山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

月齢28.8の細月は写るのか? 富士川町林道  平成31年1月5日

2019年01月05日 | 月富士
 月齢28を超える細い月は過去に何度か撮影に挑戦しているが、富士山の上にこの極細の月を出そうとしても夜明けの空に負けてしまい撮影は困難だった。撮るには撮ったがいずれも富士山の山腹に出た月である。今回は距離を離して富士川町の林道の上にある伐採地からこの極細月を狙ってみた。しかも今までに無く細い月齢28.8という月である。予想では日の出の約30分前に富士山頂に姿を現すはずである。十分に撮れるだろうと思うのだが・・・。


    先日下見をしておいた富士川町林道沿いの伐採地から見る富士山。残念ながら山頂に雲が巻いてしまった。


    同上。


    肉眼では全く見えなかったが・・・


    ブログの画像でも良く見えていないが・・・


    400㎜望遠レンズ。雲を抜けて右端に・・・


    極細の月が写っている。


    トリーミング画像

 この日は富士山の山頂に雲がまいてしまったことと、薄くもやがかかっていて空気の透明度が悪かった。かつ、この雲の厚みを抜け出てきた月は実際に富士山頂に月が現われてから5分を経過している。この時間の5分というのは空の明るさにかなりの差が出る長さである。おそらく条件が良ければ、富士山の山頂でひっそりと輝く極細の月が撮影出来たのではないかと思っている。なかなかうまく行かない難しい撮影ではあるが、可能性は十分にあると確信した。

 この日は天候さえ恵まれれば同じ場所から剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士も狙える日だった。しかしこの雲では困難なので伐採地の出来るだけ左に寄って雲を抜け出てくる朝日を出来るだけ中央に寄せようと試みる。


    裾野と雲が赤く染まる。


    光のストライプが出る。


    同上


    朝日が現われたのは想定していたよりも右だった。


    思っていたよりも富士山頂にかかった雲は厚みがあるようだ。


    ダイヤモンド富士とは言い難いが・・・


    それなりに楽しめた雲上に昇る朝日


    この場所からはまだ真ん中から出るダイヤの撮影は可能だが、剣ヶ峰から昇るダイヤはこの日で終わりである。

 富士川町林道からの剣ヶ峰で割れるダイヤは次のシーズンに持ち越しとなってしまった。今期の割れるダイヤは満足の行くものはほとんど撮れずに終わってしまいそうである。昨シーズンが良過ぎたのであろう。


    別の場所にちょっと立ち寄る。


    林道の途中から見る笠雲が彩雲になっているように見えたのだが・・・わずかに染まっているのみ。

 また挑戦。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

四分儀座流星群は流れたか? 精進湖  平成31年1月4日

2019年01月05日 | 星空
 過去に何度か狙ったことがある四分儀座流星群であるが、ペルセウス、ふたご座と並ぶ三大流星群に数えられているもののあまり流れたのを見たことが無く撮影したカットも少ない。調べてみると四分儀座流星群を発生させる宇宙の塵は分布が地球の軌道とほぼ垂直に交差しているらしく、短時間で活動が終わってしまうらしい。今年の四分儀座流星群のピークは1月4日の午前11時ごろである。狙うならば1月4日の明け方4時ごろからが良さそうである。かつ、金星と木星が輝いている空に5時半ごろには細い月が昇って来るという天体現象も加わる。これだけでも十分に良い景色であるがそれに四分儀座流星群が加われば・・・期待に胸ふくらませて前日の夕方に精進湖湖畔に車で乗り付け車中泊する。1月4日は仕事始めなので寝ておかないと翌日の仕事に支障が出てしまう。この夜は撮影も然ることながらいかに寝るかも重要な課題である。


    富士山頂に輝くシリウスと四分儀座流星群。前夜寝る前に仕掛けたカメラで撮影したもの。850カット撮影してまともに写ったのはこの1カットのみ。


    未明からの放射点追尾撮影のために簡易赤道儀をセットしておく。ついでにウィルタネン彗星を撮影する。現在5等の明るさ。60秒×9枚をコンポジット。

 1時間ほど撮影を行って1台のカメラはインターバル撮影を行ったまま車の中で寝る。なかなか寝付けず9時過ぎにようやく眠りについたが熟睡できずしばしば目が覚めてしまう。目覚まし時計は未明2時半にかけておいたが2時前に目が覚めてしまい、そのまま起きて撮影を開始する。


    赤道儀に乗せて北斗七星と北極星のあたりを追尾撮影。約2時間追尾したが写った流星は3個のみ(1個は人工衛星か?)。流星雨になるはずだったが全く期待外れ。


    金星が昇って来た。拡散フィルターを使うと明るい金星は不自然に大きく写り過ぎる。


    それっぽいのが写ったが残念ながらこれは人工衛星。


    拡散フィルターを外して撮影。しかし、こちらのレンズは微妙に全てピンボケだった。


    もう1台のカメラ。小さいが今度は本物の四分儀座流星群。


    富士山右上を流れた流星。広角レンズだとさらに小さく見える。


    これもそれっぽく見えるがおそらく人工衛星。


    何故ならば次のカットにもその続きが写っている。このように、時として流星のように部分的に輝く人工衛星がある。


    比較的大きな流星。この流星は肉眼でも確認した。金星、木星、さらに月が昇り、狙っていたのはこんなカット。


    もう1台のカメラもしっかりとこの流星を捉えたが残念なことにピンボケ。さらに月を追尾していた3台目のカメラもピンボケ。


    薄明の富士に輝く金星、木星、細月。十分に良い情景だったがこのカットは流星を意識し過ぎて湖面に映る富士山頂が切れてしまっている失敗作。


    こんな感じで撮ったほうが絵になったと思う。


    地球照の月


    日の出を迎える。これを見て速攻で撤退し出勤。

 3台セットしたカメラで実に2,700カットも撮影し、写った流星は10個ほどだった。自分の目で見た流星も3個ほど、いちばん大きかった流星は頭の上を流れ、カメラの視角の外だった。ふたご座流星群に比べて四分儀座流星群がいかに飛ばず、効率が悪いかということがわかる。しかし、流星の撮影とは運試しのようなもので、狙った構図の中を1個でも飛んでくれればバンザイである。月と金星と木星が昇ったところを流れた流星は狙い通りの今回のベストショットと言える。しかし3台のカメラのうち2台がピンボケとは大失態である。1台はレンズのネジが緩んでガタついているところを自分で締め直したのだが、周辺収差が大きくなっており光軸がズレた可能性もある。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする