フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

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ムッシュの「一芝居」

2011年10月23日 | ブルゴーニュ

ブルゴーニュで2泊した翌日、午前中ムッシュはボーヌのマスタード工場の見学に連れて行ってくれた。 

マスタードと言えばディジョンを思い浮かべるくらいブルゴーニュの名産の一つである。

これで着いてから3日目だが、とにかく連日ムッシュは計画的にベストコースを調べておいてくれたのだった。

 

マスタードの工場見学は、着いてからすぐに予約し、定刻になって再び受付に行き、私達の外20人くらいはいたと思うが、その人たちと一緒中に入った。

         

 

     

 

中に入ると説明があり、その後自分ですり鉢で「からし」をすりつぶし、作ってみる体験があり、その後製造用の古い機械などの展示を見た。

 

最後には小さなびん詰をいくつかいただいたが、売店でもそこの工場で出来た物が売られており、沢山の種類の風味を試したく、少し買って見た。

 

見学を終り、そのあとランチのため、これまたムッシュが調べておいてくれたレストランに行った。

 

         

 

         

 

         

 

  

昨日のレストランより少し格は落ちるようだったが、ご当地料理の「カエル」や「エスカルゴ」を食べた。

 

              

 

              

 

しかし参ったのは「鶏の赤ワイン煮」だった。これはもう小さいバケツみたいな鍋(実はル・クルーゼなのだが)にドカンと来た。だが残念ながら鶏は味が出てしまい「スカスカ」だった。

これだけは、はっきり言って美味しくなかった。

 

         

 

しかしこのレストランは、価格はそんなに高くないのに「もう堪忍して」と言うほど料理が出てきた。要するに「田舎料理」で「田舎価格」だった。

 

         

 

         

 

         

 

ここでムッシュがある芝居をした。

彼は最初ブルゴーニュの赤ワインを頼んだ。少し飲んでいたころギャルソンがワインはどうですか?と聞きに来た。その時ムッシュは「これはちょっと?」と言ったのだ。

 

しばらくするとオーナーがやってきて「美味しくないのかい?」と聞きに来た。

ムッシュは「美味しくないことはないけど・・・うーん」と言うとオーナーは「それなら代わりを持ってくる!!」と急いで中に入って行った。

 

オーナーが消えると、ムッシュは机の下でこぶしを作り、「やったー」と言うポーズをした。

 

やがてオーナーは、新しいワインを持ってきた。

持ってきたのはハーフボトルだったけれど、今度はオーナーの自信あるワインである。ムッシュはこれを美味しく喜んで飲んだことは言うまでもない。

 

実は最初のワインが良くなかったわけではないのだが、ムッシュは一芝居打って、上等のワインにありついたというわけだった。

田舎のレストランのオーナーの自尊心をうまく利用したとも言える芝居に、少しばかりオーナーに申し訳ない気もしたが、まあこれもフランス流コミュニケーションとしよう。

 

          

 

         

 

         

 

そして午後はブルゴーニュ中のブルゴーニュへ・・・次回に 

 

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日本の美、それは”隠れた美しさ”にあり!!

2011年10月22日 | パリ郊外

パリで会った半年後の秋、彼女は紅葉を見にやってきた。 

この時期は、京都は混みあうので、一日は奈良との境の浄瑠璃寺を選び、田舎の風景を楽しんでもらうことにした。

案の定、彼女は「こんな景色を見たかった」と気に入ってくれた。  

私もフランス、パリの景色は素晴らしいと思う。しかし田舎を訪れると、「ここもフランスなんだ」と美しい村にも感動する。おそらく彼女も同じような気持ちなのであろう。 

もう一日は京都、紅葉の有名な所のうちで、渋滞を避けるため、バスを使わずに行ける所の中から、真如堂と黒谷の金戒光明寺に決めた。

地下鉄東山から徒歩だ。

特に真如堂の紅葉は見事で、彼女もご満悦だった。 

少しずつ彼女のことが解りかけてきたが、彼女は大学では日本文学を、そして50代になってから始めた日本語の勉強は毎日していて、週に一度はパリの日本語のクラスで学んでいるとのことである。

 その成果は来日する度、会話で証明されている。しかしこのことは専門家からも認められた。彼女の次の来日は日本語のスピーチによるコンテストのご褒美だったのだから!! 

