彼女の二度目の紅葉狩りも、やはり混雑を避けて、京都の円通寺を訪ねることとし、もう一日は彼女の希望で、琵琶湖でミシガンに乗り、三井寺へ行くことにした。
円通寺は比叡山の借景で有名な所で、雪景色が素晴らしい。しかし紅葉の時期も、観光客はそれほど多くはなく、ゆっくりと眺められた。
お寺によると、フランスの環境相がすでに訪れたとのことである。
私が今年初めて訪れたお寺もシラク前大統領は訪問済みであった。
彼らは別としても、結構、通なフランス人は京都を私よりずっと知っているので、恐れ入る。
この借景の説明をするのも難しかったが、何とか通じていると思いたい。
琵琶湖でミシガンに乗るのは私も初めてだったが、舞台で音楽などの演奏も楽しめた。
「一緒に舞台にあがってみませんか?」と何やら面白そうな楽器?を出していたので、ちょっとやってみようと、舞台に行った。
彼女は大喜びで、私に「あなたは恥ずかしがり屋ではありませんね」とほめ言葉?を頂戴した。
そして「外国からの観光客はいますか?」とのことで、今度は彼女が出ていく番になった。
その時である。荷物を置いていることに、一瞬不安な様子で振り返りつつも、「ここは日本だから大丈夫ね」と手ぶらで上がっていったのだ。
条件反射のように荷物を気にしたが、残念ながらそれはフランスでは不可欠なのである。
最初は恥ずかしそうにしていた彼女が、少し誇らしげに答えた。
「どこの国からですか?」と問われた時だ。「フランス、パリからです」と。
この時のように最初恥じらい?を見せるが、それは「ぶりっこ」と言う形であって、この後いろんな場面で、しばしばこのようなポーズを見せることがあることが解って来るのだった。
三井寺の近くのおそばやさんで昼の定食風の物を食べた時、彼女が珍しく残したものがあった。それは山芋のとろろだった。一口食べたが、どうもだめだったらしい。
三井寺では、巡礼のグループに出会い、それをみた彼女は言った。「いつか四国八十八か所の巡礼をしたい。一緒にどう?」と。
それもいいなと、思いながら、晩秋の近江路を後にし、夕食のため京都駅へと向かったのであった。
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