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Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

オシム監督の回復を祈りつつ

2007-11-19 | サッカーよろずごと

オシム監督が脳梗塞のため緊急入院した。

ネット上に流れた情報によれば、深夜のため日本サッカー協会関係者と連絡が取れず、119番通報もわからず、なんとグルノーブルの祖母井氏と連絡を取って119番通報したらしい。
病院到着まで、発症から1時間半。
病院到着時まで、オシム氏は意識があり、通訳を介して英語でやり取りをしていたそうだ。
でも居間は集中治療室。
意図的に?意識をなくさせた状態での治療が続いているという。

とにかく、回復を祈るしかない。
代表監督なんて辞めてもらって結構だ。
とにかく元気に退院できることを願う。

と言っておきながら何だけど、目前に迫ってきたW杯予選はどうなるのか?
「オシムを総監督として、現スタッフ陣は継続、方向性を踏襲できる臨時代行監督を置く」という中間路線が現実的?
小野剛氏を筆頭とする技術委員会に今後の方向性を委ねた、という報道がその根拠だけど、否、本来、代表チームというのはそうあるべきなのだ。
無論、スタッフやマスコミの発言力が強すぎて、監督がその個性を発揮できない、なんていう事態に陥ってしまっては困るのだが、監督が替わるたびに暖簾を架け替え、フランス料理店がすし屋になるような展開であってもまた困るのだ。
これまで、オフト~ファルカン~加茂~岡田~トルシエ~ジーコと監督が替わってきたが、前任者の蓄積を元手にさらに伸ばす、という発想を誰がとっていたか?
「継続的な強化」というものを考えた場合、特に、トルシエ~ジーコの8年間の断裂は大きい。

言い換えるならば、代表とは、「米料理専門店」とか「日本酒専門店」であって、新メニューとしてパエリア始めました、とか、日本酒アイス新開発!とかであるべき。
国の代表チームってのは、そういった包括的な方向性こそが暖簾となるべきであり、オシムが主唱する「日本化」の中核にはそういう考え方があると思う。
いやもう、面倒だからそういうことにしよう。
そして、板長オシム氏急病のため、流しの板さんでもなんでも引っ張り込んで、この店の味を落とさぬよう、暖簾に傷がつかぬよう、日本サッカー界挙げて議論しながら戦わねば。

で?
いつぞやのWBCだったかの時の「チーム長島」みたいなもんだ。
中畑は誰だ?
反町で行く?それとも大熊さん?
いやいや、岡田さんですか?
臨時板長候補はこの御三方だろうね、現実的なところでは。


さて。
そのオシムの愛弟子、水本がキャプテンマークを巻いた五輪予選。
ベトナムを軽く見るわけではないが、日本の選手たちは「プロ」なんである。
半分アマチュアのベトナムにあっぷあっぷでは困るのだ。
先日のACLでは浦和が優勝。川崎もベスト4。Jリーグは「プロ」として、アジアでは韓国と並んでトップレベルであることを証明している。君達はその中の選手なんだから。
「おとなしい」とか「ぴちぴち感がない」とか、オブラートに包んだ言い方は無意味。
「お前ら、まだ片目も開かねぇのか?」と言うべき(古いかな?)。
「うまいだけじゃ勝てないんだぜ~!」ってのがスポーツ。
日本の五輪代表選手に対して求められるべきは、結果だし、点差なんだけれど、それ以上に試合のイニシアチヴを奪い合い、最後は強奪するだけの精神力。

ベトナム戦のポイントは、水野・柏木との連携を含めた本田圭佑のプレー位置、そして水野~内田、本田~岡崎という、縦の連携によるサイドの崩し。
前半を見る限り、この2点については及第点だったし、特に2点目や、3点目の布石となった岡崎の突破を生んだバイタルエリアでのパス交換などは「エレガントなプレー」だった。スピーディーな展開を予想し、李&岡崎の2トップから逆算した攻撃の組み立てが見事にはまったと言えるし、スィーパーを置かず、中盤の枚数を増やしていたことも含め、攻撃への意思統一が図られていたことも大量得点の遠因。
正直、この前半ほどスピード&ラッシュと繊細なパス交換がはまったサッカーを見たのは、数多くの代表戦の中でも久しぶりかもしれない。
この展開では平山の出番はなかったね、残念ですが。

そんな中、PK以外の3点が、全て左サイドから始まっていたことは、実は注目に値するマイナスポイントだと思う。
それはFw陣とパスの出し手との相性かもしれないし、李&岡崎という組み合わせの妙かもしれないし。
また、前半開始早々から本田の動きは切れていたし、意外にも左サイドに置かれた伊野波の動きも悪くはなく、本田の裏のスペースを埋め、柏木・水野へとパスを散らすリンクマンとして影のように付き従っていたので、左だけを見れば伊野波⇒本田+柏木⇒岡崎というラインが出来ていた。
しかし、右サイドの内田はトラップミスやパスミスを連発し、水野との連携もいまひとつ精度を欠いた結果、水野は孤立し、プレーは散発的で、むしろ二の矢的なフォローに終始。
これが結果的に左偏重の攻撃を生んだのみならず、サイド攻撃を多用しつつも直線的な、平坦な攻撃リズムに陥りがちな主要因。
従って後半、本田が若干位置を下げ気味にすると、全体が下がってしまったのだ。
後半開始~15分くらいまでこの状態が続く。

前半を見て、内田のミスの多さはピッチコンディションに起因しているのかと考えた。
青山直&敏も滑っていたし。
しかし、内田はサイドが変わってもあいかわらずミスのオンパレード。
サイドチェンジもままならない。
本田は自らイニシアチヴをとって試合を落ち着けようとしたのかもしれない。
ならば自発的な岡崎とのポジションチェンジも含めてもう一つ工夫が欲しいし、そうすれば15分間にも渡って松木の「危ない!」という素っ頓狂な声を聞かずに済んだのだ。
一方、ベトナムから見れば、本田こそ日本の起点であり、本田のパスの受け手3人程度を限定的にマンマークすれば日本の攻撃は止められると考えたのだろう。
そして、それは見事に成功したと言える。
後半の立ち上がり、真っ先に交替になるのは内田、交代要員は細貝だろうと予想していたが、後半25分まで交替はなく、チェンジしたのは伊野波⇒梅崎と青山敏⇒細貝。ほぼワンボランチで走りまくった青山敏だったが、さすがに終盤は運動量が落ちていた。
しかし内田は90分間走り続け、本田は左サイドをじりじり後退しながらパスを供給し続け、水本は鼻を折り、岡崎は決定的なシュートを二度はずし、梅崎を加えて面子オーバー寸前のトップ下は異常なボール支配力と走力を発揮しつつも得点を奪えず、追加点はなんと細貝の頭!気付けば純粋にディフェンダーと呼べるのは水本と青山直の2バック!オシムじゃないんだから。
最後は岡崎に替わって出場の興梠が走りまくってPKをゲットするも、本田が失敗して試合終了。

