『蜻蛉洲大和の国のサンライズタイム』ー外国人参政権反対、移民政策反対、背乗り工作反対!盗聴・盗撮は日本では犯罪です!ー

キラキラネームは日本の漢字文化を破壊するための、カルトの工作活動です!公務員の国籍条項と外国人土地法の復活求む!

習近平革命(一)

2014年04月23日 00時49分28秒 | 日記
・始めに
2013年3月9日、北京で開かれた、第12期全人代第1回会議の記者会見の席上、楊潔篪(ようけつち)外交部長は、新体制の外交政策について述べた後、中国の新しい国家主席は、ロシアのプーチン大統領、タンザニアのキクウェテ大統領、南アフリカのズマ大統領、コンゴ共和国のサス・ンゲソ大統領の招待で、これら4カ国を国賓として訪問する、と発表した。

習近平が国家主席就任後、初の外遊先として選んだのはロシアだった。初の外遊先は、その後の政策に色濃く反映される。その為、当初、習近平の外交政策は、ロシアのプーチンが、ソ連時代に失った勢力圏を回復するような、帝国主義外交を志向しているのではないかと見られていた。

しかし、昨年末の周永康の身柄拘束以降、或いは、2012年12月4日に定めた「八項規定」に従って行われ続ける腐敗撲滅運動は、プーチンというよりも、寧ろ、反対派を弾圧し、汚職を摘発し、体制内の改革と厳しい政策を行った事で知られるユーリ・アンドロポフに近いのではないか、と見られるようになって来ている。

そもそも、中国共産党が政権を執って以来、歴代の指導者には、暗殺の影がつきまとう。例えば、71年、林彪(りんぴょう)等によって計画された毛沢東暗殺計画(専用列車の爆破)、その暗殺計画の失敗で林彪は妻と共に飛行機でソ連に逃亡したものの、モンゴルで墜落死した。この墜落について、中共は現在に至るまで正式な発表をしていない。06年、黄海で北海艦隊の演習を視察中、胡錦濤が乗船していた駆逐艦にミサイルが命中。09年には、江沢民夫妻が乗車していた列車が湖南省で事故を起こし、負傷者60名以上、死者3名という犠牲者を出している。小平に至っては、69年~88年にかけて、七回も命を狙われていると伝えられている。

歴代の指導者が狙われているのに、習近平だけが平穏でいられるはずもない。

2012年9月4日、当時の国務長官ヒラリー・クリントンは専用機で訪中し、5日に、当時副主席であった習近平と会見する予定になっていた。しかし、4日の晩11時になって、突然、中国側からの申し出で会見は取り止めになった。他にも、シンガポールの李顕龍とロシアの官僚との面会も中止になり、15日にCCTVに一度登場するものの、この映像には替え玉、合成写真説も出て、19日午前に行われたパネッタ米国防長官との会談まで、本格的には公の場に姿を見せなかった。また、同じ頃、序列八位の賀国強も、同年8月の終わりから、9月12日まで姿を見せなかった。

この時、中共内部で何が起こっていたのかは分からない。しかし、2013年12月6日、「蘋果日報 appledaily」他は、12月1日の晩に、中央政法委前書記 周永康の身柄が拘束されたと報じた。罪名は、習近平の暗殺、政変の計画、妻の殺害と巨額の収賄。同紙は、重慶前市委書記 薄煕来事件に続く高級幹部の醜聞であるのみならず、「政治局常務委員経験者に刑事罰は科さない」という慣例にも背き、中共政壇に与える影響は、薄煕来事件をはるかにしのぐ物であると述べた。

これは海外からの情報を、香港の媒体が逆輸入して報じた物で、中共政府からの正式な発表ではない。しかし、伝統的な共産党内部の勢力争いという観点から考えれば、周永康の拘束は、充分にあり得る事態だ。


さて、毛沢東の文化大革命、小平が80年代に行った「厳打」や、薄煕来が重慶で行っていた「打黒」もそうだが、中国共産党の特徴として、世の中を変える、或いは、手に入れる時には、それに附随して大量の逮捕者が出る。

習近平が姿を消してから三ヶ月後の2012年12月4日、習は「八項規定」を打ち出し、「腐敗の撲滅」に乗り出した。「腐敗」は社会の隅々まで蔓延しており、放置すれば党も国家も瓦解する問題ではあるが、共産党の大抵の幹部は、腐敗に手を染めているので、政敵を倒す口実にもなる。本格的に始動したのは、恐らく13年に入ってからの事だ。今年3月1日、中央紀律委員会 監察部は、昨年、管理職で起訴された者が31人、「八項規定」に違反の疑いのある者が2.4万人、処罰を受けた者は3万人以上と発表した。

この様な運動は、一度始めると途中で止めることが出来ない。

国家を挙げて腐敗撲滅運動を行うのであれば、中国の電力・金融・電気通信に関わる大型の独占企業、とりわけ李鵬一族の掌中にある電力(三峡ダム)問題に着手しないわけにはいかない。李鵬はダム建設を推進した中心人物であり、ダムのために百万人が移住し、環境破壊、四川地震、重慶の気温上昇が起こり、共産党内での三峡ダムの評価は低い。

