7月17日(2日目)
朝から抜けるような青空が広がった。4時半朝食、5時半に出発する。いきなり草スベリの急登、メンバーの顔色を伺いつつ、疲れないように前日にも増してスローピッチで登る。3時間ほど歩いたところで樹林帯を抜け、シナノキンバイのお花畑に到着した。鹿の食害で年々縮小しつつあるお花畑だが、今年からお花畑全体をネット柵で囲い、鹿が入り込まないようにしてあった。さぞかしこの柵の設置には手間がかかったことだろうが、もっと早くこうすべきではなかったかと思う。
出発前の白根御池小屋前で記念撮影。今日も頑張ります!
草スベリの急登を登る
迫る大迫力、北岳。もう、すぐそこに見えるのだが・・・
草スベリ上部、シナノキンバイのお花畑を行く 今年からネット柵が設置されている。
ここで私は三脚を出し、皆には先に行ってもらい存分に、気の済むまでこのお花畑の写真を撮らせてもらった。満開でちょうど見頃のシナノキンバイ、抜けるような青空、そして花が当たりのこの年、たくさん咲いている。何度も登っている北岳だが、今回が最も条件が良かった。急いで歩くなどもったいない。登山者にはやや迷惑だったかもしれないが周囲に気を使いつつ、三脚を担いだまま、気の向くままにシャッターを切りつつ、メンバーたちに30分ほど遅れをとって稜線に到着した。
シナノキンバイのお花畑 今年は花が当たり年。
シナノキンバイのお花畑と北岳
シナノキンバイ
ハクサンチドリが混じる。周囲の花はミヤマキンポウゲ。
時間は11時過ぎ、予定していたよりも早く着いた。4人のメンバーは先に肩の小屋まで行ってそこで食事にすると言って出発した後だった。残り4人で仙丈ケ岳を眺めながら小太郎尾根分岐部で昼食にする。好天に恵まれたこの日は正午近くになってもまだ南アルプスには雲がかかっていない。甲斐駒ケ岳や八ヶ岳、さらにその向こうの北アルプスまで見渡せる。花と景色と空気を楽しみながらの贅沢な昼食だ。ゆっくり昼食をとり出発、稜線の眺めを楽しみながら午後1時過ぎ、肩の小屋に到着した。
小太郎尾根分岐部の稜線から見る仙丈ケ岳(3,033m) この景色を見ながら昼食。
花咲く稜線を歩く。北岳肩の小屋までもう少し。
先行した4人は宴会を始めていた。この頃から山頂に雲が巻き始めたが、まだ持ちこたえられるだろうという判断で山頂をピストンしてくることにした。1人は体調不良、1人は既に酔っぱらっており、6人で出発する。山頂までは1時間少々の行程だが、目の前に北岳北峰(北岳山頂は双耳峰になっており、標高点は南峰にある)が迫ったところで雨が降り出す。山頂まであと20分とかからないが、雷雨になるかもしれず、下山の時間を入れると1時間はかかる。ここで引き返すことも1度は考えたが、空を見上げると意外と明るく、ここは山頂まで行くことにした。雨は小雨で間もなく止み、無事に山頂に到着、その頃には時折雲間から青空も覗いた。全員ではないが、ひとまず目的の山頂まで連れて来ることができた。達成感というよりもほっとした気分だった。
山頂へ行く途中のチョウノスケソウお花畑
チョウノスケソウ 小判のような葉が特徴。紫の花はオヤマノエンドウ。
山頂到着、やったぜ!
肩の小屋に戻って1時間と経たないうちに土砂降りの雨がやってきた。遠雷も轟く。この時間に山の上に居なくて良かった。雨は30分ほどで上がり、その後鳳凰山に虹が架かった。しかもダブルの虹だ。思いがけない山の神様の歓迎に感動しながらこの景色にじっと見入ってしまう。そして日没。仙丈ケ岳の左肩に、雲に巻かれながら真っ赤な夕陽が沈んでいった。空が雲におおわれてなかなか夕陽が見られない今日この頃、久しぶりに見る綺麗な夕暮れだった。
鳳凰山にかかる虹 2本出ているのが見えますか?
雲巻く仙丈ケ岳に沈む夕陽
夕映えの北岳と夕陽を見つめる人々
日没後の放射する夕陽
一旦小屋の中に戻り、本日の寝床と明日の荷物を整理した後、8時ごろに外に出ると今度は赤い月が昇り始めていた。この日は十七夜の明るい月が昇って来る日だ。星を撮るには明る過ぎる月だが、富士山に近い良い位置から月が昇って来る。最初は雲に巻かれていた富士山も夜9時近くになってから雲が晴れ、雲海の上に浮かぶ幻想的な景色となった。肩の小屋の電気が消えた8時半過ぎ、ようやく北岳側の風景も撮影できるようになった。山頂にさそり座が昇り、霞のように淡く天の川が肉眼で確認できる。月明かりが明るすぎたがなんとか北岳にかかる天の川を撮影し、この日は床に着く。明朝は3時起床、北岳山頂で日の出を迎える予定だ。
十七夜の月昇る 左の山は鳳凰山、町灯りは甲府市の郊外から南アルプス市方面。
雲海に昇る月と肩の小屋テント場 静寂で幻想的な夜でした。
月照らす北岳と天の川
翌朝は目を見張るような真っ赤な朝焼け空となりました。今シーズン最高の朝焼けだったと肩の小屋小屋主さんが言っていました。近日アップします。
朝から抜けるような青空が広がった。4時半朝食、5時半に出発する。いきなり草スベリの急登、メンバーの顔色を伺いつつ、疲れないように前日にも増してスローピッチで登る。3時間ほど歩いたところで樹林帯を抜け、シナノキンバイのお花畑に到着した。鹿の食害で年々縮小しつつあるお花畑だが、今年からお花畑全体をネット柵で囲い、鹿が入り込まないようにしてあった。さぞかしこの柵の設置には手間がかかったことだろうが、もっと早くこうすべきではなかったかと思う。
出発前の白根御池小屋前で記念撮影。今日も頑張ります!