やる気は見えたね。
根性も見せた。
なにより柏木~梅崎の走りまくるトップ下は魅力だ。

次回サウジ戦は、あろうことか出場枠1を争う直接対決となった。
でも、構図としては簡単になったからいいんじゃない?
追加召集はデカモリシ。
つまり、点とって勝つ!ってこと。
次節も本田と内田に注目だ。

顔役が必要だ!

2007-10-18 | サッカーよろずごと
カタールに負けてしまったU22代表。
柏木曰く、「みんなの足が止まりだしていた時に、相手にやられだした。ちょっと自分自身も怖い部分があって、そんな時にやられてしまった。自分がもっと声を出してチームを盛り上げていれば、こんな結果にはならなかったと思う。」
じゃ、声出してくれよ。君にとってもチャンスなんだから!
図らずもリーダー不在といわれて久しいこのチームの弱点が露呈してしまった昨夜の後半戦だった。
やっぱ、顔だよ、顔。
チームの顔役。
試合後の反町監督曰く、「アテネの時も一敗してるし」。
そりゃ甘いんじゃないの?
あの時はチームの屋台骨を背負ったリーダーがいたし、得点源としての核弾頭みたいな選手がいた。今選ばれている選手たちが意識を変えるか、新しいのを入れるか。
アテネのチームは「谷間の世代」と揶揄され続けてきたが、その中でも気を吐き、予選で一敗しても、チームを引き締めていった「顔役」選手たちがいた。
彼らはその後山あり谷ありながらも成長し、今ではすっかりA代表の主役。
闘莉王、阿部、今野、そして鈴木。
守備系の選手ばかりだが、彼らがしっかり戦ったからこそ、アテネには行けたのだ。
特に鈴木なんて、キャプテンとして、スポークスマンとして前面に立ち続け、本戦エントリーからはずされ、そこから這い上がってのA代表。
自意識過剰?との声もあったほどの髪型ともあいまって、あれほど「顔役」を意識し続けた選手もいない。
そして核弾頭的な選手といえば大久保嘉人。
昨夜のエジプト戦では、祝!代表初ゴール!ついでに第2号!
そのあとはハットトリックを意識したのか、3,4本はずしていたけれど、ジーコに初招集されてから早4年、スペインで不遇の時を囲ったり、セレッソが二部落ちしたり、いろいろあったけれど、そんな苦労と日々の努力が結実したかのような昨夜の1点目。
泥池の中で絡まった根からきゅるきゅるっと茎が伸び、ぱっと咲いた蓮の花のようなこの爽快感!
久保の代表初ゴール以来だね、こんな気分は。
思えば俺の大好きな久保竜彦が代表初ゴールを決めたのは、トルシエに初召集されてからなんと5年後のこと。そう言えば彼の初召集は1998.10.28 Wednesday国際親善試合 日本対エジプト 、場所も同じ長居だった。
そして初ゴールは2003.12.04 Thursday東アジア選手権 日本対中国 (国立)。
この試合で2得点した久保のパートナーは、奇しくも大久保だったりする。
大久保は2003年5月31日の韓国戦で初召集され、以降20代表試合無得点とかいう不名誉な記録を残し、代表から遠ざかっていた。
その大久保が昨夜は2得点。
こじつけだけど、俺にとっては大きな因縁。
今後、大久保が腰痛にならないことを祈る。

だいたい、俺はこういう苦労しちゃった選手が好きなんだ。
天才肌でも雑草系でも、チームあってなんぼなのが団体競技。そこでもまれて浮いて沈んでときどき腐ったりしながら、それでも前を向く、ゴールに向かう、まず闘う。
そんな選手が好きなんだ。
同じくアテネ世代にして、大久保同様に昨夜代表初ゴールをゲットした前田。
アテネ予選当時は山本監督にそのユーティリティ性を買われて?ボランチまでこなしていたけれど、昨夜はしっかりFwでアピール。
もともと器用な選手なのだ。ただ、それが災いして、いまいち決め手に欠ける嫌いがあった。
しかし、昨夜は貪欲だった。まず、ハーフラインあたりから独走してGKと1対1となり、GK股抜きを試みて失敗。しかし、次のチャンスではしっかりGKの股を抜いて得点!
狙ってたんだよ、彼は。しっかりGKのクセを見ながら、枠を抜けていく己のシュートをきちんとイメージしながら闘っていた。
1回でだめならもう一度、さらにもう一度。チャレンジし続けることが大切だ。
そうやって、点が取れなきゃ勝てません。
昨夜のU22カタール戦、Fwが得点できないならばMFで。
本田圭佑にせよ水野にせよ、家長も柏木も、打てるところはもっと打たなきゃ。枠に飛ばないのは枠を意識していないからじゃないのか?と無粋なツッコミを入れたくなるけれど、もっと前へ!という意識が欲しいよなぁ。
エジプト戦での大久保・前田。
今回呼ばれていないけれど田中達也、松井大輔、そして高原直泰。
皆ゴールと自分との最短距離をイメージしながら走ってる。
やはり、点とってなんぼ。それに尽きる。

次のベトナム戦こそ正念場だ。
相手ホームだろうがなんだろうが、ここを草刈場にしなかったら得失点差は跳ね返せない。
チームの顔役がいないならば、全員が顔になってしまえばいい。
まず、全員坊主頭になることだな。


「日本人に騙(だま)されるな」

2007-09-27 | サッカーよろずごと
サッカー女子日本代表が、ドイツとの試合終了後、「ARIGATO 謝謝 CHINA」と書かれた横断幕を掲げてスタンドに頭を下げ、ホスト国に感謝の意を示したことが、彼の地で波紋を呼んでいるそうだ。

