スペイン、サンチャゴ・デ・コンポステーラからポルトガルに入り、ポルトガルの旅はポルトから始まった。
ポルトはポルトガル第2の都市で、ポルトガルの国名の由来となっている街。
ローマ時代から交易で栄えていて、今でもポートワインの出港地として知られている。
また、ポルトの旧市街地は、「ポルト歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されている。
[サンチャゴ・デ・コンポステーラのバスターミナル]
面白いことに、スペインでは時間や乗り場がいい加減だったバスもポルトガルに入ったら驚くほど時間通りに運行されていた。
国をまたぐバスターミナルは街から少し離れたところにあったので、地下鉄のカーサ・デ・ムジカ駅からホテルのある旧市街に入った。
ここでも係員に「シニア?」と聞かれた。
ヨーロッパはどこでも、何にでもシニア料金がある。
鉄道、美術館などの入場料など、一般と比べものにならないくらい安くなっているところもあった。
取りあえずホテルにチェックインしてから街歩きをした。
やっぱりポルトはポートワインと言うことで、「Real Companhia Velha」というワインセラーに寄るコースがあるツアートレインに乗った。
このワインセラーはポルトガルで一番古いらしい。
ツアートレインはここで見学と試飲をしてから街に出て、主な見どころを回ってくれた。
街の様子を頭に入れた後、旧市街から歩き始めた。
カテドラル(ポルト大聖堂)→サンベント駅→グレゴリスの塔→レロ・イ・イルマオン→サンフランンスコ教会と回った。
坂道が多くて結構大変だった。
カテドラルは高台にあるためランドマークとなっていてここから旧市街が一望できた。
12世紀初頭に建てられたポルトで現存する最古の建造物で、世界遺産「ポルト歴史地区」の構成遺産の一つとなっている。
小高い丘の上にあるのは、最初は大聖堂ではなく要塞として築かれたらしいからだとか。
カテドラルもアズレージョで有名らしく、回廊はずっとタイルの装飾となっていた。
次がサンベント駅。
ポルトを歩いているとあちこちにアズレージョと呼ばれるポルトガルのタイル装飾が見られるが、中でもサンベント駅のアズレージョは見事だった。
この駅は最初は修道院だったらしく、それを改築して駅にしたようだ。
改札口左側の壁には「12世紀のアルコス・デ・ヴァルデヴェスの激戦(Torneio de Arcos de Valdevez)」の様子のアズレージョ。
このようにそれぞれの絵にストーリーがあるとのこと。
[駅のホーム]
駅で素晴らしいアズレージョを見てから徒歩で5分先のところにあるポルトのシンボルの「クレリゴスの塔」(Torre dos Clérigos)に登ってみた。
この塔は「グレゴリス教会」にあり、18世紀に完成したバロック様式の教会になっている。
入場料を払い塔に登るのだが、人気があるようで混んでいた。
[中央がグレゴリスの塔]
遠くからでもひときわ高く見えていた。
[グレゴリス教会]
[グレゴリスの塔]
[グレゴリスの塔から見た街]
[グレゴリスの塔から見た街]
塔から降りて「レロ・イ・イルマオン(世界一の書店)」を探した。
すぐ近くにあったが、お店自体の入り口はあまり広くなく、数件隣のチケット売り場の方にたくさんの人が並んでいたので、本屋よりもこちらの方が分かりやすかった。
レロ・イルマオンの記事はこちら
バルで食事をした後、通った道を逆にドウロ川方面に下って、再びカテドラルを通り過ぎ、ポルトの名所でもある「ドン・ルイス1世橋(Luís I Bridge)」を渡った。
ドウロ川に架かるドン・ルイス1世橋はポルトでも一番有名な橋で、ポスターなどによく使われている。
この橋は19世紀に建設され、世界遺産にも登録されている。
設計者はエッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルの弟子らしい。
橋は2段になっていて、上段は人と電車、下段は人と車が走れるようになっていた。
[橋の上段]
すぐそばを電車が通り過ぎていった。
上には下を眺めたり、写真を撮ったりして立ち止まっている人も多かった。
歩いているときに後ろから声を掛けられた。
その人が言うには「自分は警官だが、今パトロール中で、後ろを歩いていた人がリュックの蓋を開けようとしていたので注意するように」と。
私服だし、本当に警官なのかと尋ねたら手帳を見せてくれた。
もしかしたらその手帳もあやしいのかもしれないので、あまり関わらずにやり過ごしてしまったけど、本物の警官だったのならごめんなさい。
[橋から見たドウロ川]
橋を渡った先には庭園などあったが、すぐに引き返すことにして、戻りは下を歩いてみた。
下を歩くとこのような感じだったが、渡ってから上の道路に出るまでがハンパなく急な坂道になっていたので、最初から上の道を戻れば良かったと後悔した。
有名な橋の見学も終わり、「サンフランシスコ教会」と「アルマス礼拝堂」に寄ってからホテルに戻った。
[サンフランシスコ教会]
クレリゴス教会と同じバロック様式の教会で、すぐ隣には「ボルサ宮」があった。
サンフランシスコ教会の内部は撮影禁止、ボルサ宮は個人では内部の見学はできなかった。
[アルマス礼拝堂]
教会全面が美しいアズレージョに覆われていて一見の価値がある教会だった。
中には入らずに、外から眺めただけ。
プランニングの仕方が悪く、同じ道を通ったりして無駄なことも多かったが、1日掛ければ十分に歩いて回れる街だった。