 
実は、手前味噌になるが、このスピーチに当たって、私も少しお手伝い?をしたため、自分のことのように嬉しかった。
タイトルは「隠れた美しさ」だった。
これこそが日本文化の集約と言っても大げさではなく、数年でよくそれが彼女に解ったものだと感心した。
 
その作文によると、最初は日本人の友人が「素敵だわ」というお茶碗などについても「こんな地味なお茶碗が?そんなにこれが素敵なの?」と、心の中では思ったそうだ。しかし日本人の友人に見方など教えてもらい、もちろん彼女も勉強し、わびさびが解り始めたという。
建物や自然の美しさに感動したのは初めのうちで、「美しい景色は日本の深い美しさを表現するには物足りない」と、彼女に言わしめることになったのだ。

             

 
自作の俳句から始まる作文はもちろん99%は彼女のオリジナルで、私は意味は通じるものの日本語としての自然な言い方はこちらのほうが、というようなアドバイスにとどめた。
 
私がフランス語の作文をするとき、いくら文法などに誤りがたくさんあったとしても、添削されてまったく他人の文章になってしまうのは正直がっかりしてしまう。
だから出来るだけ、彼女の文章、もっと言うと彼女らしさを残したいと言う気持ちで、添削させていただいたのだった。 
 
             

 今でもそれは間違っていなかったと思うが、彼女にこうしたらとアドバイスするのは、簡単ではなかった。
質問を投げかけながら、納得しないと絶対に変えないのは分かっていたが、こちらは日本語のスペシャリストではないし、どう伝えたらよいか、本当に悩まされた。
しかしこの経験は私のフランス語を見直すのにも、フランス人を理解するのにも大変役に立ってくれている。
私の友人の中でも、日本文化の深さを鑑賞できる友人の一人であることは間違いない。
 
 

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朝から晩までブルゴーニュの魅力を堪能

2011年10月20日 | ブルゴーニュ

素晴らしいランチの後、「ビュッシ・ラビュタン城」へ連れてくれた。この入城券売り場兼土産物売り場の一人の若い女の子が、日本へ行ったことがあると親しげに話しかけてきた。 

 

このお城はガイドブックに載っていないけれど、なかなか静かで落ち着いたところだった。 

彼らが連れて行ってくれなければきっと一生知らずにいたに違いない。

 

                    

 

                         

 

この地方の領主の城だったらしいが、ベルサイユやヴォー・ル・ヴィコントと同じく広い庭がずっと続いていた。

 

           

 

           

 

           

 

お城を見学した後、希望していた「フォントネー修道院」へ連れて行ってくれた。     

 

          

 

          

 

          

 

この修道院はかなり質素な修道院だが、大きな工房を持ち動力源には水車を使うなどしていて、祈るばかりでなく、修道士達がしっかり働いていたようだ。

 

ムッシュは、カメラでちゃんと脚立を立てて撮影していた。日本へ来た時3台もカメラを持っていたことを思い出す。カメラ好きでしかも几帳面なのだ。

 

          

 

出口で係の子が、日本語で「さようなら」と言った。フランス語で返すとBonne  journeeはどういうの?」と聞いてきたので、「よい一日を」と答えるとにっこりして、「有難う」と言った。たぶんここは世界遺産でもあるので、日本人観光客が多く訪れるのであろう。その時日本語で挨拶をしたいのだろうと私もその思いが嬉しかった。

 

こうして充実した見学の一日を終え、帰宅した。

その夜、彼等の娘さんが訪ねてきて、孫の娘さんもボーイフレンドと一緒にやってきた。皆写真で見たことのある顔なので、初対面と言う感じがしない。

 

                      

 

娘さんはこのムッシュに似ているが、上品で綺麗な人だった。

孫娘カップルは、仲が良く、もうお客(私のこと)の前でもお構いなくいちゃいちゃしていた。どちらかと言うと孫娘の方が彼に甘えている風だった。

 

                   

 

それはさておき、今夜も奥さんの凄腕による手料理の御馳走だった。

おいしいランチをたらふく食べたのに、帰ってくるとまたこの御馳走だが、時間をかけ喋りながら食べるのと、やはり美味しいので、このディナーも相当頂いた。

 

            

        

中でもこの地方独特の「ハムとパセリのゼリー寄せ」と言うのが実においしかった。

 

 

      

 

今回の渡仏で私は、この時点で自分が明らかに太り始めたのを認めざるを得なくなった。でもまぁーいいか、美味しいから仕方がないや。

しかし翌日も御馳走は続く。

 

 


エプロン姿でオペラを歌う!?