北京オリンピックに向けて、マナー向上を訴える中国政府。
しかし、こと日本が相手となると・・・。

昨夜のACL、浦和対全北でのラフプレーや観客のブーイングも凄いものがあったけれど、それはあくまでホームとアウェイ。
闘莉王の唇に穴が開いたり、しまいにはレフェリーに中指立てて食って掛かる全北選手がいたり、客席からペットボトルの集中豪雨が降ったり。
許される行為ではないが、自分たちが負けそうなんだ、オラがチームが負けそうなんだ、なんとかせにゃ!と思うのは当たり前のこと。でも負けちゃったんですが。

一方、彼の地の「愛国分子」は全く違う。
とにかくなんでもいいから日本人を侮辱し、排斥し、攻撃することにアイデンティティがある。日本対中国の試合でなくてもいい。いやむしろ日本対何処かの方がいいようなのだ。

前回のアジアカップなんてひどいもんだったしなぁ。
その結果、自分たちが国外からどう見られるか、客観的に見て、それが何を生み出す行為なのか、なんてことは度外視。
とにかく日本人に「小日本人!」とののしりさえすれば、自分たちは正しい。

この横断幕に関しても「同情を引くため」とか、「あらかじめ用意していたところに作為を感じる」とか、いろいろ言っているんだとか。
「右の頬を打たれたら」的な、予期せぬ反応に過剰反応しているようにも思えるけれど、「作為を感じる」って、否、「作為」なんだよ、この行為は。
何のため?
それくらい理解して欲しいよ、もういい加減で。

両国の歴史を考えれば、致し方ないのかもしれないが、「愛国分子」の映像を見るたび、まぁそんなもんだろう、と、驚きもしない自分にむしろ驚く。
しかしながら、もし、私の意識が平均的日本人のそれであるならば、彼の地の「愛国分子」との間にはそれくらい意識の隔たりがある、ということにならないか?
それは別に、どちらが正しいとか、上だとか言う話じゃない。
互いが、そういう地平に立っているという事実に過ぎない。

女子代表チームが身体を張って実演した「作為」は、その隔たりを埋めようとするもの。膝を交えて離せる距離に近づこうとする行為だ。
しかしそれは日本人的な理屈に過ぎないのかもしれない。
「矛を収める」という言い方がある。
剣道が目指す究極の状態。平和のために、何が出来るか?そのためにはまず剣を鞘におさめるべき。
極めて日本的な発想かもしれないが。

ならば、「愛国分子」的発想は?
自分たちが優位に立つため、日本人を、さらには世界を「騙す」ことはできないのか?
直球勝負の茶々入れる前に、スタジアムの観客動員して、世界にアピールできる「作為」を考えた方がいいんじゃないだろうか?




フェアプレー、中国に波紋 日本代表「感謝」の横断幕(産経新聞) - goo ニュース

女子W杯初戦なでしこvsイングランド、男子A代表vsスイス、そして五輪代表カタール戦。

2007-09-13 | サッカーよろずごと
 女子W杯初戦なでしこvsイングランド、男子A代表vsスイス、そして五輪代表カタール戦。
 この3つの試合に共通することは、とにかく流れの中でのシュートが入らない!ということか。
 得点は、なでしこ2、A代表4(!)、五輪代表1。
 A代表のロスタイムでの逆転弾を除き、全てセットプレーからのもの。
 これがサッカーの「日本化」であっては困るけれど、見方を変えれば、この事実こそが日本サッカーのレベルに対する、至極まっとうな評価のようにも思える。
 アジアのサッカーとヨーロッパのサッカーの違い、あるいは南米、アフリカとの違いなど、日本なんてまだまだ二流、三流の国だから、どことやっても自分たちのサッカーを貫けるわけではない。そういった意味で、日本サッカー協会が掲げてきた、一種の「脱亜志向」は、結果的にアジアでは苦戦、ヨーロッパ・南米相手には善戦、アフリカ相手は時の運、というレベルの、妙に中途半端な状態を生み出しているようにも感じるが、それはあえて王道を進もうとするが故にぶち当たった壁かもしれない。

なでしこ対イングランドは、開始早々なでしこが押し気味に進めたものの、徐々に主導権を奪われ、一進一退の攻防となったが、とにかくシュートが枠を捉えることができない。
 後半、目の覚めるような直接フリーキックで先制したものの、その後イングランドにいいように攻め立てられ、あっさり力負けしたように逆転。
 ところが終盤粘りを見せ、ロスタイムにまるでドラマのような直接フリーキックで同点にしてドロー。
 フィニッシュに持ち込む過程、中盤での守備など、課題は散見するが、とにかく追いつく、試合を「捨てない」というメンタリティが呼び込んだドローだった、という点で評価に値すると思う。実際、日本が主導権を握った時間帯のパスとドリブルを絡めた攻撃は、横のスペースをワイドに使って、後ろから追い越す動きも豊富に見られ、非常によかった。

 A代表のスイス戦は、前回W杯ベスト8という相手の実績に臆したのかなんなのか、セットプレー、そしてなんとハンドによるPKにより前半で2失点。
 ところが後半、松井の突破からPK、セットプレーから巻が利き足の頭で決めて同点、さらにコーナーキックからPKを得て逆転!
 と思ったら、コーナーキックからまたもやぶち込まれて同点。
 なんだよ~!と思っていたら、ロスタイムに山岸~中村憲とつないでシュート、こぼれ玉に矢野が突っ込んで再逆転!
 相手はヨーロッパ選手権を控えて選手のテスト的な意味合いが強かった(5人交替させている)ため、後半は動きが悪く、勝ったとはいえ手放しで喜べるものではない。
 個人的には、何故山岸なのか、何故大久保や前田を連れて行かなかったのか、なぜ中田浩二を呼ばなかったのか、など疑問は多々ある。
 
しかし。
 なんだかんだと叩かれ続けてきたオシムのチームが、後半見違えるような連携と精神力を見せて追いつき、追いつかれ、さらに逆転した。そして、交替選手がそれなりの結果を出した(巻⇒矢野、中村俊⇒中村憲、松井⇒山岸)、というオシムの采配。
 これは評価すべき点だと思う。

