山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ペルセウス座流星群は流れたか? 権現岳  平成30年8月11日‐12日

2018年08月12日 | 星空
 ペルセウス座流星群が極大を迎えるのは8月13日の午前中、従って観察するならば13日の未明が良いのだが平日なのでなかなか撮影に出かけるのは難しい。1日早い12日の未明を狙って権現岳の山小屋に宿泊して狙ってみることにしたのだが、天気予報は曇で望みは薄い。しかし、未明の一瞬の晴れ間を期待して登ってみることにした。カメラ2台に三脚2本、さらには花の撮影も考慮して交換レンズは5本(といっても3本はマイクロ一眼レフ用の軽いレンズだが)を担いで8月11日に観音平から編笠山山頂を経由して権現岳に登った。編笠山まではそこそこに良い天気だったが青年小屋を過ぎたあたりから雲が湧き出し、権現岳小屋に到着した午後3時半ごろには小雨が降り出してしまった。5時半に夕食をいただき、8時ごろに夕空を見上げたが雲に覆われて全く何も見えない。明朝はどうなるのだろうか?


    編笠山から見る権現岳(右側)。左側の阿弥陀岳には雲がかかっているが権現岳は見えていた。しかし、この後雲に巻かれてしまう。


    トウヤクリンドウと霧に巻かれた権現岳小屋。

 深夜12時半、ふと目が覚めて窓から外を見ると星が見えていた。三脚をカメラを取り出して外に出るとオレンジ色の明るい火星が南東の空で輝き、天の川もうっすらと見えていた。撮影の前にちょっとトイレに・・・と用を足してくるともう霧に巻かれてしまい何も見えなくなってしまっていた。10分ほど待ったが星は見えそうもないので再び寝て今度は未明3時に起床して外に出る。空はほとんど雲で覆われていたが沈みかけた火星の輝きがはっきりと見えた。そして遂に、満天の星の輝く空が現れた。


    編笠山の遥か向こうに沈みかけた火星のオレンジ色の光が見える。


    左手の雲が光っている。稲妻は見えないが雷雲の中の稲光。


    そして遂に、星空が現われた。権現小屋の上に輝く星々。小屋の真上にプレアデス星団が輝いている。左端の明るい星がカペラ、その上がペルセウス座の一部。

 喜んで撮影予定地だった権現岳小屋の上にある展望台に登る。しかし到着した頃には・・・またしても雲に巻かれてほとんど何も見えなくなってしまう。狙っていた北側の赤岳・阿弥陀岳の方向は厚い雲に覆われて全く景色は見えそうもなかった。しかし、時折雲の切れ間から権現岳の山頂とその上にわずかに星が輝くことがあり、結露するレンズを拭き取りながら権現岳山頂側に狙いを定めてシャッターチャンスを待つ。


    霧に巻かれた権現岳山頂。時折星空が見える程度でほとんどが真っ白(夜だから真っ暗)な霧の中。


    オリオン座が昇って来た。


    薄明に昇るオリオン座


    もうすぐ夜明け。星の輝きは消えてしまった。一瞬だけ見えた南アルプス。

 夜明けとともに完全に雲に巻かれてしまい、もはや権現岳山頂が姿を現すことは無かった。残念ながら肉眼でペルセウス座流星群を確認することは出来なかった。

 しかし、撮影してきた画像を良く見てみると、小さい(あるいは霧のために小さくなった?)流星が数個写っていた。人工衛星の可能性もあるのだが、この2個は先細りした形と飛んでいる角度から見てペルセウス座流星群と思われる。


    トリーミング画像。権現小屋の屋根の上を飛んだ流星。


    同じくトリーミング画像。権現岳とペルセウス座流星群。雲の中で無かったならば肉眼で確認できたと思う。

 残念ながら今年のペルセウス座流星群も満足な画像は得られなかった。そもそも、まともにペルセウス座流星群を見たことは一度も無い。夏のこの季節は雲が多くて空が晴れず、なかなか好条件の日には当たってくれない。懲りずにまた来年挑戦である。眺望抜群の権現岳、ここから見る流星群をいつか撮ってみたいと思う。
コメント (2)
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