柴又帝釈天の彫刻 その５ 〜胴羽目彫刻（部分）〜

胴羽目彫刻を説明文等と照らし合わせてみました。

 

(1) 塔供養の図

佛の眉間から光が放たれると、

 

佛国土が照らし出され、

 

さかんに塔供養が行われている。

 

(2) 三車火宅の図

われわれ凡夫は、火宅の中で遊びたわれる子供と同じで何のおそれも感じないため（＝苦難に満ちた現世でぼーっと生きてると）、

 

父親は、子供たちを救出するために羊・鹿・牛がひく三種の車を用意した（＝解脱への道を整えた）。

 

(3) 慈雨等潤の図

風神雷神が（慈悲心の）雨を降らせると、

 

大地には、緑があふれ、さまざまな花々が咲きほこり、

 

天人たちが地上の楽園に舞いおりて来た。

 

(4) 法師修行の図

法華経を受持する者の前に、

 

白象に乗った普賢菩薩が姿を現わし、守護する。

 

高原穿鑿。高地で井戸を掘ってもなかなか水が出ず絶望的になるが、あきらめずに掘り続けている。

 

(5) 多宝塔出現の図

多宝塔が地面から涌き出してきて人々の信仰をほめたたえる。

 

人々は歓喜にうちふるえ、

 

顔には法悦のほほえみが浮かぶ。

 

(6) 千載給仕の図

阿私仙という仙人に教えを乞うために、

 

水を汲み、薪を拾い、果の実を採り、千年の間、身を捧げた。

 

(7) 龍女成佛の図

龍女が不動の境地に達し、宝珠を、

 

佛に献げる。

 

(8) 病即消滅の図

香料を飲み香油を塗り、自らを燃やし、薬王菩薩となり、

 

あらゆる病への良薬をつくり、不老不死の境地を得る。

 

(9a) 常不軽菩薩受難の図

常不軽菩薩が人々の迫害を受ける。

 

(9b) 法華経功徳の図

救いの道とは、寒さに火を得るようなもの、子のところに母親が来るようなもの、渡りに舟を得るようなもの。

 

(10) 法師守護の図

修行する法師を天人が見守り、

 

阿修羅が守護する。

 

なんと力強いことか