 そして昨夜の五輪代表。
森島の1トップ、家長と水野、柏木が並ぶ中盤、梶山と本田拓のダブルボランチに、伊野波、水本、青山直、内田の4バック。
 森島・柏木・内田のU20トリオが新鮮だ。もはや平山と心中すべきではなく、精神力と体調を考慮した人選とすべき。そういう意味で、U20チームの連中は「旬」だ。他にも、梅崎や槇野あたり置いておきたいけれど、五輪はベンチ入り枠が18人までだからなぁ。
また、できれば伊野波より安田を使って欲しかったが、内田とのバランスを考慮しての布陣だろうか?
試合の方はいつになく日本が能動的に試合を進め、前半早々に水野のフリーキックを梶山が頭で合わせて先制。
しかし、この後何故か日本がペースダウンし、追加点が奪えない。
ペナルティ付近までは行くのだが、そこから先がつながらない。
ときおり森島がミドルを打つ程度。
というのも、森島が楔になった場合、落としたボールを拾いに行く選手がいなかったり、森島がサイドに流れて展開しようとした場合、森島からのパスを受けようとする選手がそのサイドにかたまりがちで、中央に切れ込んでパスコースを空けるような、「第三の動き」を意識した(やろうとした)選手がいないため。
相手がべったり引いているから走ること自体も難しいのかもしれないが、相変らず外でパスをまわしているだけでは、相手選手を引き出すことにはならない。やはり人が突っ込んでいかないと、スペースは開かないのだ。
ボールを見せて相手をつり出した場合、どうやっても自陣近くで1対1の局面になるが、そこでパスミスをすればすかさずカウンターの脅威にさらされる。
むしろ、相手陣内に切れ込んでいくフリーランニングを絡めれば、それは相手をつり出すのではなく、相手をどちらかのサイドに寄せることとなるため、そこでボールをロスしても守備に戻る時間を稼ぐことが出来る。
本来、柏木と家長がその任に当たるべきだったと思うが、実はベトナム戦の後、柏木の動きについて「動きすぎ、裏を狙いすぎ」と反町が苦言を呈していたことを考慮すれば、2列目の選手の動き方については相当の制約があったと思われる。これぞ監督の戦略ミスだ。
つまり、どこで攻撃にスイッチが入るのか、意思統一できていないのだ。
この傾向は特に後半、逆サイドの水野が左に流れてくることが増えるとさらに顕著となっていき、逆にパスミスからカウンターを食らって再三ゴールを脅かされる遠因ともなっていた。
そして、梶山が怪我で交替し(⇒青山敏)、本田が退場となってからは、さらに攻撃力が落ちていき、おそらく逃げ切りを図った反町は、水野に替えて近藤を投入。
でも、これってどうなんだ?
梶山に求められていたのは攻守とも半々、むしろ守備偏重。ならば、伊野波をボランチに上げて(もしくは3バックに移行)、安田を入れることでむしろ攻撃の基点をずらすことも出来たのではないか?そして、水野から替えるならば、近藤ではなく、岡崎だったのでは?
近藤を入れることで、守備の安定化を図ったにせよ(相手の8番だったかにマンツーマンでつくことになる)、それは受身だ。この試合、特に守備面で目立っていたのはむしろ家長、梶山、森島であり、それはすなわち前目からプレスをかけていたことを証明しているのであって、受身になれば必然的に相手は上がってくる。わざわざパワープレイをさせる必要はない(パワープレイ以降は水本、青山、山本が大活躍だったが、そりゃ当たり前だ!)。
また、家長に特化して言えば、彼にはサイドをえぐるのみならず、中央に切れ込んでフィニッシュまでいくパフォーマンスを見せて欲しい。それだけの能力はあるはずだ。特に水野が交代して以降、彼の前には広大なスペースが生まれたにもかかわらず、サイドの上下のみに固執し、試合自体非常につまらなくなった。
今回の予選は2試合連続で相手の退場により終盤はパワープレイ、でも点が取れない、という展開が続いたから、今回は逆をやってみようとしたのかもしれない。
確かに時間を殺すプレイは重要。しかし、このチームはまず進化する必要があるのだから、同じ「kill the game」のプレイであっても、もう少し違うやり方があってもいい。
また一方で、家長と水野の共存、あるいは柏木を加えたトリオの難しさも垣間見えた気がする。
彼らの持ち味を発揮させるためには、もう1人、後ろから彼らを操る選手が必要。梶山がその役を担っていた前半は、ある程度機能していた。
梶山が故障した場合どうするのか?また、次戦ではおそらく復帰してくる本田圭佑がその役を担いつつ、サイドバックもこなすのか?
加えて、次戦欠場となる本田拓の不安定さもマイナス要素だ。
伊野波をボランチに据え、水本+青山直のCB、サイドに内田、安田が基本陣形ではないのか?そして、その前に梶山をセンターに、左から家長・本田圭佑・水野と並べて1トップの森島、という布陣でスタートすれば、もっと強引な展開力が望めるのではないか?

邪推だが、やっとオリンピックを目指すチームを作る準備が出来た、のではないか?ずいぶんと協会からプレッシャーをかけられているようだが、反町監督もいい意味で開き直って、自分の戦術優先ではなく、気合を全身から発散できる選手を選び、戦って欲しい。
 この年代がアジアでもたついているようでは、2010年の先まで見据えているオシムの「日本化」など、夢のまた夢だ。

松井が代表復帰

2007-08-31 | サッカーよろずごと
これを待ってたんだよ!
オシムが(というより日本サッカー協会が)ル・マン松井を召集した。
オシムは、やっと本腰入れて勝つためのチームを作り始めるんじゃないのかな。
彼は全盛期の中田英以降、日本代表に消えて久しいドリブラー・アタッカー・フィニッシャーであり、なにより魔法使い。一種の異能の人だ。
こういう選手をうまくはめ込めてこそチームは機能するってもんだ。
やっと飛び道具を入れるだけの土壌が整った、ということか?
すると、今回は3トップを試していくのかな?

