26年以上もの長い間、夢中になっていたヨットの趣味を急に止めました。昨年の10月にキッパリと止めてしまったのです。ですからさぞガックリと落ち込むのではないかと思っていました。
ところが反対に何故か深い満足感と充実感が湧いて来て、楽しい思いをしています。ヨットの写真を見たり、ヨットを見に行くだけで心がホノボノと楽しくなるのです。それは不思議な体験です。
年老いていろいろな趣味を止める人々も多いと思います。止める前は悲しい思いをします。しかし止めた後はかえって心豊かになるのです。
そこで私の体験をご紹介したいと思います。
はじめは小型ヨットのディンギーに乗っていました。23年前に中古のクルーザーヨットのヤマハ19を買い、霞ヶ浦に係留しました。ヤマハ19には10年間乗り、13年前にジョイラック26というアメリカ製の中古ヨットに乗り換えました。
霞ヶ浦に係留していた23年間は毎週のように土浦港へ通いました。天気さえ良ければセイルを空高く上げ、帆走して来ました。独りだけのセイリングでしたが、家内もよく一緒にセイリングに参加したり、ヨットに何度も一緒に泊りました。
ヨットに泊ると、夕焼け、星空、朝焼けの美しさに感動します。時には友人達と帆走し、シャンペンやビールを飲みました。
しかし74歳になった時、次第に体力が衰え、大きくて、重いメイン・セイルを上げるのが大変になって来たのです。好きなヨットですが、いつまでも執着しているのは自分ながら見苦しいと考え出しました。そこで75歳になったら、その秋の末にキッパリ止めようと決心をしたのです。
幸い昨年の10月にヨットが売れました。大変良い方が買ってくれたので、気分良くセイリングの趣味を卒業出来たのです。
昨年の10月から2ケ月がたっています。
最近はヨットの写真を見るのが新しい趣味になりました。そしてヨットの姿を見て、写真を撮りに行くのが新しい趣味になりました。
ヨットの写真を見ると深い満足感や充実感が体中に湧いて来るのです。
それは26年間のヨット遍歴を無事卒業出来たという満足感です。一度も落水しないでセイリングに成功したのです。
暑すぎたり、寒過ぎて辛いセイリングは何度もありました。突然の強風でヨットが殆ど横倒しになった事も何度もありました。座礁して怖い思いをしたこともあります。
とにかくヨットは怖いスポーツでした。家内が一緒にセイリングしていると、ヒーヒーと怖がるので閉口したものです。
それを26年間続けて来た自分の根気良さに満足しているのです。無事乗り越えたという充実感もあります。
ですからヨットの写真を眺めては、独り心楽しくなるのです。
ヨットの帆走の趣味が、現在はヨットを見る趣味に変わったのです。下にそのようなヨットの写真を5枚お送り致します。
皆様は年老いて趣味を止めたご経験をお持ちでしょうか?その時のお気持をお聞かせ頂ければ嬉しく思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)
これは東京都夢の島マリーナです。(http://www.yumenoshima-marina.jp)
フランス艇のベネトーという美艇です。特に内装が美しいのです。
クラッシックなモータークルーザーですね。多分、北欧製の船と見ました。
遠方から来たヨットのクルーが酒盛りを楽しんでいました。
以上は3年前の1月2日に家内と一緒に撮った写真です。以下の2枚は昨日鎌倉に行く途中に撮った写真です。
日本人によるヨットの発祥地の鐙摺港に現在も係留されているヨットの群れです。
鐙摺港の隣には葉山マリーナがあります。この写真はヨットの陸置き場です。美しいヨットがビッシリと上架されています。出港するためにはクレーンのある所へ引きだしてクレーンで吊って海に降ろします。私もそんな経験を葉山マリーナで何度もしました。友人のヨットに招待されたのです。
この様にヨットの姿を見ると、楽しかった思い出がよみがえって来ます。(終り)