2011年10月19日 | パリ郊外

日本で初めて会った数週間後、彼女とはパリで再会した。

 

この時は、ご主人も一緒だった。

前に書いたようにその彼は、北アフリカ出身で、彼女より10歳以上若い。

年下のご主人といると若がえるのか、彼女はこの後も会うたびに若く見えた。

 

年齢を重ねて痩せていくより、個人的には「ふっくらめ」がいいと思うが、彼女は初来日で着物を着て、その時のことを「まるでクジラでした」といい、気にしているようであった。

それからはダイエット?し(日本食に習い、魚中心でお肉はほとんど食べないそうだ)、少しずつスマートになり、そのことも若く見えるようになった一因なのである。

 

横道にそれたが、この時は、ゴブラン織りで知られるゴブランの近くの小さな宿に泊まっていたので、車で宿まで迎えに来てくれ、一緒に夕食をとることになった。

この宿はメトロの三駅が使え、観光地を車窓から楽しめる27番のバスが使えるとても便利な宿で、キッチンつきの部屋もある。

 

予め予約を入れてくれていたレストランはマレ地区の近くで、エプロン姿でオペラを歌う給仕さんがいるレストランだった。

  

              

オペラに詳しくはないが、ピアノが始まると急にそのあたりにいる給仕人が一斉に歌い出す。どの給仕人も本格的な素晴らしい声の持ち主で、肝腎の味もよく、日本人に食べやすく軽めで、見た目も繊細な料理であった。

      

                      

         

                          

 

私も彼女も魚をリクエストしたが、ご主人は魚がだめだとのことで、「野菜も好きでないし、健康に良くないのよ」と彼女に言われながら、お肉をおいしそうに食べていた。

       

              

       

              

 

彼女がすべてリードしているような夫妻で、ご主人は無口だったが、支払いの段になると、彼がさっと済ませた。

 

なかなかそれだけでは別れがたく「お茶でもどう?」と言ってもらったが、デザートまでしっかりいただいて満腹だったし、「もしできればお茶より、パリの夜景をみたいのだけど」とお願いをした。

 

それまで私は、夜はなかなか出歩く機会がなく、初めて見るパリの夜景だったこともあり、その美しさにワインより酔いしれたほどだ。

セーヌ沿いの建物はライトアップされていて「ああパリは本当に美しい街だ」と改めて感じ、エッフェル塔のライトアップにも感動した。

          

              

 

そのエッフェル塔のライトアップを見ている時、黒人の物売りがピカピカ光るエッフェル塔のおもちゃを売りに来た。

彼が「いらない」と落ち着いてさりげなく断わると、すぐに引き下がっていったのでほっとした。この態度に彼の人となりを感じたのであった。

        

                    

 

今では何人か肌の色の違う友達もいるが、そういう友達と会う最初の機会だった。そして宿まで送り届けてもらったのだった。

 

 

 

そして帰国後、彼女から「Tutoiement」(親しい二人称)で話しましょうと、嬉しい言葉をいただくのだが、これは私たちの距離が近くなったことを意味する。

 

 

そして彼女は、またこの半年後、紅葉狩りにやってくるのだった。

 

 

 

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ワインの見方はこうするんだよ!!

2011年10月17日 | ブルゴーニュ

ディジョンから北西約100キロの所にあるスミュール・アン・オーソワへ車で連れて行ってくれた。

 

やがてこの美しい町が坂の向こうに見えてきた。この時の姿が本当に綺麗だ

った。

           

 

車を街の広い道路の横に停めて散策した。

広い道路の横に「DOJO KARATE」と書いてある扉を見つけ、びっ

くりした。

こんな小さな村にも日本文化はちゃんと来ていたのだ。

 

        

 

古いノートルダムという教会に行ったが、ステンドグラスが美しく、丁度床に虹のような色彩を映していた。

 

      

 

街は要塞があったとかで、とんがり棒の塔がいくつも残っており、それらを見ているとかなり堅固な要塞だったのではないかと想像した。

 

この町を堪能して、午後に別のお城や修道院に行く前に、昼食のためレストランに立ち寄った。

 

このレストランがまた素晴らしかった。最初に出たスープに「グルニューイ(カエル)」が入っていた。今まで食べたフランスでの料理の中で、最高ではなかったろうか。

彼等は、本当に奮発してくれた。

 

        

 

         

 

          

  

        

 

          

 

またこのレストランに偶然立ち寄ったのではなく、ちゃんと事前に調べて、計画通り連れて行ってくれたのだった。

このムッシュの几帳面な、計画的な性格も解ってきた。

 

ワインの良し悪しはこうしてみるんだと、赤ワインにお日様の光を通し、下に映る色を見せてくれた。

 

         

 

         

 

彼曰く、「ワインはブルゴーニュに限る」と言う。ブルゴーニュ以外のワインは飲まない生粋のブルギニョン(ブルゴーニュ地方の生まれ育ちの人)なのだ。ボルドーもまた然りでボルドーしか飲まない人がいると言うことだ。

 

これまでの経過の中で、このムッシュの性格は、ちょっと気が短いところがあるが、気分転換は早く、上品にエッチで、郷土愛が強く、そして計画好きと言うことが加わった。

 

午後のお城と修道院については、次回に続ける。

 

 

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