GK
川口能活(磐田)
楢崎正剛(名古屋)
川島永嗣(川崎)

DF
中澤佑二(横浜FM)
坪井慶介(浦和)
加地亮(G大阪)
田中マルクス闘莉王(浦和)
駒野友一(広島)

MF
中村俊輔(セルティック/スコットランド)
松井大輔(ルマン/フランス)
稲本潤一(フランクフルト/ドイツ)
遠藤保仁(G大阪)
橋本英郎(G大阪)
中村憲剛(川崎)
鈴木啓太(浦和)
阿部勇樹(浦和)
今野泰幸(FC東京)
山岸智(千葉)
羽生直剛(千葉)

例によってFwは後ほど、だそうな。
大久保呼んでくれよ~!!
そこで勝手にスタメン予想。
前から、

松井・○○・大久保
遠藤・稲本・中村俊輔
駒野・中澤・闘莉王・加治

なんてのはどうだ?
お願いだから大久保呼んでくれよ~!!!
この構成の場合、俊輔が中に入って遠藤・稲本のドイスボランチなのか、それも縦なのか横なのか、また、稲本が下がって1ボランチで、遠藤・俊輔とコンパクトなトライアングルを作って前線を押し上げるのか、そういったいくつかのオプションがあるだろう。
中盤をコンパクトに保てれば、とりあえず前の両サイドは走り屋だし、ダイナミックな展開が望める。松井をトップ下にして、俊輔と並べるのもアリかな。
また、U20から安田を大抜擢してほしい!そこにひさしぶりの市川を加えた両翼が見たい。
フロンターレの森っていう線もありかな?
駒野&加治の尻に火をつけてあげないと。
サイドバックの発掘は急務だと思うんだが。

さて。
真ん中の○○は誰がいい?
ところで、トップで身体張れるFwって、日本にいるのか?
高原の怪我もあるから、巻?
いい線いってると思うが、国際舞台ではどうか?
矢野はまだまだ、平山はやっと得点したけれど修行が足りないなぁ。

すると、やはり気になるのはラス・パルマスに移籍した福田だ。
トゥルシエの時に呼ばれて以来召集歴はないが、リーグレベルとしてはスコットランド一部以上と評価されるスペイン二部で10得点は伊達じゃないと思うんだけど。
先日出たばかりのNumber誌最新号にも出ていたが、昨年所属していたヌマンシアでは、韓国のイ・チョンスがチームになじめず、不発だったこともあり、シーズン当初はとんでもないアジア人差別にあっていたらしい。その状況を自ら打開し、終盤ではチームの主役となり、最終節では足の剥離骨折をおして痛み止めを打っての出場。今季は一部昇格の切り札として請われての移籍。
凄い男だ。廣山らが語った彼の生い立ちの話なんて、涙なしには読めなかったもんな(2年位前のNumberに載ってた)。
今回は松井・福田・大久保の3トップでどうだろう?オシムさん??
ガチンコ勝負向きだと思うんだよね。
まさか、一部の選手じゃないと使わないのか?
あるいは若い選手じゃないと使わないのか?
やっぱ、Fwは身体張れてなんぼでしょ?
絶対闘う男なんだから!

もっとも、この3トップで戦った場合、両チームとも、あっという間にカードの山が出来るかもしれないけれど、それはそれで世界を驚かせる日本代表が作れそうだ。
少なくともアジアでは驚かれるぞ!

あれ?そう言えば、中田浩二は呼んでおかなくていいのか?
アジアカップからカメルーン戦の流れを見ると、ある程度ディフェンスにめどがついたような感じもするが、闘莉王と中澤のいずれかが欠ければ、精神的に一気に弱体化する。
これまで、坪井や阿部が彼ら二人を凌駕するほどのリーダーシップを発揮したことはなく、失礼ながら、今後よほど劇的な国際大会でも経験しない限り、そうなるとも思えない。
だからこそ、必要な選手だと思うんだが。
笑いがとれてディフェンスも出来る、貴重な人材なんだけどねぇ。

なんにしても、松井が日の丸つけてドリブルする姿を久しぶりに見れるのだ。
こんなにうれしいことはないよ。

U22最終予選スタート

2007-08-23 | サッカーよろずごと
昨夜はA代表⇒U22⇒U17と、日本代表戦の中継を3連荘で見るつもりだったが・・・U22のベトナム戦終了後、「U17がナイジェリアに3対0で敗れました!」な~んて、間抜けな声で速報が入ってしまったため、一気に気が抜けてしまい、我々の寝室で寝ていた下の娘の様子を見に行ったら、そのまんま朝まで寝てしまった。
U17の選手たちには申し訳ないんだけど。

新聞報道やネットでの記事を見ると、完膚なきまでに叩きのめされちゃったみたいで、ここから開き直ってフランスと最低限引き分けるのは大変そうだなぁ。GKの彼なんて「もうナイジェリアなんて見たくもない」とか言ってたようだし。
なんか、気持ちはわかるな。
でも、この試合で、世界のトップレベルと自分たちとの距離感を測れたのかどうか?
90分やったんだから、なにか掴んだんだろう?
これはこの年代においては大きな財産だよな。

さてU22だ。
思うに、このチームには王様候補が2人いる。
それは本田圭佑と梶山だ。
2人ともスピードはないが懐の深いドリブルと破壊力のあるキックを持っている。
本田は少々プレイに波がある反面、負けん気の強いわがまま放題なプレイが魅力。
梶山は控えめだが安定した運動量と戦術眼を持つ。いわばリンクマンだ。
だから、梶山と本田が基点となり、家長・水野というドリブラーを絡めて攻撃を組み立てることができれば、それはこのチームのストロングポイントとなるだろうに、と、常々思っている。
俺が思うこのチームのスタメンは、こんな感じ。

1列目:平山
2列目:家長・本田(圭)・梶山・水野
3列目:本田(拓)
4列目:安田・青山・水本・細貝

若干守備に不安がある?
い~んです。攻撃は最大の防御。W本田と梶山が中盤で三角形の障壁となってくれれば4列目との連携により守備は崩れない。

さて。

スタメンに家長の名前がない。かわって柏木だ。
安田もいない。平山と李の2トップ。

平山がいつになくシュート打ちまくり、はずしまくり。姿勢は見せた。心意気やよし!でも、きれてないねぇ。次戦は試合前に頭を剃りあげてください。
多分、平山1トップに左に李・右に水野の3トップ布陣、という意図だったんだろうけれど、李が消えすぎ。あれじゃあ本田がかわいそうだ。本来は平山とコンビだろう?
本田は前半攻め急ぎ、後半家長が出てくるまで何していいのかわからず、みたいな状態。たまにボール持ってもフォローがないためか少しドリブルして後ろへ戻す動きばかり目に付いた。体調悪かったのかな?
とはいえ、俺的ベスト布陣との比較で言えば、彼は安田が担うべきサイドバックと司令塔的な役割を一身に負っていた。しかも、相棒となるべき李が消えるかコースを阻害するなら、動きようもあるまい。
一方、梶山は本田拓也と連携しながら守備を安定させていく。
細貝ともうまくリンクして、右サイドの守備はそこそこいい。
しかし、右の前目では水野と柏木がひたすら走りまくっており、どう突っ込みを入れていいかわからん状態。おとなしい梶山は思わず傍観者となることがしばしば。
もう一人絡めなくては何の意味もないのだ。

結局、セットプレーから青山が押し込んだ1点を守りきって勝ち点3。
それだけの結果。
攻撃に関しては、コンビプレーの積み上げも追い越す動きもなく、流れの中での得点は皆無。後半家長と岡崎を入れたら、途端にチームが活性化したのは、彼らがフレッシュだからじゃない。前半からそういう動きをする選手が必要だっただけだ。
監督はどういう指示を出してるんだ?

