黄龍(こうりゅう)の素晴らしい写真を見て行ってみたいと思った。
中国のチベット地方、不便な場所なので個人では難しいと思い、安心なツアーに申し込んだ。
世界遺産の九寨溝(きゅうさいこう)と黄龍、この2ヶ所はセットになっているようで、たくさんのツアーがあった。
そのうちの一つから、なるべくゆったりとしたツアーを選んだ。
九寨溝は中国四川省の南西40kmの山中にある峡谷。
周囲に九つのチベット族の村があることから九寨溝と名付けられ、原生林、多くの湖沼があるところ。
ジャイアント・パンダなどの希少動物も生息している。
黄龍は九寨溝の近くにあり、地表に露出した石灰が侵食され、堆積して形成された大小の池が棚田状に約3,400個、約7kmにも渡って連なっているところ。
成都から乗り継ぎで九寨溝空港へ入った。
九寨溝空港は標高約3,500mもあるので、天候が不安定だったりしたらすぐに飛行機が欠航となってしまうらしい。
この時は天気も良く、無事に飛んでくれた。
降りた途端、頭がクラクラした。
突然富士山の頂上に立ったのと同じなので、無理もないと思いながら待っていたバスに乗り込んだ。
30分ほど走ったら、チャン族という少数民族が住んでいるチベットの村に着いた。
ここは観光用の村になっているようで、実際に生活をしている家の見学やチベットの衣装を着る体験などがあった。
きれいな家で調度品なども立派な物がたくさんあり、裕福そうな感じだった。
[リビングにある飾り物]
[台所]
こういうのを見せるのは中国のヤラセなのかな? などど勘ぐってしまった。
なぜならば屋根の上には必ず中国国旗とチベットの旗の二つがあり、この村に住む人は中国に対して服従していることを見せているようだったから。
ずっと前に、ウイグル人と知り合った時、中国のことを色々と聞かされていた。
たくさんの漢民族が入り込んできて、滅多なことは言えなくなってしまった、とも言っていた。
だから、チベットも同じなんだろうなと思ってしまった。
でも、今回は旅行なので、そんなことを考えずに楽しくしようと思い、チベット村の土産物屋で手作りの手芸品などを買った。
バスはだいたい30分ごとの休憩を兼ねた観光になっていて、この次は闘鶏台山で約1時間のハイキング。
闘鶏台山は標高3,550m、この場所でのハイキングはきつかった。
たくさんの花が咲いているので写真を撮ろうとしゃがみ、起き上がろうとしたら頭がクラクラとして息が切れる、空港の時と同じだった。
闘鶏台山は「岷江(みんこう・びんこう)源流の地」と言われ、岷江は揚子江の支流の川で、成都を経て、宜賓(ぎひん)で揚子江に流入している。
最近では三峡ダムが危ないというニュースがあったばかりだけど、この辺りはずっと上流だから大丈夫だと思う。
[岷江源流の碑の前で]
歩くのがやっとのハイキング中に撮った花、少しボケ気味。
珉江源流から少し走ったところに石造りの甲蕃古城というホテルがあり、ここで休憩した。
あまり人の気配のない、暗い雰囲気のところだった。(霧が出ていたからかもしれない)
チベット式の古式建築をしたリゾートホテルらしい。
高い山に囲まれていて、石造りの建物が並び、村の中央は大きな広場になっていた。
ところどころには高く、小さい窓のある塔があった、何のための塔なのか分からない。
でも普通にレストランもあり、結婚式も行われるらしい。
ここに寄ることを知らなかったので、事前の知識がなく、後から調べてもあまり情報がなかった。
この後は甘海子国家森林公園でまた散策の時間があった。
ここは標高約2,500m、1,000mほど下ってきたので、普通に歩けるし、息の切れ方も違った。
元々は高山湖だったが、後に地質の変化のせいで水が大量に抜け、干海子と呼ばれるようになり、同じ発音の甘海子となったらしい。
原生林の中にある湿原で、木道も整備されていて、本来ならば回りにある玉龍雪山の景色が素晴らしいらしいのだが、この日は天気が悪く回りの山々は見えなかった。
でも足下の花はいっぱい見ることができた。
この後はホテルまで直行し、九寨溝シェラトン(九寨溝喜来登国際大酒店)に入った。
ここで2泊する予定。
シェラトンも漢字で書くと面白い。
[九寨溝シェラトン]