山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

固有種咲く早池峰山(後編)  平成26年6月27日

2014年07月07日 | 日本百名山
 12時少し過ぎた頃に早池峰山山頂に到着すると、10人ほどの登山者が食事休憩中だった。途中でかなりの人に追い抜かれたので、多くの人たちは既に下山して行ったと思われる。裏側(北側)に行くと、そこには大岩のゴロゴロした間にお花畑が広がっていた。そちら側は休憩している人は一人だけ、登りながら途中で花談義して一緒だった人だった。盛岡在住の方で、この地域の山や花情報に詳しく、岩手山のコマクサが素晴らしいこと、秋田駒ケ岳の黄色いスミレがたくさん咲くことなど、いろいろ情報をいただいた。


    早池峰山山頂と避難小屋(中央の赤い屋根の建物)。



    山頂裏側。露出した岩の間にお花畑が広がる。


    山頂のお花畑①


    山頂のお花畑②

 1時近くまでゆっくり休憩して小田越への尾根道を下ることにする。時折青空が見えるが、ほとんどが雲の巻く曇り空だが、おかげであまり暑く無く過ごし易い。まずは木道の整備された稜線を下降点まで進む。


    木道の整備された尾根道。雪が残る。


    木道脇のコバイケイソウの葉とショウジョウバカマ


    お花畑

 下りの尾根道は沢沿いの道に比べると傾斜は緩いが、岩がゴロゴロ、しかも蛇紋岩でできた滑り易い岩なのでスリップに要注意だ。有名な長い2段ハシゴ場があるが、さほど難しい場所では無い。こちらは広大なハイマツの斜面が広がり、登山道脇にはミヤマシオガマやハヤチネウスユキソウ、ミヤマオダマキなどの入り混じって咲くお花畑が広がっている。そして、振り返れば蛇紋岩の圧倒的な岩肌。早く下山しようなどという気にはとうていなれない。


    見下ろす小田越尾根道。下に小さく白く見えるのが小田越小屋。


    蛇紋岩の岩壁。凄い迫力。


    有名な2段ハシゴ場


    山頂方向を見上げる。


    広大なハイマツの斜面が広がる。


    ハヤチネウスユキソウ。こちら側にもたくさんある。


    岩の間にミヤマオダマキの群落


    ミヤマオダマキ大株


    岩の間のお花畑


    見下ろす蛇紋岩の岩山


    振り返って見る蛇紋岩の岩山


    樹林帯に入る直前で見たマルバシモツケ。昨年の北海道遠征以来に出会う花。


    樹林帯の中でツバメオモト


    大きな葉のマイヅルソウ群落


    小田越小屋到着。

 午後2時45分ごろ小田越小屋に到着する。小屋の前に山岳パトロール隊の連絡係の方がトランシーバを持ってパトロール隊と連絡をとっていた。こちらの山も盗掘と鹿対策のために気が抜けないようで、その後続々とパトロール隊員たちが下山してきた。10人ほどいたのではないだろうか。私も山梨県のレインジャー隊として少しだけ同じような業務に携わっているだけに、苦労がわかる。

 休憩してアスファルトの林道を歩いて河原の坊駐車場に戻る。山頂でお会いしたパトロール隊の方に、林道脇にも花が咲いていると聞いていたので、花を楽しみながら、写真を撮りながら楽しみつつ歩く。


    道のかたわらにハクサンチドリが普通に生えている。


    こちらはノビネチドリ。


    ズダヤクシュ


    ハクサンチドリ群生


    ベニバナイチヤクソウ


    一瞬目を疑った。こんなのが道の傍らに・・・ 


    コ*ケ*イ*ラ*ン


    午後4時、河原の坊駐車場に到着。

 固有種満載の早池峰山を存分に楽しんだ1日だった。他にも稀少な固有種が多々あるらしいが、一度歩いただけでそう簡単にお目に出来るものではなさそうだ。いつかは今回出会えなかったヒメコザクラ、そしてこれからたくさん咲くであろうナンブトウウチソウにも出会ってみたい。しかし、遠いこの山、きっと定年後でなければ来る機会は無いだろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 固有種咲く早池峰山(前編)... | トップ | 梅雨に咲く白い小桜、ヒナザ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本百名山」カテゴリの最新記事