サウジ戦はちょっと考えて欲しいね、そこんところ。


U17W杯開幕!

2007-08-21 | サッカーよろずごと
先日のU17W杯・日本VSハイチ戦。

これが同じ年齢か?といぶかしく思えるほど、ハイチの選手たちの立派な体格(というか骨格?)ばかりが目立つ立ち上がりだったが、ロングボール主体、個人技主体のハイチの戦術に緻密さはなく、しかもパス、シュート共に粗さが目立つ。
とはいえ、思わぬところから足が伸び、多少の上背のハンデは跳躍力でカバー。解説の清水氏曰く「パスでないものをパスにしてしまう」走力。
さすがはアフリカンの血脈だ。足長くて、しなやかで。うらやまし~。
メキシコに勝ったのは伊達じゃない。波に乗ったら怖いんだぜ~っ!と、闇雲なパワーを撒き散らし、日本選手を蹴散らしていく。
一方、そのハイチに押し込まれっぱなしだった日本U17。
緊張のためか中盤でパスミス連発。
中途半端なパスはカットされ、長めのパスを出せばすかさず受け手がチェックされ、ドリブルしながらパスコースを探す間にかっぱらわれる。
カウンター気味に強烈なミドルを喰らってはディフェンスラインを押し下げられ、守備に奔走していた前半。
1トップ気味に張っているはずの大塚が、プレッシャーがきついのか下がったり開いたりすることが多く、楔のパスを入れようにもターゲット不在の状態(清水氏曰く「トップレス」状態。そういう言い方があるのか!)。加えて、シャドーの端戸、怪我でベンチスタートとなった柿谷の代役八反田ともどもときおりドリブルを交えて相手ディフェンスラインのウラをうかがうものの、気付けば左サイドに押し込められ、ペナルティエリアに侵入できない。
こうなると逆サイドの水沼がフリーになるため、思い切ったサイドチェンジが効果的なのだが、長めのパスが正確に飛ばず、ことごとくハイチDf陣に拾われてしまうし、たまに届いても水沼に対するフォローがないため結局ボールを下げてしまう。
じっくり見ていると、Gk広長の落ち着いた位置取りやCB金井の高さ、SB吉田の粘り、Mf山田の戦う姿勢などなど、けっこうタレントも豊富。しかしどうにも受身のサッカーに終始し、標榜する「人もボールも動くサッカー」にならない。
初戦ゆえの緊張感?
パスミスするくらいならドリブルで突っかけて行けよ!と思うけれど、そこはチーム戦術。なかなかアドリブが効かないのは、日本代表全カテゴリー共通の悩み。
従来のサッカー日本代表は、どの年代の代表でもお約束のようにこういう展開になっていたなぁ~、と、ちょっとした既視感にとらわれてしまう。
あるいは、筋力が足りないためのパスミスか?結局は体格差をエクスキューズにするのかい?一発の怖さにびびって及び腰の守備やってたら、力負けは目に見えたようなもんだ。

ところが。

前半42分、やっとのことでペナルティエリア近くでフリーキックを得た日本は、相手の壁が整う前にボールを横へ流し、ボランチ岡本がロングシュートをねじ込んでしまう。
なんとあっけない得点!
さりげなくリスタートしたため、ボールを全く見ていない相手選手もいたほど。
及び腰なんかじゃなかった。狙ってやがったよ、こいつら。

あるいは、あれが直接シュートだったらやり直しを命じられたのではないか?
というのも、昨夜の審判を見る限り、決定的なシュートに結びつく場合のみならず、セットプレーはすべてその位置について非常に厳格な審判だったことを考えれば、日本選手たちは妙にクレバーな判断をしたと言える。
A代表ならば、遠藤や小笠原、あるいは中田英なんかがこういったプレーを見せていたけれど、それらはむしろ個人のひらめき。チームが連動して見せるマリーシアなんて、日本代表チームとしても非常に珍しいんでないの?

後半、尻に火がついたハイチが怒濤の反撃を見せ、25分程度経過したところで、日本Df陣が居ついた瞬間に豪快な一発をねじこみ、試合を振り出しに戻した。

ここで城福監督はここまでミス連発ながら前線で身体を張って相手をかく乱してきたMf八反田を下げ、Mf河野を投入。
するとすぐさま日本の攻撃がスイッチオン!相手Dfラインを切り裂き始める。
続いて解説者清水氏に「トップレス」と評されたFw大塚を下げ、同じくFw柿谷を投入すると、あれよあれよという間に長短のパスがまわり、ドリブル等の個人技も冴え、残り10分をまわったか?という時間帯に、替わった二人が仲良く連続得点。
やはり柿谷はSpecialな選手なのかも。
上の年代で見てみたい気もするね。

結果的に交替策が功を奏したと言えるが、振り返ってみれば前半から我慢し続け、人とボールを動かそうと地味に戦ってきたスターティング・メンバーの努力が実り、後半ハイチの走力に陰りが見えてきたこと、そして、ハイチが焦れて前に出始め、柿谷らの動けるスペースが開き始めたことが勝因。
1点目はクリーンヒットが打てないのでバントと盗塁でもぎ取った、みたいな、チーム戦術による得点。
2、3点目はしっかりつないで走ってどか~ん!という、戦術+個人技。
こういう二面性があるということがこのチームの強みなのだろう。
ただ、失点は余計だった。CB2人が縦横に連続して揺さぶられて居ついてしまった。

個人的に印象に残った選手は4人。
ボール持てば削られ、ディフェンスに行けば身体ごと吹っ飛ばされ、それでも懸命に走り続けたSB吉田。
ヘディングの競り合いでほぼ全て勝利していたCB金井。
八反田をおとりに影の司令塔を演じたまではよかったものの、前後左右から集まるパスに相手の足までついてきたもんだから、90分間削られまくり、どうにも落ち着かなかったMf山田。次戦はもう少し落ち着いてプレイして欲しい。
そして、パスが来ないためほとんど無駄走りに終始してもなお90分間声を枯らしてチームを鼓舞し続けたキャプテン水沼。
俺はいつでも脇役が気になるのだ。