草スベリの急登を登る
迫る大迫力、北岳。もう、すぐそこに見えるのだが・・・
草スベリ上部、シナノキンバイのお花畑を行く 今年からネット柵が設置されている。
ここで私は三脚を出し、皆には先に行ってもらい存分に、気の済むまでこのお花畑の写真を撮らせてもらった。満開でちょうど見頃のシナノキンバイ、抜けるような青空、そして花が当たりのこの年、たくさん咲いている。何度も登っている北岳だが、今回が最も条件が良かった。急いで歩くなどもったいない。登山者にはやや迷惑だったかもしれないが周囲に気を使いつつ、三脚を担いだまま、気の向くままにシャッターを切りつつ、メンバーたちに30分ほど遅れをとって稜線に到着した。
シナノキンバイのお花畑 今年は花が当たり年。
シナノキンバイのお花畑と北岳
シナノキンバイ
ハクサンチドリが混じる。周囲の花はミヤマキンポウゲ。
時間は11時過ぎ、予定していたよりも早く着いた。4人のメンバーは先に肩の小屋まで行ってそこで食事にすると言って出発した後だった。残り4人で仙丈ケ岳を眺めながら小太郎尾根分岐部で昼食にする。好天に恵まれたこの日は正午近くになってもまだ南アルプスには雲がかかっていない。甲斐駒ケ岳や八ヶ岳、さらにその向こうの北アルプスまで見渡せる。花と景色と空気を楽しみながらの贅沢な昼食だ。ゆっくり昼食をとり出発、稜線の眺めを楽しみながら午後1時過ぎ、肩の小屋に到着した。
小太郎尾根分岐部の稜線から見る仙丈ケ岳(3,033m) この景色を見ながら昼食。
花咲く稜線を歩く。北岳肩の小屋までもう少し。
先行した4人は宴会を始めていた。この頃から山頂に雲が巻き始めたが、まだ持ちこたえられるだろうという判断で山頂をピストンしてくることにした。1人は体調不良、1人は既に酔っぱらっており、6人で出発する。山頂までは1時間少々の行程だが、目の前に北岳北峰(北岳山頂は双耳峰になっており、標高点は南峰にある)が迫ったところで雨が降り出す。山頂まであと20分とかからないが、雷雨になるかもしれず、下山の時間を入れると1時間はかかる。ここで引き返すことも1度は考えたが、空を見上げると意外と明るく、ここは山頂まで行くことにした。雨は小雨で間もなく止み、無事に山頂に到着、その頃には時折雲間から青空も覗いた。全員ではないが、ひとまず目的の山頂まで連れて来ることができた。達成感というよりもほっとした気分だった。
山頂へ行く途中のチョウノスケソウお花畑
チョウノスケソウ 小判のような葉が特徴。紫の花はオヤマノエンドウ。
山頂到着、やったぜ!
肩の小屋に戻って1時間と経たないうちに土砂降りの雨がやってきた。遠雷も轟く。この時間に山の上に居なくて良かった。雨は30分ほどで上がり、その後鳳凰山に虹が架かった。しかもダブルの虹だ。思いがけない山の神様の歓迎に感動しながらこの景色にじっと見入ってしまう。そして日没。仙丈ケ岳の左肩に、雲に巻かれながら真っ赤な夕陽が沈んでいった。空が雲におおわれてなかなか夕陽が見られない今日この頃、久しぶりに見る綺麗な夕暮れだった。
鳳凰山にかかる虹 2本出ているのが見えますか?
雲巻く仙丈ケ岳に沈む夕陽
夕映えの北岳と夕陽を見つめる人々
日没後の放射する夕陽
一旦小屋の中に戻り、本日の寝床と明日の荷物を整理した後、8時ごろに外に出ると今度は赤い月が昇り始めていた。この日は十七夜の明るい月が昇って来る日だ。星を撮るには明る過ぎる月だが、富士山に近い良い位置から月が昇って来る。最初は雲に巻かれていた富士山も夜9時近くになってから雲が晴れ、雲海の上に浮かぶ幻想的な景色となった。肩の小屋の電気が消えた8時半過ぎ、ようやく北岳側の風景も撮影できるようになった。山頂にさそり座が昇り、霞のように淡く天の川が肉眼で確認できる。月明かりが明るすぎたがなんとか北岳にかかる天の川を撮影し、この日は床に着く。明朝は3時起床、北岳山頂で日の出を迎える予定だ。
十七夜の月昇る 左の山は鳳凰山、町灯りは甲府市の郊外から南アルプス市方面。
雲海に昇る月と肩の小屋テント場 静寂で幻想的な夜でした。
月照らす北岳と天の川
翌朝は目を見張るような真っ赤な朝焼け空となりました。今シーズン最高の朝焼けだったと肩の小屋小屋主さんが言っていました。近日アップします。