また、李鵬は、天安門事件当時、民主化に反対して長老達のために率先して働いた人物でもある。天安門事件から四半世紀が過ぎ、民主化運動に理解を示した胡耀邦や趙紫陽の評価も含めて、共産党としても事件に決着をつける時期に来ている。一方で民主化に反対しておきながら、一方で巨大な電力利権を独占している李鵬は、酷い矛盾を抱えているのだ。こう考えると、李鵬を排除するのに好機が訪れていると言える。

こうした思惑があるのか否か、薄煕来の裁判が終わり、周永康の身柄が拘束されて以降、李鵬一族の利権独占の記事が華字紙上を賑わしている。


さて、毎年3月には、北京で全国人民代表大会(全人代)と、中国人民政治協商会議が開かれる。全人代は国権の最高機関で、日本の国会に当たり、代表は共産党と人民解放軍の中から選出される。それに対して、政治協商会議は政府の監督機関で、委員に選出されるのは、共産党員だけではない。各党派、団体と各民族、各界の有力者の中からも選ばれる。「協商」とは、話し合いの意。任期は共に5年で、毎年1度、全体会議を開く事になっている。この二つの会議を合わせて「両会」と言う。

3月に開かれる理由は二つ。一つは全人代で審査されるべき国民経済と社会に関する各種の報告が、この時期にやっと上がってくるので。もう一つは、農歴の春節がだいたい1月か2月なので、春節と重なるのを避けるため。また、政治協商会議は諮問機関なので、全人代で決定を行う前に、案件を人民及び各界の代表に提出し、政治協商会議内部で充分な議論を行う必要がある。その為、政治協商会議は全人代よりも二日早く開かれる事になっている。

今年の政治協商会議(12期第2回)の会期は3月3日~12日、全国人民代表大会の会期は3月5日~13日だった。昨年に続き、二度目の会議であり、経済や環境問題などは従来通りで目立った変更はなかったが、報道関係者は国内外から3000名ほど集まっていた。


2014年3月2日15時、人民大会堂1階のプレスホールで、全国政治協商会議12期第2回会議についての記者会見が開かれた。大会報道官 呂新華(りょしんか)は、中外の記者に向かって会議の状況を説明し、並びに、記者の質問に答えていた。

記者会見の終わり頃、香港サウスチャイナ・モーニングポスト(南華早報)の記者が質問をした、「世間には周永康に関する噂が頻りに流れていますが、政治協商会議はどの様にお考えでしょうか?」

これに対して呂新華は、「私は君と同じで、各地の媒体から幾らかの情報を得るだけだ。」2013年、中央紀律検査委員会監察部は、規律違反の疑いのある管理職について、処罰した者が31名おり、部級幹部も含まれている、と発表している。我々は、高級幹部を含む党幹部に対して、厳正に調査している、と述べた。

更に、全党、全社会に向けて表明するが、我々は、誰であろうと、どれ程地位が高かろうと、党紀に違反した者は、皆、厳しい追及と厳粛な処罰を受けなければならない、これは誓って空論ではない、「私が答えられるのはこれだけだ、知っての通りだ。」と表明した。(「観察者」『全国政協報道官呂新華 南華早報の質問した周永康事件の噂に答えて:知っての通りだ(全国政协发言人吕新华回应南华早报提问周永康案传闻:你懂的)』2014-03-02 16:36:31)

中共報道官が、周永康の失脚について認めた瞬間だった。

今年の両会では、反腐敗が注目された。両会の報道官呂新華は、国外のメディアが周永康事案について質問をすると、意味深長に「知っての通りだ」と答え、周永康の失脚を黙認した。前日の、3月1日には、最高人民検察院が、検察機関は今年、鉄道、電力、石油、電気通信等の独占企業の腐敗案件に重点を置く、と発表している。その上、メディアは三峡ダムプロジェクトに関する汚職の連鎖を暴露し続けているので、「周老虎」が失脚した後の、次の「大老虎」が誰であるか、皆、想像をかき立てられているのだ。

習近平の反腐敗運動は、最終的には何処に向かうのだろう?(「博訊新聞ネット」『今年 周老虎を追い落とし、次は李老虎?(今年打了周老虎,下一个是李老虎?)』2014年3月08日他)


政敵を粛清する事が、社会からも歓迎され理解されているうちは、自身の政権基盤の強化に繋がるが、粛清に巻き込まれて社会全体に不満が募ると、却って政権の弱体化を招いてしまう。「厳打」を行った80年代、小平は二度の襲撃を受け、「打黒」を行った薄煕来は完全に失脚した。ユーリ・アンドロポフは、KGB議長としての経験と軍の後押しのもと、綱紀粛正を断行したが、習近平はどうなるだろう。

さて、これから先、習政権が改革に成功し、政権基盤を強化できるか否かは分からないが、それは必ず中国全土に影響を及ぼす事になりそうだ。ならば、ここで少し、周永康の身柄拘束から三峡ダムに至るまでの、最近の出来事をまとめておく事は、意味のないことではないと思う。
4056