先日のU20がU17だった頃、現FC東京の小澤が前線で走りまくり、当時のキャプテンだった青山が攻守両面で大活躍したにもかかわらず、アジアを抜けられず終い。
その後メンバーチェンジを繰り返し、じっくりチームを固めた結果、アジアで負けて大泣きしていた青山隼のちょっと暗めの姿も幼かった表情もどこへやら、ふてぶてしいあんちゃんチームに変貌。
あれが大学生的なイケイケチームなら、こっちは甲子園的な根性と粘りのチーム。
いいチームですよ、これ。
2、3年後が楽しみ。

しかし。
あれで水沼がカレン・ロバートの顔をしていたら、人気大爆発だっただろうに。
次のナイジェリア戦までに髪を切るか、染めるかしてみる?
それとも、プロ契約するまでは色気出すな!ってことなんだろうか?
唯一のプロ契約選手である柿谷の頭を見ていて、ふと、そんなことを思った。


4カ国対抗戦

2007-08-06 | サッカーよろずごと
五輪代表チームがボツワナに敗れた。
選手曰く「中国戦は勝てば優勝、ボツワナ戦は終われば帰国というモチベーションの差があった」、あるいは「選手はいつも100%」。
反町監督曰く「この1年間はなんだったのか?ピッチに気持ちが降りていない選手がいた」。

これだけ選手間、あるいはスタッフと選手の間に意識の乖離があれば、勝てないだろう。
勝てないどころか、シュート打っても入らない。

中国戦の審判団が全て中国人だったり、ボツワナ戦でも岡崎のどう見てもラインを割ったシュートがノーゴールになったり、北朝鮮戦でも明らかに日本封じの判定が多く、選手は集中力をそがれ、何をすればいいのかわからない状態に陥ったことと思う。
また、本田や家長、水野など、これまで主力であった選手がいないということも、監督としては悩ましい問題だったはずだ。
しかし、これまで控えだった選手たちがこの状況に奮起し、これ幸いとばかりにアピール合戦に走り、バランスを崩して自滅した・・・のならば、それはある程度納得がいく展開だが、ボツワナ戦に限って見れば、代表ノーゴール街道をひた走るカレンを筆頭に、ファイトしたとは言いがたいのではないか?
むしろ、福元・青山・梅崎・安田・森島らのU20選手の方が生き生きとサッカーしていた。
チーム戦術を守りつつ、勝負すべきところは勝負していたように思う。
それは先日のU20W杯で苦杯をなめたその直後だけに、胸に期するものがあった、言い換えれば「温まった状態」のまま今大会に突入した、と見ることもできる。
しかしながら。
オランダでのU20W杯に出場した現五輪世代の選手たちが、チームとしても、個人としても、「ひ弱」だったことは、最終予選を前にして、とてつもないマイナスポイントであるとしか言いようがない。
このチームがアジアの決勝を戦った時、当時の大熊監督が平山&森本に加えて国見出身現早稲田の渡辺まで突っ込んで一歩も引かないパワープレイに打って出たにもかかわらず、結局得点できなかった、あの時のひ弱さ。
U20W杯初戦でオランダにズタボロにされてやっと火がついた覇気のなさ。
ベナンとオーストラリアに引き分け、勝利なしのまま予選リーグを突破するという離れ業を見せたものの、トーナメント1回戦ロスタイムにモロッコに打っちゃられた勝負弱さ。
当時から危惧されていたマイナスポイント全てが、この大会で再燃したかのようだ。
あの時、大熊監督は何人かの選手を軸に据え、「自分が鍛えた選手だから、伸びてもらわないと困る」と言い放ち、結果的にその選手たちと心中したような形で大会を去っている。
そのうちの何人かは、今回の反町五輪チームにおいても主軸となり、やはり当時と同じく「伸びていない」と酷評されている。
彼らを戦犯扱いするのは簡単だが、それでは何も解決しない。

例えばシドニー大会のチーム、あるいはアトランタ大会のチームを思い出せば、現五輪代表、そしてA代表の弱点は至極簡単なこと。
それは粘りであり、勝負にかける執念であり、そしてなによりふてぶてしさ。

「求む!勝負師」

JFAは、今後、これをキャッチコピーにして欲しいね。


U20-W杯カナダ大会開幕!

2007-07-03 | サッカーよろずごと


U20W杯が開幕した。
いきなりヨーロッパ予選2位のスコットランド相手。
どうなることかと思ったら、前半からイケイケのサッカーで3対1の勝利。
ちょい地味な内田とガンバのお調子者安田という2人のCBがしっかり要所を締め、ボウズ頭福元&トサカ二号槙野の2CBと実は篠ひろ子の甥っ子・ワンボランチの青山がしっかりブロックを形成。
平均身長では6cm劣るらしいが、ポジショニングと運動量でスコットランドの屈強な選手を囲い込み、ボールを奪っていく様子は、見ていて気持ちがよかった。
そして、梅崎・柏木・田中という二列目とデカモリシ&河原の2トップは、とにかく後ろから追い越し、追い越し、サイドをえぐり、どんどんペナルティエリアに進入してくる。
デカモリシの先取点は相手のミスに付け込んだものだけれど、絶えず前から守備、そして押し上げ、ゴールへ!という意識がなければ生まれえないもの。
比較的横方向のポジションチェンジは少なく、その分大きなサイドチェンジと、前へ前へと追い越す動きがはまると、このチームは波に乗れる。
基本は守備ありきのチームなんだな、と再確認。
とはいえ、「攻撃的な守備」だ。
う~ん、好み。
ひょっとするとこのチーム、ナイジェリア大会のときのチームより穴が少ない?
報道等を見る限り、大会前カラオケボックスで気合を入れすぎてガッサガサの声で合宿入りした選手が数人いたり、チームワークはあほみたいによさそうだし、なにより中盤の梅崎・柏木・田中の3人が突破力があるってところがいい。
これほどドリブラーを揃えたユースチームって、今まであったっけ?

