよろずごと
しばらくブログを更新できなかった。
W杯で日本が負けちまったから?
…多分、それもあるなぁ。
…でも、なによりも、世界(というか欧州か)とアジアとの差に改めて驚嘆してしまうような試合を毎日のように見せ付けられ、何を書けばイイのやら?という状態が続いているんだな。

ところで。

中田英寿が引退した。

ブラジル戦後のぶっ倒れ方は半端ではなかったから、なにかあるとは思っていたが、こうきたか!という感じ。
選手としてはまだ早過ぎるようにも思うし、一ファンとしては、次回の南アフリカ大会まで頑張って欲しい、次こそ本当の意味での総決算にして欲しい、という思いはあるが、本人の中で何かが終わってしまったんだろうな。
とにかく、お疲れさまでした。
そして、この10年間、楽しませてくれてありがとう。

ここ最近のインタビューや、カズとの対談などを聞くと、実はとってもとっても人間くさい男なんだろうなぁ、彼は、と思える。
「仲間」の存在を希求しつつ、しかしかなわぬ状況が、自分に起因していることを十分自覚した上での発言。
やりたいことははっきりしている、でも、他者の理解を得ることができない。
なんか、音楽屋によくいそうなタイプ。
私などはかえって親近感が沸く。

さて。
中田英寿の何が凄かったのか。
選手としての凄みは言うに及ばず、その「凄み」の本質は、いわばポップスター然としたイメージにあったと思う。
プロとしての矜持故か、群れることをよしとせず、妥協を許さず、どのような局面でも強烈な自己主張を発しつづけるその姿勢。
それは結果的に彼のマスイメージを漫画的とも言えるほどわかりやすい?ものへと洗練させた。
つまり、「孤高の」HIDE。
でもなぁ。
彼が最初に出たテレビCMでは、サッカー部の後輩を引き連れ、部室で練習サボってカップラーメン食ってる役だったんだがなぁ(ちなみに熱血漢の先輩役が前園だった)。

変れば変わるもんだ。

とにかく、ユース時代から全ての世界大会に出場し、イタリア、イングランドでプレーし、様々な場面で日本のサッカー界を牽引してきた彼のキャリアは、ここ10年ほどの日本サッカー界の歴史でもある。
「ドーハの悲劇」以降、日韓W杯の開催を控えて、背水の陣でフランス大会への出場権をもぎとろうと躍起になっていた日本サッカー界に現われた「希望の星」。
それからまさに時代の象徴として走ってきたNAKATAが、自分自身に課された十字架を降ろしたのだ。

継ぐのは誰か?
誰なんだぁ~!!

終わっちまった悲しみに

2006-06-27 | サッカーよろずごと
小学校5年生の娘が「ブラジルの選手って、みんな水みたいだね」とつぶやいた。
寝ぼけ眼の娘が内に秘めた、眠れる文学的センスを目覚めさせるほど、圧倒的に美しい王国のサッカー。
対する日本代表も序盤はじっくり対応し、王国のお株を奪うような美しい先制点を挙げた、まではよかったが、その後は一気に押し込まれる展開。
ブラウン管越しにも気合が伝わってきたのは、中田英、川口、三都主、加地、玉田、巻だろうか。小笠原、稲本はチャレンジする回数が少なすぎた。中澤~坪井の急造ディフェンスラインはよく耐えていたけれど、人に付ききれず、終始ボールに振り回された。そして中村に至ってはほとんど印象がない。ほぼ90分間「消えていた」のではないか?
試合終盤になっても、イエローカードをもらうほどの激しさも見せず、ホイッスルとともに倒れこむ選手もほとんどいない日本代表。
テレビ画面に映る青いユニフォームを着た男達の半数近くが、完全燃焼どころか試合途中で紙くずみたいに燃え尽きていた。
これが日本版「黄金世代」の集大成?
彼らはチームとして闘うことすら出来なかった。

私は草サッカーとフットサルを少しかじった程度しか経験はなく、スポーツとしての本職は剣道だ。
だから、いつも格闘技的な視点でサッカーを見ている。
剣道や柔道のみならず、いつでもサドンデスのような状況で試合が進行する格闘技に比して、90分あるサッカーは挽回のチャンスがある、という意味で余裕がある。
また、団体競技であるため、1対1の局面を回避すべく、周囲にパスを回すことでポゼッション自体は保持できる。
しかし、チャレンジするパスとは違い、ポゼッションのためのパス、という行為はには甘さを感じる。
1対1で勝てなくては、前に進むことすら出来やしないのに。

真逆の方向から2つの物体をぶつければ、重いものが勝つ。
ならば衝突の方向を変えることで相手の力を利用することが出来る。
それは例えば柔道であり、合気道の考え方だ。
元来、日本には独自の武術があり、その考え方をトレーニングに取り入れていくことは自然なことではないだろうか。
桐朋高校バスケット部における古武術の導入然り、陸上の末次が見せるなんば走り然り。
体幹部をねじり、反動を使っての走り、キックに固執する限り、いわゆる「体格差」は埋まらない。
なぜ、あれほど中田が走れるのか、怪我をしないのか。そしていつでも平均的に活躍できるのは何故か。
特にペルージャ~ローマの頃、あるいはボローニャの頃、相手を引きずりながらドリブルできた理由は何か?
それは腰の重心が上下動せず、体幹部が走ろうとする方向にしっかり正対しているからに他ならない。
あるいはメキシコのような比較的小兵ではあるが闘えるチームを見ても、同様の印象を受ける。
(小野のキックや体裁きなどはパッサーとしては理想的に見えるが、ボールを持ってルックアップした瞬間、若干腰高になりがちなことが怪我が多い理由かもしれない。一方、このような視点から見れば、セットプレー以外の中村俊輔は論外である。)