ナイジェリア大会のチームでは、小野や高原、遠藤、稲本など現在のA代表の主軸を擁し、トルシエ軍曹のもと、日本サッカー史上初の世界大会ファイナリストとなったが、ドリブラーと呼べる選手はいなかったように思う。
アルゼンチン大会のチームは未だ伸び悩む田原とか、森崎兄弟とかいたけど、全体的におとなしかった印象がある。ドリブラーとしては石川がいたけど、なんか伸び悩みだな。
UAE大会は小粒な印象はあったものの、坂田が得点王になったり、平山が出てきたりして、意外に勝負強さを見せた。徳永や今野もこのとき?でもドリブラーって印象の選手はあまりいないなぁ(そう言えば阿部祐太朗はどこへ行ってしまったのか?山形に行ったところまではフォローしてるんだけど)。
オランダ大会は家長、水野など現在の五輪~A代表がいて、リハビリ中の中村北斗がいて、平山やカレン、飛び級の原石森本、韋駄天苔口など、いい素材はそろっていたが、オランダに木っ端微塵に粉砕されちゃった。

こう眺めてくると、トルシエのフラット3以降なにかと言えばシステム論に陥り、実践上はどうにもばらけていたディフェンス戦術が、世代を経るごとにある程度整ってきて、4バックだろうが3バックだろうが、とにかく中盤をコンパクトに保つプレッシングが浸透し、機能し始めている印象を持つ(オランダ大会の緒戦は除く)。
加えて、最近の少年サッカーはドリブラー養成に力を入れ始めているのかな?と思えるね。なんせ、今回のチームにはセクシーフットボール青木もいるし。
両サイドバックと中盤の前目~FWは個人で仕掛けまくる奴ばかり。
1対1の攻防をまず見たい俺としては、期待せずにはいられない、そんな雰囲気を持ったチームだ。
次戦はコスタリカ。
楽しみだ。

って、まだ初戦に勝っただけでああだこうだと言うのは早計に過ぎるが、期待せずにはいられない雰囲気を持ったチームだ。
なんと言っても、得点した後のあのパフォーマンス!
こんなところにも隊長の影が・・・

応援したくなっちゃうよなぁ~って、そう思うのって俺だけかい?

コロンビアと言えばカルロスとマルアンなのだ、俺にとって。

2007-06-06 | サッカーよろずごと
なんだかわからないタイトルだけど、フットサルチーム柏菜の花倶楽部の古株なら知ってるこの二人の男。
彼らはコロンビア人だった。

だからどうだと言われても困るが、思い入れがあるのだ、コロンビアには!

そして、今回来日したコロンビアはいいチームだった。
初戦のモンテネグロ戦を見る限り、ショートパスを確実につなぎ、ダイナミックなランニングを織り交ぜてゴール前をこじ開けていこうとする様は、バルデラマ以来、かの国のスタイルとしてすっかり定着したのだろう。
そしてなにより、1対1では負けない、パスの受け手を徹底して狙っていく攻撃的なディフェンス。
モンテネグロの失点シーンも、相手ボールを奪ってからつないでつないでシュート。
いつぞやのコンフェデレーションズカップで対戦した際は、宮本のパスミスから日本が自滅したが、やはり判断が少しでも遅れればすかさずかっさらっていく、非常に小気味いい守備意識が浸透した、緊張感のあるチームだ。

そして昨夜のゲーム。
予想通りボールを持って判断の遅れた?中村俊輔が狙われ、ワントップの高原は肉弾戦に巻き込まれ、なぜかトップ下の稲本は流れを裁ききれずに孤立・・・ぼろ負けするかと思った。
後半、稲本&中田を下げて羽生&今野投入。
これで一気に形勢逆転。コロンビアのお株を奪うかのような波状攻撃を日本が披露。

オシム曰く「判定勝ち」のドロー。
いい試合だったなぁ。ガーナ戦よりよかったんじゃない?
びっくりしたのは高原。
あんなに気持ちの強いフォワードだったのかと惚れ直してしまった。
ついでに「日本でこのレベルの試合が出来たことがよかった」というコメントにプライドがちらちら。アスリートの矜持か。
ブンデスリーガで11得点は伊達じゃないね。

羽生もよかった。
あんな細い体格で、ワンハンドで飛ばされながらくらいつき、スペースを見つけて飛び込み・・・ああいう選手がいないと試合は動かない。
ジーコのチームに欠けていたのはああいう動きだったといまさらながらに思う。

しかし。
コルドバも出ていなかったし、日本も決定機を4回くらいはずしていることが気になる。
また、中村俊輔が持ちすぎるとリズムが消えるのは相変わらず。ちょっとボール取られ過ぎ。捻挫が治りきっていなかったのは一目瞭然。
大体、中村を右で使うのはわかるが、左に遠藤、中央稲本?なんじゃそりゃあ~?
ノッキング必至の配置で、オシムは何を見たかったのかな?
内容はよかったけれど、練習試合の域を出るものとは言えないかも。

コロンビアとの違いは、文化と言うより、むしろ、サッカーあるいは「勝負」に対する「美意識」だな。
イタリア然り、ブラジル然り、メキシコ、アイルランド然り。
日本サッカー協会が見習うべき、求めるべきものは「サッカー文化の浸透」なんていう曖昧模糊とした観念論ではなくて、勝負事に対する「美意識」の確立だ。
それが国民的なコンセンサスを得られれば、「国民的美意識」を産む。
そうすりゃ政治も外交も変わるだろうに。武士道はどこへ行った?
大体、オシムに「カミカゼチーム」なんて言わせておくなよ。
あれは負の遺産だっていうことを知った上で、敢えてオシムはそう表現したんじゃないか?オシムなりのメディア戦略としての用法だったのだろうし、あえてツッコミを入れない方がいい、という日本的判断もあったのだろうけれど、それこそが弱点だろう?とオシムに言われかねない、な~んて勘繰りたくもなる(トルシエだったら絶対そう言って一騒動起こしてたな)。

それはさておき。

できるならば、次回は前から334で。
DFはセンター闘莉王、中沢、左は中田、右に加治。
ボランチは阿部だな。
右MF稲本、左MF松井、トップ下遠藤。
左Fwに高原(松井、家長)、右Fwに中村俊輔でお願いしたい。
控えは坪井、水本、駒野、鈴木、中村健剛、今野、羽生、山岸、播戸、巻、大久保。

ん?3トップの真ん中がいない?
そりゃぁもちろん福田健二(ヌマンシア)!
オシムさん、彼をお忘れなく。