また、例えば1998フランス大会当時、中田の空間把握能力について「ピッチを上から見ているような」とか「3次元的」とか言われた。
それは、例えば日本の武道であれば「紅葉の目付け」とか「遠山の目付け」と言われるもので、江戸時代当時からあった概念だ。
紅葉を見るとき、葉っぱの一枚一枚を見ても感動は少ない。
木全体、森全体を見ることで感動できるのが「紅葉」である、従って、「遠くの山を見るように」相手を見るべきだ、とするものだ。
そのような感覚を保持しつつ、パスをまわすのであれば、ジーコ言うところの「メンタルをいじるようなパス」、つまり、相手を真綿で締め上げるようなパスワークも可能であろう。

そして、そのような身体の使い方と「紅葉の目付け」的な視野の広さは、「位取り」が出来て初めて生きる。

「位取り」とは、基本的には打突等の技を出す前のポジショニングのこと。
それが外形にどう表れるかは、各々の武道、流派によって違いがあるが、「気」の攻めと一体であることはすべてにおいて共通する。
サッカーに置き換えれば、攻めようとする行為が体もしくはチームとしての動きとして外見上現れる前に、お互いに絶えず争っているような、いわば心理戦も含まれるだろう。
過去の実績、選手個々人の能力から、試合をする前からびびってしまって試合にならない、という状況は、ここ最近の日本代表の試合ではほとんど見られなくなったが、問題は試合開始後である。
立ち会った刹那から注意深く相手の打ち気(攻め)を殺ぎ、相手の技を出させず、なおかつ自分の優位を保つポジショニングに腐心する。
ここでポジショニングに基づく精神的な余裕を持てれば(即ち「位取り」で勝てれば)、思うままに自分の技を出すことが出来る。
言い換えればイニシアチブの奪い合い。
相手がイニシアチブを持っている状況下でまわすパスなど、相手には何の怖さもない。

サッカーはその国の文化を表す、と言われる。
ならば、日本サッカー協会、Jリーグ含め全てのサッカー関係者は、貪欲に日本の武道をはじめ、他のスポーツから良い見本を吸収し、「日本のサッカー」のイメージを作り上げるべき。
「温故知新」、それが日本的なサッカー文化を育む道だ。

試合終了後、サポーターに挨拶に向かう選手達の背後で、1人センターサークルに寝転び、何事かをつぶやきつづけていた中田英寿。
そんなスタンドプレーまがいの行為を許してしまう(許さざるを得ない?)こと自体が、日本代表の「幼さ」。
1人寝そべる中田も、動けなくなるまで闘えなかった(闘わなかった?)ピッチ上の選手も、サブのメンバーも、さらには協会も含め、チームとして「幼い」のだ。
なにが"SAMURAI BLUE"だ!
そんなんで日本の子供達に感動を与えられるか?
それが代表選手のロール・モデルたりえるのか?
「先に行ってくれ」って言われたから放って置くだけでいいのか、それがキャプテンシーか、宮本よ?
駒野よ、茂庭よ、土居よ、楢崎よ、遠藤よ、そして小野よ!
中田を担いででもサポーターの前に連れて行こうとは思わなかったのか?
そんなんだからブラッターには「後退した」と言われ、一足先に髪の毛を後退させたジーコにまで「プロフェッショナル意識の欠如」なんて言われちまうんだ。
1998フランス大会ジャマイカ戦での中田~小野の流れるようなパスワークに日本の未来を見た!と感じたのは私だけではないはず。
これでお前ら終わりかい?真っ白になったのか?
カズ、ラモス、ゴン等の「ドーハ組」を長兄、秋田、名波、山口らの「フランス組」を次男とするなら、中田・小野は早熟な三男坊か。
一見「熱さ」とは無縁に思える中田の心中で、誰よりも青く燃え盛っていた、長兄から脈々と受け継がれた「誇り」。
試合終了後、いまだぎらついていた巻の目に、その残滓を見た思いがする。
駒野はどうだ?茂庭は?松井は?長谷部は?今野は?阿部は?大久保は?田中達也は?菊池直哉は?

熱いヤツらはまだまだいる。
2010年はもう始まっているんだ。


う~

2006-06-24 | サッカーよろずごと
ピッチに寝転び、動かぬ中田英寿。
あの姿の意味するところ、すなわち日本代表の現在地に他ならぬ…ところなんだが。
何をかいわんや、と思うものの、あまりにたくさんのベクトルが同居した試合だったのでまとまらない。

う~ん、まだ書けない。
まとまったら書きます。

しかし、サウジも、韓国も終わってしまった。
アジア勢全滅。
試合前のアル・ジャバーの表情なんて最高だったんだけどな。
彼も引退だそうだ。

何かが終わったんだな。